ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

坂上郎女編(17)幼いあの子 大丈夫やろか

2011年06月16日 | 坂上郎女編
■平成23年6月16日■
万葉集に詠われた歌を 作者別に採り上げ 人となりを「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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★嫁に遣り 気遣う親の 郎女は 帰しともあり 帰しともなし

ひさかたの あま露霜つゆじも 置きにけり 家なる人も 待ち恋ひぬらむ
《もう帰り  露や霜かて 置くよって 家で待つ人 心配しとる》

玉主たまもりに 玉はさづけて かつがつも 枕と我れは いざ二人寝む
《ご主人に  お前返して もうわたし 枕と一緒に 寝さしてもらう》
                         ―大伴坂上郎女―〈巻四・六五一~二〉 

常世とこよにと 我が行かなくに 小金門をかなとに もの悲しらに 思へりし わが児の刀自とじを 
ぬばたまの 夜昼よるひるといはず 思ふにし 我が身はせぬ なげくにし 袖さへ濡れぬ
かくばかり もとなし恋ひば 古郷ふるさとに この月ごろも 有りかつましじ

《帰らへん 旅でもないに もんに立ち 別れ悲しむ 我が娘
 夜るだけちごて 昼間でも 思い出したら 身は痩せる 嘆く涙は 袖濡らす
 こんな心に かるなら この故郷さとひとり 幾月も じっと出けへん 心配で》
                         ―大伴坂上郎女―〈巻四・七二三〉 
朝髪の 思ひ乱れて かくばかり 汝姉なねが恋ふれぞ いめに見えける
《髪乱し 寝られんほどに うちのこと 恋しがるから 夢見るやんか》
                         ―大伴坂上郎女―〈巻四・七二四〉 

うち渡す 竹田の原に 鳴くたづの ときし 我が恋ふらくは
《鳴くつるは 引っ切り無しや それみたい あんた思うん 絶え間あれへん》
早河はやかはの 瀬にる鳥の よしを無み おもひてありし 我が児はもあはれ
《瀬早よて 羽根休めどこ ない鳥か あんた心配 気ぃ休まらん》 
                         ―大伴坂上郎女―〈巻四・七六〇~一〉 




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