新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

1月19日 その2 フランスの有罪率は94%

2020-01-19 11:06:11 | コラム
NEWSWEEK日本語版に感謝:

いや、「国立国際医療研究センター病院での待ち時間に感謝」とすべきかも知れない。17日に2時間かと予測していた待ち時間に備えて、地下にあるセブンイレブンでNEWSWEEKの日本語版1月21日号を購入したお陰で、我が国の自虐的なネタばかりを報じてくれるマスコミには書けない記事に接することが出来たのだった。その記事は西村カリンというAFPの記者が書いたもので、英語では“So many unanswered questions”となっていた“「ゴーン劇場」に悩み続けた13ヶ月”だった。

内容も興味深かったが、私が注目した点を西村さんの記事から切り取りをすれば、下記のようになる。

“日本での刑事裁判での有罪率が99%を超える。これはひどい数字だ。「起訴されたら有罪になる」と考えるからだが、彼等(注:フランス人のこと)は自国の有罪率が94%前後なのを知らない。”

と言っているのだ。この点はカルロス・ゴーン氏がレバノンに逃亡してから言いだした、我が国の司法に対する故なき悪口雑言の中にあった有罪率99%論に自虐的マスコミが飛びついて過剰に報じていたことに対する批判というか、皮肉だと私は受け止めた。この誤認識はPrime Newsで高井弁護士が「起訴されていない方が多く、起訴する為にはガチガチに証拠固めがされているからそういう数字になっているだけだ」と、ゴーン氏の発言を真っ向から否定しておられた。この点は産経新聞ですら記事にしていなかった。

私は実は今までにゴーン被告とか容疑者という類いの接尾語をつけてずに、カルロス・ゴーン氏かゴーン氏とだけ書いてきた。それは何も彼を擁護するからではなく、マスコミの風潮に逆らったのでもある。ゴーン氏は明らかに我が国の法を破って逃走した悪漢であるが、現時点では遺憾ながら「推定無罪」かも知れないのであるから「氏」を付けただけだ。正直に言えば「彼の日産を破滅の危機から救った功績を認めるのに吝かではないが、日産自動車をホンダに次ぐ3位に落としたのは驕りがあって引き時を誤ったから」なのである。それにしても、あの逃走は不愉快な出来事だ。


トランプ大統領に感謝している

2020-01-19 10:25:19 | コラム
イランという国を良く知る機会を与えて頂いた:

トランプ大統領が数ある提案の中から最も優先順位が低かったと報道された「ソレイマニ司令官殺害」を選択された為に、専門家はイランというシーア派の国を語り、マスコミも挙ってイラン関係の報道をしてくれたお陰で、イランだけではなく中近東の事情などに全く暗かった私は、特にイランについて良く勉強させて貰えたのだった。イランがシーア派であり、サウジアラビアがスンニ派である程度は承知していたが、何らそれ以上の知識などなかった。トランプ大統領に「お陰様で」と感謝しているのだ。第一、革命防衛隊の中にソレイマニという指揮官がいることすら初耳だった。

更に、イランという国がトランプ大統領が言われるようにテロリストの国であるとか、世界各地方に色々な組織を置いてあり、今回のソレイマニ司令官の殺害に対するアメリカへの報復を何時何処でも仕掛けられるように準備が整っていると聞かされて(と知らされてと言う方が正確か)今更ながら、アメリカ対イランの対立の根深さが何時何処から発生していたかなどをあらためて知らされたのだった。特に私が恐ろしいことだと痛感させられたのが、イスラム教という宗教の存在で、その信仰の為なのかどうかは未だに解らないが、直ぐに人を殺すことを厭わない点だった。

専門家やマスコミ報道によれば、トランプ大統領の政治手法は「前任者のオバマ大統領のレガシーを崩していくことにある」のだそうだ。その一環としてイランとの核合意から離脱されたことが今日のイランとの対立を招き、経済制裁を科してイランの経済を逼迫させただけに止まらず、この度のソレイマニ司令官の殺害をイラクで敢行されたことについては色々な批判があるようだ。だが、それが非イスラム教圏内の国にとっては必ずしも誤った行為ではないという肯定的な説まであるとも知ることが出来た。その説では明快にソレイマニ司令官をテロリストだと指摘してあった。

安倍総理はそういうアメリカと決定的に対立しているイランと友好的な関係を維持されているのは偉いのだと、賞賛せねばなるまいと思う。しかもイランとは関係が良くないサウジアラビアを訪問され国王とも皇太子とも懇談された。素晴らしい外交力だと思って見ていた。しかし、総理が如何に努力されてもイスラム教の国が俄に変節してアメリカに靡くとは思えない。しかも、私は不勉強にして現在どうなっているか知らないが、トランプ大統領はイランから石油を買うなという声明を発しておられた。その上で有志連合(この表現は古いと思うが)まで結成された。

我が国はそれには参加せずに独自で自衛官を派遣すると決め、総理はサウジアラビア等の3ヶ国で支持を取り付けられた。今日まではこの件に関してはトランプ大統領のTwitterによるご意見の表明はなかったと思う。だが、大統領は何と言っても多くの専門家が認める“unpredictable派”の巨頭である。私はアメリカ対イランの対立を軸として中近東情勢をトランプ大統領の動きと共に注意深く見守っていく必要があると思っている。何分にも、私にはイスラム教国は何をするか読もうにも何も、何らの確たる知識がないのだから。