ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

歴史編(37)あの皇子が ああ あの皇子が

2009年12月09日 | 歴史編
■平成21年12月9日■
万葉集に詠われた歌を 歴史の流れに沿って 採り上げ 「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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★壬申の 乱を制した 高市皇子たけちみこ 身罷り歴史 区切りをつける 

〈前半は「歴史編〔18〕天下分け目の決戦や」〉
・・・わご大君 皇子みこ御門みかど神宮かむみやよそひまつりて 使はしし
御門みかどの人も 白拷しろたへの 麻衣あさごろも

《〔亡くなりはった〕皇子おうじ御殿みやを 飾ってまつり  白装束しろしょうぞくの つかえの人は》
埴安はにやすの 御門の原に あかねさす 日のことごと 鹿ししじもの いしつつ
ぬばたまの ゆふへになれば 大殿を ふりけ見つつ うづらなす いひもとほり

日中ひなか一日 はらい伏して 夕べ来たなら いずり回る》
さもらへど さもらねば 春鳥はるとりの さまよひぬれば 
なげきも いまだ過ぎぬに おもひも いまだきねば

《心うつろに 狼狽うろたえばかり 嘆きは消えず 思いも尽きず》
ことさへく 百済くだらの原ゆ 神葬かみはふはふりいませて 麻裳あさもよし 城上きのへの宮を 
常宮とこみやと 高くしまつりて 神ながら しづまりましぬ

《野辺の送りに 百済原くだらを通り 城上きのえ常宮とこみや 高々作り 御霊みたま鎮めと おまつり申す》
しかれども わご大君の 万代よろづよと 思ほしめして 作らしし 香具山の宮
万代に 過ぎむと思へや あめの如 ふり放け見つつ 玉襷たまだすき かけてしのはむ かしこくありとも

まつりしつつも 万世よろずよまでと おもうて作った 香具山宮を
 いついつまでも 心に懸けて 皇子みこを偲んで 振り仰ぎ見ん》
―柿本人麻呂― (巻二・一九九後半)

ひさかたの あめらしぬる 君ゆゑに 日月ひつきも知らに 恋ひ渡るかも
高市たけち皇子みこ 天昇られた おもうても 何日っても 諦めきれん》
                        ―柿本人麻呂― (巻二・二〇〇)
埴安はにやすの 池のつつみの 隠沼こもりぬの 行方ゆくへを知らに 舎人とねりはまとふ
《埴安の 池の淀んだ 水みたい お付きの舎人 行きどころない》
                       ―柿本人麻呂― (巻二・二〇一)
哭沢なきさわの 神社もり神酒みわすゑ 祷祈いのれども わご大君は 高日知らしぬ
《哭沢の 神さんの前 酒えて 祈ったけども 甲斐かいないこっちゃ》
                         ―桧隈女王ひのくまのおほきみ―(巻二・二〇二)





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