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本の迷宮

漫画感想ブログです。「漫画ゆめばなし」(YAHOO!ブログ)の中の本の感想部分だけを一部ピックアップしています。

谷口ジロー (凍土の旅人)

2009-01-16 09:11:33 | 漫画家(た行)
(2005年1月一日発行)

短編が6話収録されています。
動物もの、ヒューマンドラマ、どれもいい。

凍土が舞台だと読者はその凍った冷たい空気を感じ、
熊が現れるとその荒々しい息づかいをすぐ傍で感じたような気になり、
アラスカの海では鯨と共に泳いでるかのような気分、
瀬戸内の小さな漁村が舞台だとその潮の匂いを肌で感じるような気にさせられる。

それは何故か?

おそらく緻密に描かれた背景や動物たちが読者をその世界に引きずりこんで行くのだと思うのです。

背景だけを見るとかなり描き込んでるのがよくわかります。
でも、人物の邪魔にはなってないんですよね。
読んでいる時にはあまり気がつかないけど、
人物或いは動物達がどういう場所にいるのか、
そこは寒いのか暑いのか、潮の匂いがするのか、
そういう事を緻密なタッチで描かれた背景が作品世界を薄っぺらなものにしていないのです。

この本に収録されているもののなかでは特に「海に還る」が印象に残りました。

年老いたクジラがゆっくりとクジラの墓場に下降していく様は圧巻です。
それにしても、クジラってこんなにも至る所に傷跡・・・
尾がサメやシャチに噛みつかれてギザギザになってるなんて知りませんでした。
絵や写真で見るクジラのイメージでは傷跡ひとつない綺麗な姿ですものね。

あぁ、生きてるんだな~。生きていくってことは大変なんだなって心底思いました。

谷口ジロー (晴れゆく空)

2009-01-15 09:35:01 | 漫画家(た行)
(週刊ヤングジャンプ2004年33号~39号、41号~43号、48号~50号掲載)

交通事故で死んだ男、久保田和広の魂が車をぶつけた相手の小野寺卓也の肉体に入る。

別の肉体に別の精神が入り込むっていう話は小説やドラマ、少女漫画などでも使われてきたテーマだと思います。
そういうテーマを個々の作家がどのように料理していくか。
それが重要。

谷口ジローのあとがきによると、
「ひとりの死を受けとめることの嘆かわしさや、死にゆくものがどのようにしたら心を残さぬように出来るものなのか。
そんな心の葛藤が漫画表現出来ればと思って挑戦してみました。」
と書いている。

この作者は他の作品でも、
人が愛する者の死に接した時の心の揺れ、そして再生を描いていることが多いような気がする。

<死>というものは、残された者にも大変悲しいことなのだけど、
死んでしまった当事者にも大変悲しいことなんですよね。
ただ、死んでしまった当事者の気持ちは残された者にはわかりません。

この作品では他者の肉体に入る事で自分の気持ちを残された家族に伝えることが出来るわけなんですけど、まあ現実には普通ありえないですよね。

私自身、死ぬ前にきちんと子供たちに残す物、伝えたい事を書いておかなくちゃって思うんですけど、
思うだけで、まだ何にも手をつけてません。

私が死んだという事を知らせて欲しい人たちの名簿とか、葬式の事とか・・・。
ああ、そんなことより大事な事が!
私の大量の漫画の蔵書をどうするか、それが問題だ!!!(笑)

ま、とにかくこの作品、
谷口ジローの得意とするヒューマン・ドラマです。
生きる意味とか死ぬ事とかを改めてじっくりと考えさせてくれます。


竹宮惠子 (カノン)

2008-12-01 09:43:38 | 漫画家(た行)
寒くなってきましたね。

漫画とか本はいろいろ読んでるんですけどね。
最近、感想を書く環境ではないのです。
・・・って、どういう意味かと言いますと、
要するに、パソコンの前に座るよりコタツに潜り込んでる時間の方が長くなってるっていう訳です。(笑)

