犬養万葉今昔―犬養孝先生著「万葉の旅」を訪ねて

犬養孝先生名著「万葉の旅」記載の万葉故地309箇所を訪ね、先生が撮られれたのと同じ場所に立った写真撮影を目指す紀行。

■日めくり万葉集Vol・2(096)足柄の

2012年03月14日 | 日めくり万葉集
NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。

【八月八日】放映分

足柄あしがりの 土肥とひ河内かふちに 出づる湯の よにもたよらに 児ろが言はなくに

 
【万葉歌みじかものがたり】よにも たよらに》

 手にした恋は 嬉しいが 
      なんぼうても せついで


いとしあの児と 結ばれしたが
 の不思議さ 結ばれた後
恋しせつい 逢いたい心
逢えば逢うほど 切無せつなさ募る

芝付しばつきの 御宇良崎みうらさきなる ねつこぐさ 相見あひみずあらば れ恋ひめやも
御宇良崎みうらさき えるねつこの 草ちゃうが うて共寝んけりゃ 恋焦こがれはせんに》
                          ―東 歌―(巻十四・三五〇八)
                (ねつこ=根っ子=根の大きい草→寝っ子→共寝→相見)

かみ 伊奈良いならの沼の 大藺草おおゐぐさ よそに見しよは 今こそまされ
大藺草おおいぐさ はげしに繁る わしの恋 知る以前まえよりも 今が激しで》
                          ―東 歌―(巻十四・三四一七)
                           (柿本朝臣人麻呂歌集に出づ)
足柄あしがりの 安伎奈あきなの山に こ船の しりかしもよ ここばがたに
安伎奈山あきなやま 船ろすんは うしろ引き 朝帰るんも 後髪うしろ引きやで》
                          ―東 歌―(巻十四・三四三一)
足柄あしがりの 土肥とひ河内かふちに 出づる湯の よにもたよらに 児ろが言はなくに
《足柄の 土肥とひみたい 揺れるな 気持あの児が 持つもんかいな》
                          ―東 歌―(巻十四・三三六八)
栲衾たくぶすま 白山風しらやまかぜの なへども 子ろが襲着おそきの ろこそしも
《山風が 寒て寝られん あの児欲し あの児の上着うわぎ あるだけしか》
                          ―東 歌―(巻十四・三五〇九)
かなしみ ればこと さなへば 心のろに 乗りてかなしも
きな児と 共寝たら五月蝿うるさい 寝なんだら 胸が詰って せつてならん》
                          ―東 歌―(巻十四・三四六六)
昨夜きそこそば 児ろとさしか 雲のうへゆ 鳴き行くたづの 間とほく思ほゆ
昨晩さくばんに 共寝たとこやのに 雲上くもうえの い鶴のや えろ以前まえみたい》
                          ―東 歌―(巻十四・三五二二)
春へ咲く ふぢ末葉うらばの 心安うらやすに さる夜ぞなき 児ろをしへば
《春来ても 心安らに 寝るない お前思うて 悶々もんもんとして》
                          ―東 歌―(巻十四・三五〇四)


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