新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

4月30日 その2 緊急事態の延長

2020-04-30 09:09:53 | コラム
緊急事態の延長は当然だと思うが:

大方の予想が1ヶ月だとなっているが、これではまたもや単なる「継ぎ足し方式」に過ぎないと懸念している。結論を先に言えば「もっと長期間の延期を実施と発表すべきではないか」なのだ。

私が懸念することは「やっと1ヶ月近くもストレス(後述するか言葉の誤用である)耐えて頑張ってきたのにも拘わらず、また30日も耐えろと言うのか」という不満が爆発するかも知れないという点だ。即ち、繰り返して引用して来たYM氏の理論である「最初から可能な限り広範囲(この場合は長期間)を設定して、状況の変化に応じて拡張か縮小を図る」を適用すれば、去る7日には「最短でも2ヶ月と定めるが、ウイルス征圧の進行状態如何では短縮もあり得る」としておけば良かっただけのことだと思っている。

そこで、1ヶ月延長された事による不満が初めてストレスとなってのしかかるのであって、それまでの1ヶ月間に外出も出来ず会社にも出勤できずに、馴れぬテレウワーキングなどさせられていたのは欲求不満、即ちフラストレーションだったのである。フラストレーションは「密」を承知で公園に出てジョギングをするとか、「家飲み」とやらをする等の代償行為で発散可能なのである。既に引用したが、Oxfordには“stress”とは“pressure or worry caused by the problems in one’s life”とある。外出が出来ない欲求不満とは異なるのだ。

安倍総理は相変わらず延長については専門家に相談すると言われるが、私は疑問だと思って聞いていた。かなりの数のその会議の会員ではないようなお医者様は「ウイルスの完全なる征圧まではもっと長期間を要する」と見ておられるし、横倉医師会長は「ワクチンでも出来ない限り」という条件を付けて「来年のオリンピック開催にも疑問がある」と言われていた。また、私は既に日本大学危機管理各部の福田教授の言葉を引用して「専門家会議には危機管理の専門家を配置されたら」とも言ってきた。これもYM氏の理論の範囲内だ。

延長期間もさることながら、私は厚生労働省の怠慢とでも言いたくなるPCR検査の基準の設定不備の実質的改善の放置や、軽症者を自宅療養に追い込んで死亡に至った事態を緊急に改善しない無責任さも大いに非難したいし、加藤厚労相の責任も問いたいのだ。同時に小池都知事を言いたい放題に野放しにして、政府が言うべき事を先にテレビで言わせてしまっている管理不行き届きというか、西村担当大臣の管理能力も問いたいのだ。東京は首都であるが、小池さんは知事の一人であって、閣僚でも何でもないのだ。それを持ち上げるかの如きテレビ局の姿勢も問題だ。



随意契約だったとは

2020-04-30 08:19:04 | コラム
アベノマスクに問題に思う:

あの2枚のマスクが配達されてから世論というかマスコミが騒いだせいか、内閣から契約した3社、即ち興和、伊藤忠商事、松岡コーポレーションと、生産国が中国、ベトナム・ミヤンマーと発表された。それを聞いた二男は直ちに「それで指名入札か随意契約か」と疑問を呈した。私は随契はあり得ないとは考えていたが、配布が発表されてから配達されるまでの期間が意外に短かったので、彼の疑問を聞いて「もしかして」とは閃いていた。だが、理屈では所謂国事行為での随契はあり得ないのである。

私は日本の会社にお世話になっていたときに短期間でも官庁入札を担当したので、国に対して納入する仕事は全て入札であり、いきなり随意契約が成り立つとは考えられないと思っている。我が社では競争入札に参加できる資格を備えて応募して初めて参加が許可されたのであって、記憶にある資格の一項目は「2~3年間だったか利益が上がって配当を続けていること」だった。しかも、如何なる品目が入札となるかは、それぞれの役所から発表になるまで解らないのだ。

今回の素早い処理を見ていれば、競争入札では無理だろうくらいの見当がついていたが、まさか後に判明した「ユースビオ社」という福島市の会社までが随契をしていたとは、驚き以外の何物でもなかった。マスメディアは相変わらず安倍総理のお友達優先かなどと言うが、そこまでのことはあり得ないと思っている。何れにせよ、如何に緊急事態とは言え、随意契約に踏み切っていたとはカタカナ語を敢えて使えば「ショック」だった。しかも、労働力の質が低いことを証明する事故が発生していたのでは、論外な失態ではなかったかとでも言いたくもなる。

失態は失態として非難したい向きは批判していれば良いのだが、仮令2枚でも洗って再使用できるマスクが無料で入手できたことは政府に感謝すべきだろう。国民の中には未だに正規の販売店からは買えない方々がおられるようだし、ここ新宿区の裏筋では中国製のマスクは徐々に値下がりして、ほぼ¥3,000/50枚1箱に収斂しつつあるという状況。何処かヨーロッパの国では1枚¥60を標準と定めたと報じられている。闇値と同じだ。

私は頻繁にどころか余り遠くにも外出しないので、アベノマスクの着用にまで至っていないが、マスコミの予測通りに緊急事態が延期されれば、何時の日かその2枚の有難味が出てくると期待して安置してある。イスラム横町の中国からの横流し品に手を出そうとは毛頭考えていない。とは言ったが、随契は意外だった。