ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

坂上郎女編(10)気丈や云ても うちかて女

2011年05月23日 | 坂上郎女編
■平成23年5月23日■
万葉集に詠われた歌を 作者別に採り上げ 人となりを「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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故郷くに帰り 旅人亡くした 寂しさに 移ろう季節ときは 皆侘びしいわ

霍公鳥ほととぎす いたくな鳴きそ ひとり居て らえぬに 聞けば苦しも
《ホトトギス そないに鳴きな 聞いてたら ひとり悶々もんもん 寝られへんがな》
                         ―大伴坂上郎女―〈巻八・一四八四〉 
咲く花も をそろはいとはし おくてなる 長き心に なほかずけり
見頃みごろ前 あわて咲く花 きらいやな おそに咲くんが うちええ思う》
                         ―大伴坂上郎女―〈巻八・一五四八〉 
妹が目を 始見はつみの崎の 秋萩は この月ごろは 散りこすなゆめ
《よう咲いた 始見はつみの崎の 秋萩よ ここ一月ひとつきは 散らんといてや》
                         ―大伴坂上郎女―〈巻八・一五六〇〉 
隠口こもりくの 泊瀬はつせの山は 色づきぬ 時雨しぐれの雨は 降りにけらしも
泊瀬山はつせやま 黄葉もみじの色に 染まってる 時雨しぐれも降って 秋くんやな》
                         ―大伴坂上郎女―〈巻八・一五九三〉 
吉隠よなばりの 猪養いかひの山に 伏す鹿の 妻呼ぶ声を 聞くがともしさ
猪養山いかいやま んでる鹿が 妻呼んで 鳴くの聞いたら けてくるがな》
                         ―大伴坂上郎女―〈巻八・一五六一〉 
沫雪あわゆきの この頃ぎて かく降らば 梅の初花はつはな 散りか過ぎなむ
沫雪あわゆきが 続き毎日 降って来る 咲いた梅花 散って仕舞まううがな》
                         ―大伴坂上郎女―〈巻八・一六五一〉 
松蔭まつかげの 浅茅あさぢの上の 白雪を たずて置かむ ことはかも無き
松蔭まつかげの かやに積もった 白雪を そっと置いとく すべないやろか》
                         ―大伴坂上郎女―〈巻八・一六五四〉 
しかとあらぬ 五百代いほしろ小田をだを 刈りみだり 田廬たぶせれば 都し思ほゆ
ひろもない 田圃たんぼ耕し 暮らしてる 田舎ったら 都懐かし》
                         ―大伴坂上郎女―〈巻八・一五九二〉 





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