ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

人麻呂編(04)遠慮してたら逢えんよなった

2009年12月21日 | 人麻呂編
■平成21年12月21日■
万葉集に詠われた歌を 作者別に採り上げ 人となりを「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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軽郎女いらつめを 死なせ人麻呂 うろたえる なり振りなしに 人目もなしに

あまぶや かるみちは 吾妹子わぎもこが 里にしあれば ねもころに 見まくしけど 
まず行かば 人目を多み 数多まねく行かば 人知りぬべみ
 
《あの児の家は 軽の里 逢いたい気持ち いっぱいや 度々たびたび行ったら うわさ立つ》
狭根葛さねかずら のちはむと 大船の 思ひたのみて
玉かぎる 磐垣淵いはかきふちの こもりのみ 恋ひつつあるに
 
あとで逢える日 来るおもて 恋しさ我慢で 送る日に》
渡る日の れぬるが如 照る月の 雲かくる如 沖つ藻の なびきし妹は 
黄葉もみちばの 過ぎてにきと たまづさの 使つかひの言へば
 
《照る日や月を 隠すよに もみじの葉っぱ 散るみたい お前ったと 言う知らせ》
梓弓あづさゆみ おとに聞きて はむすべ むすべ知らに おとのみを 聞きてありねば 
《どない言うたら えんやろ どしたらえか 分かれへん》
わが恋ふる 千重ちえ一重ひとえも なぐさもる こころもありやと 吾妹子わぎもこが まず出で見し 
軽のいちに わが立ち聞けば
 
えた気持ちを しずめよと お前のった 軽の市 行ってたずねて 探したが》
玉襷たまたすき 畝火うねびの山に 鳴く鳥の こゑも聞えず 
玉桙たまほこの 道行く人も 一人だに 似てし行かねば
 
《行き交う人中ひとなか 声聞こえん 人多数よけるに 影見えん》
すべをみ 妹が名びて そでぞ振りつる
うろてしもて 名ぁ呼んで わめき回って 袖振りまわす》
                         ―柿本人麻呂―〔巻二・二〇七〕 

秋山あきやまの 黄葉もみちしげみ まとひぬる いもを求めむ 山道やまぢ知らずも
《茂ってる 黄葉もみじの山へ まよてもた お前探すに 道分れへん》
                         ―柿本人麻呂―〔巻二・二〇八〕 
黄葉もみちばの りゆくなへに 玉梓たまづさの 使つかひを見れば ひし日思ほゆ
《あの使い 黄葉もみじ時分じぶんに また見たら 一緒った日 思いすんや》
                         ―柿本人麻呂―〔巻二・二〇九〕 






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