新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

貴方の病歴を考えれば

2014-06-17 17:57:37 | コラム
義理を欠いても御身大事に:

17日は国立国際医療研究センター・循環器科での定期検診があった。結果は良好だった。そこまでは良かったのだが、主治医と何気なく交わした世間話で「先月高校同期の仲間が急逝した時に同期会からもクラス会からも知らせがなかった。しかし、彼が蹴球部員だったために知らせが来ていたので承知していた。クラス会の仲間からは幹事というかボス的な存在の者が「彼は大病が続いた後だし、知らせれば来ざるを得なくなるから無理させないためにも知らせないでおこう」と決めたのだと告げられたことをお話しした。

本当に有り難い配慮で、先月辺りでは藤沢まで出てく行くのは一寸躊躇ったかも知れなかった。幹事には宜しく伝えて貰いたいと依頼して終わった。その当人から今月になって電話があり、その後体調は回復したかと問い合わせがあった。幸いにも今月に入ってからは順調で愁眉を開いた旨報告し、彼の配慮にあらためてお礼を述べた。

長い導入部だった。主治医からは「それは寧ろ正解です。今は貴方は順調ですが、年齢を考えれば遠出をしてそれが夜間であったりして、何かまた体調に異変でも来せば先方にも負担がかかるし、同期のお仲間にも迷惑がかかるかも知れない。これから先はまた夏がやってくることでもあり、暫くは無理をせずに義理を欠くのも止むを得ないという割り切りも必要です」と言われてしまった。

それではまるでまだ私の体調には何らかの不安があるような気も性ないではないが、無理をせずに自分の身体を大事にして自分の生活のリズムを維持することも重要であろうと再認識して帰宅した次第だ。弔意の表し方は電報でも郵便でも出来るだろうと考えているが、主治医にそこまで配慮せよと言われるとは予想もしていなかった。一寸考えさせられる告知だった。

因みに、私は2006年1月と2013年8月と二度の心筋梗塞を経験していながら生きながらえている、奇跡に近い後期高齢者である。しかも、去る4月にはヘモグロビンの数値が7となる貧血を招いた大下血をした後だ。

私が嫌う国語を乱すカタカナ語と造語 #6

2014-06-17 14:50:35 | コラム
言葉の誤用と借用:

最後に近くなって採り上げるこの分類が最も厄介なカタカナ語であると思う。何故ならばこの手の言葉は英語として意味を為さないか、または誤りであるだけではなく、造語的な要素も入って複雑化しているからである。だが、ここには我ら日本人の素晴らしい造語の才能を見出すことができるので尚のこと困るのだ。

しかも、この類いの多くはそのまま日本語として定着しているのだ。私は多くの方はもしかして「英語」だと信じておられるだけでなく、英語では本当は何と言うかをご存じないのではないかと疑っている。外国人と英語で会話などをされる際には、出来れば事前に十分に確かめてあった本当の英語の表現だけで話すことをお薦めしたいのだが、現実には言うべくして困難かと危惧する。

*リニューアルオープン opening or open after renovation or refurbishing、
解説)これに相当する適切な英語を見付けるのは困難だった。それは "renew" にはパチンコ店などが掲げる看板のような意味がないのだから。即ち、店内改装の後の営業再開の意味ではないからだ。一見英語風だが、どう考えてもおかしい。"renew" はWebster には”to make new again”とあり、Oxfordには”to change ~ that is old or damaged and replace it with ~ new of the same kind”とある。即ち、「新装」ではなく元の新しさに戻すと解釈する方が無難なのだ。同じような看板に「グランドオープン」というものあるが、おかしい。少なくとも "open" という動詞形ではなく "opening" になりはしないか。寧ろ言葉の誤用に入れるべきだったか。

*バトンタッチ baton passing、
解説)これは物理的に考えてもおかしい。私は長い間この言葉を「タッチだけではバトンを渡していないではないか」と揶揄してきた。野球における言葉の誤用である「タッチ」の応用か。あれは "touch" ではなく "tag" =「付ける」なのだ。「タッチアウト」は"tagged out" となる。

*テープカット ribbon cutting、
解説)これも面白くておかしい。テレビでしかこの儀式を見たことがないが、カットされているのは何時も「リボン」= "ribbon" であるのに。トラック競技でも1着の人が切っていくのはどう見ても幅が広い「リボン」に見えるが「テープ」と言っている。ここでも"cut"と、動詞が原形のままであるのが造語の特徴。

*キャプテンシー captainship、
解説)もしも記憶に誤りがなければ最初にこう言いだしたのはサッカー解説の松木安太郎だった。(松木さん、間違ったら御免)思うに "captaincy" の誤用だろう。その後はアナウンサーも解説者も一様に「キャプテンシーは主将としての統率力や指導力を表す時」に使っている。だが、"cy" の語尾は地位ないしは役目を言うものである。正しくは "captainship" =「キャプテンシップ」である。言うまでもないが、"leadercy" 等という言葉はなく "leadership" である。因みに、大統領の地位は "presidency" と言うが。

*スリッピー slippery、
解説)これもサッカー解説から出た言葉だろう。ピッチかグラウンドが濡れていて「滑りやすい」という意味で使われている。上記同様にアナウンサーと解説者御用達である。もしかして "slippery" は言いにくかったのか。Oxfordには "slippy" という言葉は載っていないが "slippery" なら載せられているのだ。間違った単語を振りまくな。

