ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

歴史編(36)別れたあとで悔いるん男

2009年12月07日 | 歴史編
■平成21年12月7日■
万葉集に詠われた歌を 歴史の流れに沿って 採り上げ 「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
―――――――――――――――――――――――――――――――――
但馬皇女ひめみこの 訃報を聞いて 穂積皇子ほづみみこ 雪降る空に 昔を偲ぶ
降る雪は あはには降りそ 吉隠よなばりの 猪養ゐかひの岡の 寒からまくに
《雪そない 降ったらあかん 猪養いかいおか あの人の墓 寒がるよって》
                         ―穂積皇子―〔巻二・二〇三〕

★鳴く雁の 声に思わず 蘇る 但馬皇女ひめみこ詠う 悲痛の心
ことしげき 里に住まずは 今朝けさ鳴きし かりたぐひて なましものを
《人の口 うるさい里捨て 今朝鳴いた 雁と一緒に てしまいたい》
                         ―但馬皇女―〔巻八・一五一五〕

黄葉葉もみじばの 散るんを見たら 胸痛い 雁の声聞き なお更つらい
今朝けさ朝明あさけ かり聞きつ 春日山かすがやま 黄葉もみちにけらし わがこころいた
《雁の声 明け方聞いた 春日山 黄葉こうようしたんや 胸締めつける》
                         ―穂積皇子―〔巻八・一五一三〕

秋萩は 咲くべくあるらし わが屋戸やどの 浅茅あさぢが花の 散りぬる見れば
《秋萩は もう咲くんやろ うちの庭 浅茅の花は 散って仕舞しもうた》
                         ―穂積皇子―〔巻八・一五一四〕





【雁に副ひて】へ