「カノン」は、久しぶりに本棚の奥から引っ張り出してきました。

竹宮先生は少年の微妙な心のゆらめきを表現するのが本当に上手ですね。
こんなに繊細で儚げな美少年が現実に存在するはずがないよね~、
やっぱり漫画という世界に住んでいる美少年っていいわぁ~♪

・・・などと、この年になってもまだ夢の世界を漂う事の出きる自分自身に苦笑しつつも、
永遠の<元>少女っていうのも、いいかもしれないって開き直ってみたりもする。

「変奏曲」は一体どこに仕舞い込んでたっけ?
「椿(カメリア)館の三悪人」も、また読みたくなりました。

寒い日はコタツに入って昔の古い漫画を読み漁るっていうのもいいもんですね。

手塚治虫 (ブッダ)

2008-08-30 07:45:13 | 漫画家(た行)
「聖☆おにいさん」(中村光)を読んでいてまた「ブッダ」を読み返したくなりました。(笑)

↓作品の詳しい内容についてはこちらを見て下さいませ。
http://ja-f.tezuka.co.jp/manga/sakuhin/m086/m086_01.html

一言で言えばブッダの生涯を描いた作品。
でも、ブッダの周囲にいる人々のほとんどが手塚治虫の創作であるし、エピソードも創作部分が多いので手塚流に解釈した「ブッダの教え」だと言える。

史実に忠実に描くよりも、手塚治虫独自の解釈で描く方がおそらく生き生きとしたブッダやお弟子さんたちを表現出来るのではないだろうか?
仏陀の研究者や信者から見るとこれは本当の仏陀の姿ではない、と言われるかもしれないけれど、
一般の人たちにとっては、こういう形の方が受け入れやすいと思える。

ブッダの言葉より
「いつもわたしは言っているね
この世のあらゆる生きものはみんな
深いきずなでむすばれているのだと…
人間だけではなく 犬も 馬も 牛も
トラも 魚も そして虫も
それから草も木も……
いのちのみなもとはつながっているのだ
みんな兄妹で平等だ
おぼえておきなさい」

なんだか「火の鳥」のテーマとも繋がってくるような言葉だなって思います。

要するに手塚作品の中にはどれにも作者の深い想いが描かれてるってことなんでしょうね。

つのだじろう (恐怖新聞)

2008-08-06 23:05:16 | 漫画家(た行)
この新聞、一日読むごとに百日ずつ寿命が縮まるというもの。
百日というと一瞬短そうに思えるけど、四日読むとそれだけで一年以上寿命が縮まるんですよね。

そんなの読まなければいいのに・・・と思うのだけど残念ながら無理矢理読まされてしまうんです。

「憑依霊(ポルターガイスト)」に取り憑かれているという設定なんですけどね、こういうものに取り憑かれると・・・除霊出来ない限り死んでしまいます。

百日・・・という長さがミソですね。
一日読めば一年寿命が縮まるというとあっという間に寿命が尽きそうだけど、
百日だと微妙にこの程度ならっていう気になってくる・・・?

でも・・・百日あると、家の片付け、後に残った人へ残す言葉、残す物、心の整理などなどいろんな事が出来ますよね。
百日ってとっても貴重な時間です。
・・・などとこの作品には直接関係ない事ばかりを考え込んでしまう私・・・
ま、いつものことですけどね。(笑)

もし、目の前に恐怖新聞があって、読んでも読まなくてもいいけれど
読めば百日寿命が縮まるけれど、自分の知りたい未来のことが書いている・・・とすれば、
読んでしまうかな~?
読まずにガマン出来るかな~~??

