新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

United Nations対我が国

2017-05-17 08:15:47 | コラム
もう好い加減にUN信仰から離れよう:

我が国は実に生真面目なので、政治家もマスコミもSecurity Councilなどであれほど我が国を邪険に扱うUNを未だに世界の指導者か裁きの場と誤認しているとしか思えないほど信仰している。専門家や有識者の中には時々「敵国条項」の存在を指摘する人もいるが、安倍総理などはお立場上そうせざるを得ないのだろうが、DPRKが何か反則的な行動に出ると上記の役立たずの”Council”に訴え出ようと言われている。

私は何十年も前に誰が国会議員の一人が言った「UNなどは田舎の信用組合みたいなものであり、何の役にも立たない」を、今でもその通りだと思って信じている。何もDPRKだけではないが、世界にはUNを自国の都合の良いように利用はするが、決して頼りにはしていない行動に出る国が多いと思っている。しかも、我が国は世界で最も多額な会費まで負担していながら未だに敵国扱いであり、Councilの”Permanent member”にはして貰えていないのだ。

そこに今週になってUNの人権条約だったかに基づく拷問禁止委員会は、事もあろうに2015年に我が国と韓国との間で成立した「不可逆的合意」を見直すよう勧告したというではないか。私は我が政府というか担当(なのだろう)外務省は何をしていたのかと極めて遺憾に思うし、不愉快な思いをさせられている。

一般論的にも「我が国は世界に対する情報発信が極めて不足しており、何事においても十分に理解されていない恨みが残る」との説がある。私はこれは残念ながら当たっていると思っている。同盟国であるはずのアメリカに行ってみれば解るが、合衆国であるアメリカでは市民は自分が住む州だけが国家の如くに認識しており、日本に対する知識も少なく良く解っていない者が圧倒的に多いのだ。尤も、我が国でも「アメリカの実態は如何なるものか」をチャンと認識出来ている人がどれほどいうるかも疑問だが。

今回も拷問禁止委員会は韓国が提出した文書から判断したと産経は報じている。産経によれば、その文書は「最終的且つ不可逆的に解決されるとの合意内容に沿っていない」のだったとある。これを信じる委員会も困ったものだが、私は何故我が国からは同時期に事実を正しく伝える文書が出せなかったのと不思議に思っている。我が国には照会されなかったのだろうか。我が国からは委員会に十分に接触出来ていたのかとも疑っている。

我が国は何も慰安婦問題に限ったことではないが、韓国や中国から何もUNだけに限られたことではないが、虚偽の(トランプ様の語彙によれば”fake”の)情報が度々流布されて、後手を踏んだ我が国は為す術もなく「悪い国」にされてしまっている例が多すぎる。私は後手でも良いから否定し反論すべきことをもっと強烈にやっておくべきだったと思っている。何かを恐れているのかと思うほど丁寧な反論しかしない。

いや、全然やっていないことはない。何度かUNの議場で我が国の代表(国連大使?)の方が”fake news”を否定され反論されているのをテレビの画面で聞いたことがある。遺憾ながらメリハリのない語り口で折角文章としては綺麗に纏められていても、迫力不足なのである。あれでは勝てない。綺麗に纏まっているとは言ったが、その纏め方は飽くまでも我が国の学校教育の英語の範囲内のことで、外国人には訴える力がもう一つ不足だと思った。

英語力の問題も兎も角、我が国はもう少しUNや海外での情報活動に力を入れる必要がありはしないか。何も韓国のように韓国系アメリカ人を糾合して事に当たるまでの必要があるかどうかは知らないが、中国や韓国に遠慮することなく「これを言うことで何を失うか」的な勢いを以て”better late than never”の精神をも取り入れて外国人に向かってものを言っていくべきではないのか。それが国益に結びつくと考えて良いではないか。

何、「その為には小学校3年から英語を教えて国際人を養成するのだ」だと。それでは憧れの東京オリンピックにだって間に合わない。私は論じているのは焦眉の急である現在の問題への対処だ。

因みに、私はUnited Nationsを「国際連合」とするのは甚だしい誤訳というか何かを忖度していると嫌っているので、"UN"と表現する。同様に、Security Councilを「安全保障理事会」とするのも、Permanent memberを「常任理事国」とするのも承服しがたいのである。