ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

家持編(一)青春・恋の遍歴(17)二人交すは 明日の契り

2011年08月25日 | 家持編(一)青春・恋の遍歴
■平成23年8月25日■
万葉集に詠われた歌を 作者別に採り上げ 人となりを「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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★今えらい 苦しいけども その内に 一緒なれる日 来るよなあんた

春日山かすがやま 霞たなびき こころぐく 照れる月夜つくよに ひとりかも寝む
《春日山 霞棚引き 人恋し え月やのに ひとすんか》
                         ―大伴坂上大嬢―〈巻四・七三五〉 
月夜つくよには かどに出で立ち 夕占ゆふけ問ひ 足卜あうらをぞせし 行かまくを欲り
え月や 家の外出て いろいろと 占いしたで 行きたいおもて》
                         ―大伴家持―〈巻四・七三六〉 

かにかくに 人はふとも 若狭道わかさぢの 後瀬のちせの山の のちはむ君
《なんやかや 他人ひとは言うけど 後々あとあとは 添い遂げられる そうやなあんた》
                         ―大伴坂上大嬢―〈巻四・七三七〉 
世間よのなかし 苦しきものに ありけらし 恋にへずて 死ぬべき思へば
《世の中は 苦しいもんと 分かったわ 苦恋こい堪え切れず 死にそなるから》
                         ―大伴坂上大嬢―〈巻四・七三八〉 
後瀬のちせ山 のちも逢はむと 思へこそ 死ぬべきものを 今日けふまでも生けれ
後々あとあとに 一緒になろと 思うから 死なんと来たで 今日まで生きて》
                         ―大伴家持―〈巻四・七三九〉 
ことのみを のちも逢はむと ねもころに われをたのめて 逢はざらむかも
《そのうちに 一緒なろやと うまいこと 言うてこのわし だますんちゃうか》
                         ―大伴家持―〈巻四・七四〇〉 




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