うしろの百太郎 平成版 (つのだじろう)

2008-08-01 09:49:59 | 漫画家(た行)
<フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』のあらすじより>
心霊科学を研究する父・後健太郎の下で、主人公・後一太郎はさまざまな超常現象を体験していく。時には生命の危険に晒されることもあるが、一太郎の主護霊である「百太郎」によって難を逃れている。また他にも人間の顔を持ち、テレパシーで会話も出来る、霊犬ゼロなどの協力によって様々な超常現象を解明していく。


守護霊って本当にいるのかどうか私にはわかりません。
でも、自分を守ってくれる存在がいるっていうのは何となく安心出来るような気もします。
ただ・・・悪徳霊能者とでもいうような者につけこまれて騙されるというのは困ります。

漫画として読む場合は守護霊がいるかどうかなんて事を考えずに普通に楽しめばいいと思ってます。


少しは夏の暑さ解消になる・・・かな?

黒執事 (枢 やな )

2008-06-25 11:40:06 | 漫画家(た行)
たまには、な~~んにも考えないで頭をからっぽにしたい時もあったりする。

これは何でも完璧に出来るという執事が主人公。
悪魔や死神などが出てきて結構楽しめる。

最近、メイドとか執事とかが人気のようだが何故だろう?
常に自分を無条件に信頼して何でもしてくれるそういう存在が欲しいという心理の表れなんだろうか?

甘えてるよな~って思うけど、まあそういう存在を望む気持ちはよくわかる・・・ような気がする。

ドラゴンボール (鳥山明)

2008-05-23 09:40:35 | 漫画家(た行)
実はここ数日ドラゴンボールを読んでました。
長女が何を思ったのか完全版を全巻買ったんですよね。
子供が買ってきた漫画を嬉しそうに読む母親ってちょっと変かなあ?(笑)

勿論、ドラゴンボールのストーリーは知ってたんだけど、今まで全巻きちんと読んだ事はなかったのです。
・・・で、全巻読んでみて思ったことは、

少年漫画の王道だ!ってこと。

少年の成長物語ですね。

長期連載になったのはあまりにも人気が出すぎて、
出版社その他の経済効果を考えてなかなか終えることが出来なかったとか、所謂”大人の事情”っていうものがあるらしいけど、そういうことは考えずに純粋に作品のみを読んで面白いかどうかと言われるとやっぱり”面白い”ですね。

絵が上手い。
動きがある。
迫力がある。
キャラがどれもいい味出している。
次はどうなるんだろう?って思わせてくれるストーリー。

私的には初期の”冒険もの”的な展開の方が好きなんだけど、次第に格闘技に重点を置くようになったのはそっちの方が人気が出るからなんでしょうね。
商業誌は売れなければいけないから仕方ないですね。

いろんなキャラが登場するんだけど、どれが一番お気に入りかと言いますと、
やっぱり”ピッコロ”かなあ?
最初のピッコロ大魔王でもマジュニアでもなくて神様と融合したあたりからがいいですね。
ちょっとクソ真面目な感じで、それでいて驚くとめちゃくちゃ変な顔になってたりするところが可愛いです♪
ベジータも最後のほうになっていい味出してはいるんだけど、あまりにもシリアスすぎるんですよね。
シリアスでいながらちょっと崩れるぐらいが私の好みです♪

テーマとかは子供にも非常に分かりやすくて今更ここに書く必要はないですね。
素直に読んで、素直に面白いと思えばいいんじゃないのかな?

まあとにかく、少年時代にリアルタイムでこれを読んで育った元少年たちは幸せだよね~と思わせてくれる作品です。
今でも、次々と若いファンが増えてるのかな?いいことだよね。

Rust Blaster  (枢やな)

2008-01-21 19:46:57 | 漫画家(た行)
(2006年発行)

最近、「黒執事」という作品を時々見かける。
ちょっと気になりつつまだ読んでいない。
先日古本屋で見つけたこの本、ああ、例の「黒執事」の作者の初コミックスなのね、吸血鬼が題材か・・・。お値段100円。ま、とりあえず買ってみようか・・・。
という訳で買ったのだけど、長女に
「お母さん、ど~してこんなの買ったの?
お母さんってたま~~にこの手のもの買ってくるよね、ど~して?ねえ、ど~して??」
って言われてしまった。

いや・・・別にそれ程深い意味はないんですよ。
吸血鬼ものが好きだってことと、たまには新しいものに挑戦しなくちゃ感覚が古臭く固まってしまいそうになっちゃうからって、その程度のことです。

