アジアの手仕事~生活と祈り~

アジア手工藝品店を営む店主が諸国で出逢った、愛すべき”ヒト・モノ・コト”を写真を中心に綴らせていただきます

ステッチが寸断せずに繋がる生命の刺繍

2012-03-26 05:30:00 | 刺繍









製作地 アフガニスタン・ガズニー州 ハザラジャート  
製作年代(推定) 20世紀半ば
民族名 パシュトゥーン系遊牧民  
刺繍 ラダーステッチ(ボタンホールステッチの変形)

ハザラジャート南部の丘陵地帯で遊牧生活を行うパシュトゥーン系遊牧民が、婚礼に際して手掛けた刺繍布。平安・豊穣への祈りが”生命樹””羊(の角)”等の文様に込められた作品です。

特筆すべきは、ステッチのすべてが寸断することなく繋がっている点、これは”生命力”を寸断させないための技巧・意匠である(あろう)ことを、作品自身が語りかけてくるように思います。

モチーフ(文様)を描くというよりも、”生命”そのものを表わすことに主眼が置かれた、躍動する生命の刺繍作品です。どこを目にしても”生命”は連なり繋がっております。




●本記事内容に関する参考(推奨)文献
 

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