○〇549の8『自然と人間の歴史・日本篇』消費税増税の根拠が崩壊か(実質賃金のマイナス幅増大)

2019-03-22 10:21:10 | Weblog

549の8『自然と人間の歴史・日本篇』消費税増税の根拠が崩壊か(実質賃金のマイナス幅拡大)

 統計上の実質賃金というのは、厚生労働省の「毎月勤労統計」などに基づき、物価統計も取り合わせて算出されている。ところが、その信頼性に疑いが発生し、いまだに解決の目途が立っていない。とりあえずの議論には、例えばこうある。

 「厚生労働省が公表する「毎月勤労統計」の不正調査問題について、根本匠厚労相は2月5日の衆院予算委員会で、「2018年の実質賃金の伸び率が1~11月のうち9か月で前年同月比マイナスになる」との野党の独自試算について「名目賃金を機械的に消費者物価で割り戻すという前提の限りではおっしゃるとおりだ」と述べ、事実上認めた。(中略)

 安倍政権が各種増減税にあたって社会状況を示す根拠もこの統計にあり、今後の焦点となるのが、10月に予定されている消費税増税が予定通り実施されるかどうかだ。政府は「回復は続いている。だから消費税を上げる準備が整った」と説明した際の根拠もこの統計がベースになっている。

 統計の不正発覚によって、安倍政権が21年5カ月ぶりの高い水準だと盛んに自慢してきた18年6月の現金給与総額は、公表してきた「3.3%の伸び」は「2.8%の伸び」であったことが分かった。さらに毎月勤労統計調査の賃金変動は、前年と同じ事業所で比較する「参考値」で見るのが正しいことが、総務省の指摘で確認された。参考値ならさらに伸び率が縮み、計算すると1.4%になることが分かった。

 厚労省が下方修正した数値では、名目賃金の伸び率も18年1月から同年11月までの全ての月で、これまでの公表値を下回った。物価の伸びを差し引いた実質賃金でも、18年1月から同年11月まで、9月を除く全ての月で低下したのだから、増税の根拠は根底から崩れ去ったと言うしかない。」(「納税通信」2019年2月11日付け)

 (続く)

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