感想は・・・
まあ・・・いいんじゃないですか?っていう感じです。
・・・って、それだけ?
まあ、いいじゃないですか~。
それ以上私に聞かないで下さいよ~!(笑)

絶対安全剃刀 (高野文子)

2007-11-25 12:37:29 | 漫画家(た行)
(昭和57年発行)

これは1982年度 日本漫画家協会賞・優秀賞を受賞している。

収録されているのは17の短編。
それらは掲載された雑誌も内容も絵柄も様々。

細くて、柔らかい線。
まったりと、はんなりと、すんなりと・・・
いつのまにか心の中に侵入してきて、
知らないうちにココロを占領されてしまった~!!っていう感じ。

ある時は幼い少女。
ある時は少年。
ある時は若い女性。
はたまたある時は老女(見た目は幼女として描かれている!)。

彼らは不思議な感覚・奇妙な世界の『高野ワールド』で
自由に伸び伸びと生きている。



この作品集の中で私が一番気に入ってるのは「ふとん」。
手前に横たわっている少女。
少女の足元の障子に映る人・人・人・・・
「葬儀」のシーンをこんなに美しく表現出来るなんて・・・!!
「参りました!」と言うしかないですね。

(死んだ)少女のお迎えに観音さまがやってくる。
観音さまは少女に語りかける。
「おまえ ほしいものなあに
言ってごらん
なんでも 思いどおりに なるよ」
少女はごはんが食べたいと言う。
観音さまは不器用な手つきでごはんを盛りながら、
顔をちょっとしかめて言う。
「わたしごはん盛るのきらいよ
これけっこう むずかしいんだもの」
(非常に人間的な観音さまがカワイイ!)

ラスト、少女が観音さまに言う。
「ねえ ねえ ねえ かんのん
もう一つ あのさあ
めりんすぶとん ほしいな」
「買ってやるよ」
小躍りして喜ぶ少女。


私も死ぬときにはこんな観音様にお迎えに来てもらいたいな~。
そして何かおねだりしたい。
何がいいかな~?
やっぱり「めりんすぶとん」がいいかな~~?(笑)



ラッキー嬢ちゃんのあたらしい仕事 (高野文子)

2007-11-22 21:28:25 | 漫画家(た行)
(月刊プチフラワー 1986年11月号~1987年4月号掲載)

朝日新聞で「ねたあとに」(長嶋有)の挿絵を高野文子さんが描いてますね。
どういう話になるのか、どんな挿絵になるのか楽しみです。

この作品、良質のアニメーションを観てるっていう感じがする。
構図とか人物の動きが実にいいんですよね。

ピンポット公国とかカルト帝国とか秘密諜報部員とか・・・ちょっぴりレトロな雰囲気の楽しい作品。

エデン2185 (竹宮惠子)

2007-11-20 09:07:40 | 漫画家(た行)
(昭和60年発行)

<表紙折り返し部分の説明より>
目的地は”エデン2185”。
新しい星を求め、100年もの長い旅に出発した宇宙船は、さまざまな人間模様をくり広げる”世界”を乗せて今日も飛び続ける…。
宇宙船の乗務員シド・ヨーハンを通して、人間の心を繊細かつ克明に描いた、SFヒューマン・ドラマ。


新しい星を求めて、何世代も後に到着する予定・・・という設定の話は多い。
いつの日か人類は本当にそういう風に新しい星を求めて旅立つ時がくるかもしれない。
・・・そういう思いがいろんな人にこのテーマでお話を作らせる原動力になってるんだと思う。

この作品では5000人が巨大な宇宙船に乗って新しい星”エデン2185”を目指している。
5000人というと、小さな町ぐらいのサイズかな?
もし、20歳で乗り込んだとしたら本人は新天地に到着する前にたぶん死んでいる。
それなのに乗り込むのはやっぱり勇気がいるよね。
そこで、いろんな人間のいろんな葛藤が生まれてくるのだ。