*ランニングシャツ sleeveless shirt、
解説)どうもこれに当たる英語がないようだ。こういう言葉を当て嵌めていた辞書を何処かで見たことがあったので採用した。ここで「ランニング」を採り上げたのは、カタカナ語には屡々登場するからである。これでは「走っているシャツ」ことになるのは言うまでもない。

*ランニングコスト      operating cost、
解説)これも屡々使われるが、私は長い間これを "operating cost" の誤りであると思っていた。おかしな点は「コスト」は走れないことにある。営業経費か運用費のことだ。我が国の英和辞典には "running cost" は出てくるが、Oxfordには採用されていない。なお、初期費用は"initial cost" である。

*シティホテル ???
解説)「シティボーイ」などと同じで、ここまで来ると造語に入れるべきだったかと迷う次第である。思うに、東京ならば所謂「御三家」の帝国、大倉、大谷のような大ホテルを指す言葉だろう。「ビジネスホテル」という英語もないと思うが、これは航空業界の "LCC" のようなものを指すのだろう。

*ビジネスライク businesslike、
解説)実はこれは立派な英語なのだ。カタカナ語として使われる場合の「冷淡な」という響きはなく、効率的や能率的にか「きびきびした」という意味である。案外にそう理解している人が多いか。そうならば結構だが。

*スナック snack bar、
解説)一言にすれば "snack" は「軽食」で、Oxfordには "eaten in a hurry" とある。であれば、これは「スナックバー」とするべきものを省略したと解釈する。

*リピーター repeater?
解説)困ったことにテレビのお陰で定着してしまった言葉だ。常連客ならば "regular customer" で、「屡々訪れてくる客」のことを言いたければ "frequenter" ということ言葉があるとする和英辞書もある。Oxfordには「連射可能なガン」とあり、ジーニアスには「常習犯」もある。すると、我が国のマスコミご愛用にこの言葉は何のこと?何でも語尾に "er" をつければ良いってもんじゃない。シャネラーで味をしめたのか?こういう造語をでっち上げる才能を褒めるべきか、貶すべきか。

*フライイング(フライング) flying、
解説)これなどは造語の面白さの最たるものであろうと思う。カタカナ語として使われている場合の正しい英語は "false start" である。だが、"flying start" というスタートの方法はある。それはスタートラインの前から助走をつけてスタートすることである。それと合図以前にスタートすることを混同して、「フライング」だけを残したと解釈している。因みに "flying" にはどこを探しても「フライング」の意味はない。

*コンプレックス inferiority complex、
解説)「劣等感」のことなのだが、何故か "inferiority" が省かれてしまった。思うに「インフェリオラティ」という "r" が多すぎる綴りの発音が難しくて、仮名書きにできなかったと疑っている。"complex" だけでは劣等感にはならないのは言うまでもない。因みに、「優越感」は "sense of superiority" になるようだ。

*フリップ chart or flip chart、
解説)これも困った言葉だ。"flip" とは「めくる」という意味だ。それを間違ってテレビで屡々使われているために、国会でも使う議員が続出。笑っていられない事態だ。そもそも「綴じてある紙をめくりながら話をし、何か書いて行くためのもの」なのだ。だが、何処でどう間違われたのか「チャート」の意味で堂々と使われ、誰一人として疑わないのが凄いと思う。これは造語の部類に入れてもおかしくないかも知れない。余談だが、12年間コメンテーターを務めさせて頂いたSBSラジオのプロデユーサーさんは「うちではそんな間違った言葉を使わない。チャンとチャートと呼んでいる」と言われた。素晴らしいじゃないか。

*ダンプカー dump truck or dumper、
解説)これも面白い。何故、どう見てもトラックなのに乗用車を表す "car" になったのだろう?

*ジャンパー jacket、
解説)高梨沙羅さんのことではない。"jumper" とは労務者の作業用の上着であり、この和製語が言いたいものは "jacket" の方が適切であると思う。Brooks Brothersのジャンパーの値札には "outer wear" とある。違いない。英語の観念では何でも上に着るか羽織るものを "jacket" で括っているようだ。

*ボールペン ball-point pen、
解説)戦後間もなくこのペンが入って来た時は感動した。何と言っても宣伝文句が "Write dry with wet ink" だったのだ。良く考えれば "ball" だけではペン先の意味をなさないと思うのだが。

*スキンシップ physical contact、
解説)最早古語の部類だろうが、懐かしさ半分で採り上げた。こんな英語はないと思う。"body contact" としてある辞書もある。これだと一頃流行った下記の「ボディコン」)(= "slintight")と勘違いされはしないか?

*ボディコン skintight、
解説)それにしても何処の誰が "body conscious" 等という言葉を思いついたのか?矢張り単語帳的知識の輝かしき成果か?

*コーナー bend or curve、
解説)競馬の中継などで「第4コーナーを回って」等という時の「コーナー」である。"corner"=コーナーは角であり、また端でもある。曲がってはいない。そうすると、テレビ番組などで「読者からのお葉書のコーナー」と等と言っているあれは何だろう。

*アイドリングストップ   no idling or idling reduction、
解説)初めてバスの中でこのアナウンスを聞いた瞬間には意味が解らず、「アイドリングしながら停車」のことかと思ってしまった。だが、何とか「アイドリングをストップ」ということかと推理し、「停車時エンジン停止」だと認識出来た。因みに、私は自動車の運転を知らず、免許を取ろうとしたこともないので、この関係には暗いのだ。

続く)