製作地 インド メワール王国(現ラージャスタン州ウダイプール)
製作年代(推定) 18世紀
製作様式 ラージプト絵画・メワール派(Mewar school)
素材 紙、顔料
サイズ 横46.8cm×縦45.6cm
聖なる牛がリンガに乳を垂らす場面を中心とする神話の場面がパノラマ的に描かれた“ラージプト絵画・メワール派(Mewar school)”の18世紀作インド細密画。
モチーフ表現・筆致、群青の空と赤・黄の濃厚な色味、木々の描き方等からウダイプール地方(メワール王国)の作品と推定できる一枚で、19世紀に入ってからの絵の形骸化が進む以前、ラージプト絵画全盛期ならではのバイタリティ・気の充実が感じられる、大判パノラマ神話画の秀逸なマスターピース作品です。
画像で確認できるように裂け・絵の剥離・シミ等の欠損箇所はあるものの、虎に跨る女神・女性たち・無数の牛及びヒンドゥ寺院の建造物と背景のモチーフひとつひとつに見応えがあり、作品には欠損を補って余るほどの魅力・完成美が感じられます。
取り分け人物(女性)の目・眉・巻き毛等の顔相には格調の高さと神秘性が備わっており、マスターピースのみが有する精神性の深みに惹き込まれる想いがいたします。
●本記事内容に関する参考(推奨)文献