■平成23年6月6日■
万葉集に詠われた歌を 作者別に採り上げ 人となりを「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
――――――――――――――――――――――――――――――――
★佐保邸に 寄宿の理願 亡うなった 留守居郎女 嘆きの挽歌
栲綱の 新羅の国ゆ 人言を よしと聞かして 問ひ放くる 親族兄弟 無き国に 渡り来まして
《新羅から 日本の国が ええ聞いて 親兄弟も 居れへんに 渡り来られた この国の》
大君の 敷きます国に うち日さす 京しみみに 里家は 多にあれども
いかさまに 思ひけめかも つれもなき 佐保の山辺に 泣く児なす 慕ひ来まして
敷栲の 宅をも造り あらたまの 年の緒長く 住まひつつ 座ししものを
《都に家は 多いのに どない思たか 縁もない この佐保山に 慕い来て
家作られて 年月を 住まい暮らして 来られたが》
生ける者 死ぬといふことに 免かれぬ ものにしあれば
慿めりし 人のことごと 草枕 旅なる間に
佐保河を 朝川渡り 春日野を 背向に見つつ
あしひきの 山辺をさして くれくれと 隠りましぬれ
《世の中定め 人いつか 死ぬと決まった ことやけど
頼り会うてた 人みんな たまたま旅で 留守の中
佐保の川瀬を 朝渡り 春日の野原 背ぇ向けて 山の闇へと 隠られた》
言はむすべ 為むすべ知らに たもとほり ただひとりして
白栲の 衣手干さず 嘆きつつ 我が泣く涙 有間山 雲居たなびき 雨に降りきや
《何もでけへん 言われへん あちこち彷徨い 一人して
喪服の袖を 泣き濡らす 流す涙は 雲となり 有間山へと 雨降らす》
―大伴坂上郎女―〈巻三・四六〇〉
留め得ぬ 命にしあれば 敷栲の 家ゆは出でて 雲隠りにき
《永遠の 命違うから 住み慣れた 家を出ていき 雲なりはった》
―大伴坂上郎女―〈巻三・四六一〉
【新羅の国ゆ】へ
万葉集に詠われた歌を 作者別に採り上げ 人となりを「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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★佐保邸に 寄宿の理願 亡うなった 留守居郎女 嘆きの挽歌
栲綱の 新羅の国ゆ 人言を よしと聞かして 問ひ放くる 親族兄弟 無き国に 渡り来まして
《新羅から 日本の国が ええ聞いて 親兄弟も 居れへんに 渡り来られた この国の》
大君の 敷きます国に うち日さす 京しみみに 里家は 多にあれども
いかさまに 思ひけめかも つれもなき 佐保の山辺に 泣く児なす 慕ひ来まして
敷栲の 宅をも造り あらたまの 年の緒長く 住まひつつ 座ししものを
《都に家は 多いのに どない思たか 縁もない この佐保山に 慕い来て
家作られて 年月を 住まい暮らして 来られたが》
生ける者 死ぬといふことに 免かれぬ ものにしあれば
慿めりし 人のことごと 草枕 旅なる間に
佐保河を 朝川渡り 春日野を 背向に見つつ
あしひきの 山辺をさして くれくれと 隠りましぬれ
《世の中定め 人いつか 死ぬと決まった ことやけど
頼り会うてた 人みんな たまたま旅で 留守の中
佐保の川瀬を 朝渡り 春日の野原 背ぇ向けて 山の闇へと 隠られた》
言はむすべ 為むすべ知らに たもとほり ただひとりして
白栲の 衣手干さず 嘆きつつ 我が泣く涙 有間山 雲居たなびき 雨に降りきや
《何もでけへん 言われへん あちこち彷徨い 一人して
喪服の袖を 泣き濡らす 流す涙は 雲となり 有間山へと 雨降らす》
―大伴坂上郎女―〈巻三・四六〇〉
留め得ぬ 命にしあれば 敷栲の 家ゆは出でて 雲隠りにき
《永遠の 命違うから 住み慣れた 家を出ていき 雲なりはった》
―大伴坂上郎女―〈巻三・四六一〉
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