ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

家持編(一)青春・恋の遍歴(13)佐保山(やま)見る度(たんび) 思い出すがな

2011年08月11日 | 家持編(一)青春・恋の遍歴
■平成23年8月11日■
万葉集に詠われた歌を 作者別に採り上げ 人となりを「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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★ああ悲し 寂しい日々や これまでに 何でいとしみ たらなんだか

かくのみに ありけるものを 妹も我れも 千歳ちとせのごとく たのみたりけり
《こんななる 運命さだめやったに 二人して ずっと長生き 出ける思てた》
                         ―大伴家持―〈巻三・四七〇〉 

家離いへさかり います吾妹わぎもを とどめかね 山隠やまがくしつれ 精神こころともなし
《この家に らすするの 出けへんで 死なして仕舞しもた 情けないがな》
                         ―大伴家持―〈巻三・四七一〉 

世間よのなかは 常かくのみと かつ知れど 痛きこころは 忍びかねつも
《世の中は  こんなもんやと 分かるけど 辛い気持は 耐えられんのや》
                         ―大伴家持―〈巻三・四七二〉 

佐保山に  たなびく霞 見るごとに 妹を思ひ出 泣かぬ日はなし
《佐保山に 棚引く霞 見るたんび お前思うて 泣かん日ィない》
                         ―大伴家持―〈巻三・四七三〉 

昔こそ よそにも見しか 吾妹子わぎもこが おくと思へば しき佐保山
《気にせんと 見てた山やに 佐保山は お前の墓と 思たらいとし》
                         ―大伴家持―〈巻三・四七四〉 




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