新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

4月11日 その2 イスラム横町を視察すれば

2020-04-11 15:01:15 | コラム
中国製のマスクが50枚1パックで¥3,500:

この件は先月にも採り上げたが、本11日に大久保通りの人の動きでも観察するかと出掛けて見ると、イスラム横町で最も古いハラルフードの店の店頭で、日本人が掲題の1パック50枚入りで3,500の“Made in China”と表示されたマスクを10パック、即ち¥35,000もご購入の所に出くわした。店側は大喜びでレジ係に「10パックお買い上げ」と日本語で叫んでいた。私は余りの事に驚き且つ呆れた。店頭には10枚1パックで¥800もあったし、黒いマスクがバラ売りで¥300というのもあった。それを見た日本人の親子が「チャンとした品物だったら・・・」と迷っていた。

ここよりも新大久保駅に近い店でも、同じ品物を同様な値段で店先にこれでもかと積み上げて売っていた。私は1枚が¥70ということは半分が彼らの利益とした場合に、原価は¥35程度になると計算すると、通関・国内運賃・立替金利等の諸掛かりを引けば、何処かの港着では¥30くらいかなと暗算をしていた。まさか何時だったかテレビで採り上げていたように中国からバングラデシュ経由ではこんな原価にはなるまいとも瞬間的に考えた。何れにせよ、中国のブローカーは相当な高値でイスラム教徒側に売り渡しのだろうと推理した。

帰り道に掛かりつけの調剤薬局の店長さんに訊いてみると、彼等は協同でコンテイナー1本分程度を輸入して売り出している模様だとのことだった。もしも40 ftのコンテイナー1本分だとすると重量にすれば20 tonにはなってしまうので、一寸多すぎるような気がする。だが、官邸から(?)配布される布地のマスクが何時になるのか見通しが不明な折から、仮令1枚¥70~80でも切羽詰まった人は買いに来るのかなと思って通り過ぎた。それにつけても思うことは「中国はイスラム教徒には売っても、何故我が国には素直に出荷しないのか」との点だった。

禁止的飲み屋の自粛要請の内容

2020-04-11 09:07:45 | コラム
巧妙に仕組んだのは何れか?

既に「発出前に摺り合わせておくべき事柄」と批判した飲み屋やバーに対する自粛要請の内容が、西村康稔大臣と小池東京都知事の間で妥協(と取り敢えず言って置くが)が成立したようだ。私に言わせれば「午前5時から午後8時までで、ラストオーダーが午後7時まで」との内容は、飲み屋の経営者に言わせるまでもなく立派に「禁止的自粛要請」である。実は、私はアルコール類を一切受け付けられない体質でもあり「飲み屋」なる場所には少なくとも50年は足を踏み入れたことがないので、詳しいことは分からないが飲み屋の主たる利用者は会社員だろうと思っている。


その推理が正しければ、現在のように「働き方改革」とやらが法律で定められた(のだろうが、今や関係も関心もないので確認したことがない)時代にあっても、会社勤務の酒飲みたちが仮に定時の午後5時に会社を後にして飲み屋にダッシュしたとしても、7時までの2時間足らずの間にどれほど日頃の憂さを晴らすべく間抜けな上司の悪口を言って楽しんでいられる時間がどれほど取れるのだろうか。恐らく「取り敢えずビール」と注文したと思えば「8時です」と追い出されるのではないかと察している。

私は西村氏と小池さんの何れが巧妙且つ狡猾というか悪知恵が発達しているか知らないが、この自粛要請の内容は「飲み屋は『三つの密』の巣窟となり得る危険性が高いから、四の五の言わずに閉店せよ」と決めつけたのと同じだと思って聞いていた。そして財政力豊というか税収入が十分にある東京都だから、50万円か100万円の補償をすると言うのだろう。私に飲み屋の財務内容乃至は資金繰りなど全く分からないが、これだけの現金を即刻貰えたところで、5月の連休明けまでは生き長らえないのではと思うのだ。即ち、体の悪い飲み屋退治の自粛要請の内容ではないのか。

だが、見方を変えれば「政府も東京都もそれなりに飲み屋とバーからの感染者が多かった」という確たる資料をお持ちなのかも知れない。現在までに個人情報の保護なのか、守秘義務でもあるのか知らぬが、感染者の性別や年齢層は明示されても、職業別は公開されていない。私は仕事が終わった後に仲間同士や上司などと「軽く一杯」と呑みに出ていくのは「公共交通機関が縦横に張り巡らされていて便利な我が国だけの文化だ」と見てきた。車社会で何をするにも個人が単位のアメリカには、この手の習慣はないし、最早酒酔い運転も出来なくなったのではあり得ないのだ。

強いて西村康稔大臣と小池都知事の肩を持つことを言えば、彼等はこの「飲み屋」の文化を破壊しようと企図しているのではなく、そこを犠牲にしてもこれ以上の東京都内における感染の急激な広がり(尾身副座長様が誤用され小池さんも追随したカタカナ語では「オーバーシュート」となるが)を防止しようとしているのだと見て上げるようにしている。現状以上の感染防止策として残された道は「自覚のない若いアホどもが、何処まで目覚めて自粛するか」に懸かっていると思うのだが、如何か。