製作地 ミャンマー・ラカイン州
製作年代(推定) 20世紀半ば
民族名 レイトゥ族(Layto)
上画像は同じ衣装の表と裏です。そして裏側は裏地が付いているわけではなく、表と同じ”一枚の織物”、つまり一つの組織の織物となります。(左右身ごろ布・二枚接ぎ)
表側のボリュームのあるシルク紅赤の”緯紋織”は、裏側ではタイトな経織(経地合)の織りの中にすっかり隠され(経糸に覆われ)、赤茶のグラスビーズの装飾も、緯糸にビーズを通す技法により、裏側には刺繍のときのような縫い糸の痕が現れることがありません。
長年の伝統に培われた卓越した”片面緯紋織”と”ビーズ織り込み”、裏側を見ると、まるで魔法のような織物であり、彼らの染織・衣装に向ける”美学””美意識”を感じます。もちろん類稀な高度な染織技術と、労を厭わない丹念な手仕事あってこそ生み出し得る衣装作品です。