がん(骨肉腫)闘病記

抗がん剤治療、放射線治療、人工関節置換手術、MRSA感染、身体障害者となっての生活の記録を残します。

11月23日付・読売社説-裁判員制度 混乱なくスタートできるのか

2008年11月23日 | Weblog
2008年11月23日 09時45分記載

参照URL http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20081123-OYT1T00069.htm



「裁判員制度が始まるまでに、国民が抱いている不安を少しでも取り除くことが、何よりも重要であろう。

 裁判員制度のスタートまで半年を切った。来年5月21日以降に起訴された殺人など重大事件の裁判が対象となる。

 無作為に選ばれた裁判員候補者に、近く、「名簿記載通知」が発送される。約29万5000人、20歳以上の約350人に1人が候補者となる。来年はその人たちから裁判員が選ばれる。

 地方裁判所は裁判員裁判を開く際、50~100人の候補者を呼び出し、6人の裁判員を決める。いつ呼び出しがかかるのか。仕事を抱え、気をもむ人も出るだろう。候補者に与える心理的負担は決して小さくはあるまい。

 裁判員法は、候補者本人が選ばれた事実を不特定多数の人に知らせることを禁じている。家族や職場の上司など、最小限の人にしか伝えてはいけないという規定だが、周知不足は否めない。混乱やトラブルは生じないだろうか。

 裁判長は、裁判員の辞退を認めるかどうかを決める。裁判員に対して争点などを分かりやすく解説するのも重要な役割だ。裁判長によって対応にばらつきが生じないよう再点検が必要である。

 裁判員は、有罪か無罪か、死刑か無期懲役かといった難しい判断を迫られる。国民の参加意識の低さが指摘されてきたが、法律的知識を持たない一般の人が、被告を裁くという重責に尻込みするのも無理からぬ面がある。

 凄惨(せいさん)な現場の状況を聞いたり、写真を見たりして、精神的ショックを受ける裁判員もいるだろう。量刑などを決める評議の内容を口外すれば罰せられることへの重圧も抱え続けねばならない。

 最高裁は、裁判員の心のケアのため、24時間対応の電話相談窓口を設置するが、きめ細かな体制整備が欠かせない。

 裁判員制度のスタートに備え、分かりやすく迅速な裁判の実現が図られてきた。初公判前に、裁判官、検察官、弁護人が争点を絞り込む公判前整理手続きが導入されたのは、その典型だ。

 だが、簡略化、迅速化を優先するあまり、審理がおざなりになってはなるまい。公判前整理手続きの検証も実施すべきだ。

 最高裁の新長官に、裁判員の制度設計にかかわってきた竹崎博允・東京高裁長官が就任する。裁判員制度を無事スタートさせ、軌道に乗せることができるか。手腕が問われる。

(2008年11月23日02時23分 読売新聞)」

裁判員裁判なんてやめればいいんだよ。何のためにこんなことやんの?

「ほとんど絶望的」(平野龍一先生)と言われた「精密刑事司法」から「核心刑事司法」への転換を図りたいなら、取り調べ過程の全面可視化が絶対に必要で、今予定されているような裁判員裁判を実施するなら、「核心司法」の実現どころか、「拙速・厳罰・冤罪司法」が実現することは必至。なんで捜査当局が取り調べ過程を全面可視化しないか考えてごらんよ。

誰がこんなことやろうとしてんのかな。松尾浩也先生もどうしちゃったかな(「裁判員」の名付け親といわれている。ちなみに、私が大学生時代のクラス担任で、松尾先生の刑事訴訟法も履修している)。


平野龍一先生、田宮裕先生が生きていたらどう言ったかな。極めて残念。