ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

家持編(一)青春・恋の遍歴(11)聞きしに優る 恋の炎や

2011年08月04日 | 家持編(一)青春・恋の遍歴
■平成23年8月4日■
万葉集に詠われた歌を 作者別に採り上げ 人となりを「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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★聞いてたが 恋する女 恐いでと 逃げられんのか 離れとないが

我れも思ふ 人もな忘れ おほなわに 浦吹く風の む時なけれ
《忘れんと  うち思てるで あんたもな いついつまでも 途切れんように》
                         ―笠郎女かさのいらつめ―〈巻四・六〇六〉

思ふにし しにするものに あらませば 千遍ちたびぞ我れは 死にかへらまし
《もしもやで 恋焦がれして 死ぬんなら うち千回も 死んで仕舞しもてる》
                         ―笠郎女かさのいらつめ―〈巻四・六〇三〉

あひおもはぬ 人を思ふは 大寺おほでらの 餓鬼がきしりへに ぬかづくがごと
《気ィめた 人思うんは 寺の餓鬼 尻から拝む みたいなもんや》
                         ―笠郎女かさのいらつめ―〈巻四・六〇八〉

いまさらに 妹に逢はめやと 思へかも ここだ我が胸 いぶせくあるらむ
《あんたには  もう逢わんとこ 思うけど ちょっとこの胸 ちくちくするな》
                         ―大伴家持―〈巻四・六一一〉 

なかなかに もだもあらましを 何すとか 相見そめけむ げざらまくに
げられん 恋やになんで 逢うたんや 声掛けたんが 間違いやった》
                         ―大伴家持―〈巻四・六一二〉 

こころゆも 我ははざりき またさらに 我が故郷ふるさとに 帰りむとは
《なんでまた 故郷くにに帰って 来たんやろ 恋くさした あんたの所為せいや》
                         ―笠郎女かさのいらつめ―〈巻四・六〇九〉

近くあらば 見ずともあらむを いや遠く 君がいまさば 有りかつましじ
《あんたはん 近くったら 生きてける 離れて仕舞しもて 生きる甲斐かい無い》
                         ―笠郎女かさのいらつめ―〈巻四・六一〇〉





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