ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

坂上郎女編(11)神さん頼む この恋叶え

2011年05月26日 | 坂上郎女編
■平成23年5月26日■
万葉集に詠われた歌を 作者別に採り上げ 人となりを「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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★都ぶる 平城ならに戻った このうち、、は 恋に生きるで 女やからに

故郷ふるさとの 飛鳥あすかはあれど あをによし 平城なら明日香あすかを 見らくし好しも
故郷ふるさとの 飛鳥ええけど ここ平城ならの 明日香もええな なんぼ見てても》
                         ―大伴坂上郎女―〈巻六・九九二〉 
尋常よのつねに 聞けば苦しき 呼子鳥よぶこどり 声なつかしき 時にはなりぬ
《いつもなら 聞く気せえへん 郭公鳥かっこどり 気持ち聞ける 季節なったで》
                         ―大伴坂上郎女―〈巻八・一四四七〉 

こころぐき ものにそありける 春霞 たなびく時に 恋のしげきは
《恋心 つのってるとき 春霞 ぼやっと棚引たなびき うっとしなるわ》
                         ―大伴坂上郎女―〈巻八・一四五〇〉 
いとまみ ざりし君に 霍公鳥ほととぎす 我れかく恋ふと 行きて告げこそ
ひまいて ん人に ホトトギス 恋しがってる 言うて来てんか》
                         ―大伴坂上郎女―〈巻八・一四九八〉 
五月さつきの 花橘を 君がため たまにこそけ 散らまく惜しみ
《散らすんが 惜しい橘 花つなぎ 薬玉たまにしてるで あんた思うて》 
                         ―大伴坂上郎女―〈巻八・一五〇二〉 
夏の野の  繁みに咲ける 姫百合の 知らえぬ恋は 苦しきものぞ
《知られんで  ひとり思てる 恋苦し 夏の繁みで 咲く百合みたい》 
                         ―大伴坂上郎女―〈巻八・一五〇〇〉 

ひさかたの あまの原より たる 神のみこと 奥山の 賢木さかきの枝に 
白香しらか付け 木綿ゆふ取り付けて 斎瓮いはひべを いはひほりすゑ 竹玉たかだまを しじき垂れ 
猪鹿ししじもの ひざ折り伏して 手弱女たわやめの 襲衣おすひ取り懸け
 
《雲分けて はるかな天の 高みから くだりこられた 神さんに 山からった 榊枝さかきえだ
 白髪しらが木綿ゆうと 取り付けて 清い酒壷 掘ってえ 竹玉いっぱい つり下げて
 けものみたいに ひれ伏して か弱いうちが 祈布ぬのを掛け》
かくだにも 我れはひなむ 君に逢はじかも
《こんないっぱい  祈ります どうかあの人 逢わして欲しい》
                         ―大伴坂上郎女―〈巻三・三七九〉 
木綿畳ゆふだたみ 手に取り持ちて かくだにも 我れはひなむ 君に逢はじかも
木綿布ゆうぬのを 手にし祈るよ 懸命に どうかあの人 逢わせて欲しい》
                         ―大伴坂上郎女―〈巻三・三八〇〉 



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