🔶🔶ウクライナ問題の続き、対ロシア制裁など(2022.3.1)

2022-03-01 22:46:43 | Weblog
🔶ウクライナ問題の続き、対ロシア制裁など(2022.3.1)

 ウクライナへのロシアの進攻の経過については、この事変の勃発以来日々刻々ニュースで報じられているところだが、ようやくロシアとウクライナとが初めての交渉を行ったものの、両者ともそれまでの主張を繰り返した模様だ。これからも、行うことで散会したとのことだが、かのシリア内戦でも頻繁に交渉は行われている。現状では、話し合いの進展などはあまり期待できるものとは、なっていない。
 そこで頼みの一つは、国連だが、こちらは「いま直ぐ戦いをやめなければならない」(国連事務総長)とするものの、これまでのところ両者からの返事はないようだ。まさに、目にしたくない光景が伝わってきている。総会が開かれるらしいので、そちらに期待したい(その場では、アメリカはロシアを煽ることはするべきでない)。

 かたやロシアの姿勢については、かのアメリカの南北戦争時にリンカーンの採用した戦略構想「アナコンダ計画」(スコットによる)にも似て、首都キエフの経済封鎖が視野に入ってきているのではないか、そうであればまさに「大詰め」の展開へ向かって動いているのかと、心の憂いが深い。

 かたや西側(アメリカを含めて)のロシアに対する経済制裁は、国際送金網からロシアの特定の銀行を締め出すというのだが、ついにそこまでやったか、の感を拭えない(注)。さりながら、そのことによる経済効果は、当面は限られよう。その理由の最たるものとしては、やはりロシアは広大な領土かつ食糧、エネルギーも含めて耐久性を持った国家であるからだ。また、これまでのところ、ロシアの国論は大きくは分裂していない、と見た。

(注)なお、この制度(簡単にいうと、「SWIFT(国際銀行間通信協会)」の場をもって行うドル建て国際送金業務)からロシアを追い出し、もしくは縛りをかけたとしても(今回は後者の扱い、なぜなら、ヨーロッパはロシアからのエネルギー供給なくしては経済が立ち行かない)、アメリカとしては当面はよいとしても中・長期でみればリスクを抱えることになろう、その一つとしては、ロシアが中国の元(ユアン(続・注))で国際決済を行う路が考えられ、そうなるとロシアが大国であるだけに、ドルの国際決済通貨としての価値はそれだけ減じていくことになるかも知れない。いずれにしても、国際金融というのはアメリカにとってドル箱である訳で、第二次世界大戦後の金融覇権の継続なくしては、アメリカ経済は困る訳で、その段になれば、アメリカとしても何らかの妥協が必要になろう。

(続・注)CIPS(RMB Cross border Interbank Payment System:日本語でいうと「クロスボーダー人民元決済システム」、俗称としては、その頭文字をとって「シップス」 という。)

 したがって、このまま推移するならば、核兵器の恐怖云々も含めて、ウクライナ側はやがて交戦そして生命維持の限界期に直面することになりかねない。しかして、今夜の日本での報道・評論の中では、外部からNATOが軍を派遣して助けに行く可能性を指摘する向きもあった。しかし、そんなことをすればヨーロッパは一大大戦へ向かって歩むことなしとしない、このように多くの人々の命が直接的に関わっている時、不用意な発言は厳に慎むべきであろう。
 重ねて言いたいのは、両側とも頭を冷やして、今こそ双方が妥協して、事態を打開していくことであろう。日本では、一部に(マスコミでは、相当程度か)、この戦争を決着がつくまでやり尽くせばよいかのような雰囲気さえ感じられて、
「気は確かか」と言いたい。ついては、かつての戦争モードの日本を思い起こさせるかのような発言や行動に、私たち国民は決して振り回されてはなるまい。

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