しかし・・・考えてみると、実際私の行動範囲なんてせいぜい半径20kmぐらい。
たまに旅行に出掛けることはあるけれど普段はそのぐらいで十分だ。
付き合う人間の数だってほんのわずかだし・・・
5000人の巨大宇宙船で生活しているのと、そう変わりはないのかもしれないね。


やがて、この宇宙船の中で、パイロット(フライング・マン)と一般市民との間に境界線(国境)が出来る。
そうなんだよね、人間っていう生き物は主義主張が違ってくると何故か<境界線>を作ってしまう。
<境界線>は国境であったり、差別心であったり形は違うけれどもどれも自分と違う者を避ける心だ。



シドは言う。
「・・・・・・空を見上げて星を見たことがあるかね?
なければ
いま見るがいい
ふるような星も・・・・・・
見ようと思って見なければ
その半分の光もわれわれの目はとらえない
人間とはそういう主観の動物なのだ
だから・・・
見ようと思いさえすれば
ふる星のごとく可能性が・・・・・・」



心に残るいい言葉です。

バンパイアハンター D 1巻  (作画:鷹木骰子)(原作:菊地秀行)

2007-11-16 14:48:36 | 漫画家(た行)
(2007年発行)

11月14日が全世界同時発売でした。
(アメリカ・ドイツ・イタリア・フィンランドなど・・・)
・・・が、この辺では昨日発売でした。(田舎はつらいですね)
昨日、買って即読みました。
内容はアニメ第一作と同じです。
あのアニメはかなり古いのでキャラも古くDもイマイチ・・・でした。(ごめんなさい)
今回の漫画版ではイマイチだったキャラが今風になってて良かったと思います。
雰囲気も作者が一生懸命に天野喜孝の挿絵の雰囲気を表現しようとしているのがわかります。
そして、ドリス・ランの胸が実に立派な巨乳!
これはアメリカでも発売されるから意識したのかな?
いや、日本でも巨乳ファンは多い?(笑)

全体的に作者の作品に対する”愛”が感じられていいと思います。

・・・で、正直なところ・・・私の脳内のDとは、申し訳ないけどかなり違うんですよね。
私の脳内のDは、天野喜孝が「夢なりし」の表紙を描いた頃のDです。

そういうビジュアルでDの漫画を描ける人は・・・たぶんいない?
天野喜孝本人でさえ随分絵柄が違ってきたから、あの頃のDは描けないと思うんですよね。

だから、完璧には私の理想のDではないんだけれど、Dがコミック化されたというだけでとっても嬉しい。
この作者もたぶん今後もっともっと上手くなると思うから、(現在、下手だと言ってるわけではありません)それに期待したいと思ってます。
頑張って、小説になったDを全てコミック化して貰いたいです!
応援しています♪



HUNTER×HUNTER 24巻 (冨樫義博)

2007-11-07 20:00:06 | 漫画家(た行)
(2007年発行)

う~~~~ん。。。
この作品の感想は実に難しい。

一応、これ新刊が出る度にすぐに買って読んでいるのです。
でもね~、ご存知の通り、連載時などはメチャクチャ手抜き・・・と言うか、下書き状態だったりする。
単行本になる時は、描き加えてるけどね。

・・・で、連載が再開されたんですね。
雑誌は最近読んでないんですけど、やっぱりいつも通りなのかな?

ストーリーも面白いし、キャラも魅力的だし、絵も上手いから人気はあるんですよね。
でもね、人気があれば下書き状態でも載せて貰える・・・っていうのは、どうかな~?
って、思うんですよね。

必死で丁寧に描いても人気がなければ、こういう扱いはして貰えないのが普通。
漫画界というのは実力の世界だ。人気のある者の勝ちだ・・・と言われるとその通りなんですけどね。

それでもやっぱり
何だかな~~~~~・・・って思ってしまうんです。

・・・と、言いつつとりあえず読んでいる私です。

週刊誌の連載が難しいのなら、連載じゃなくて単行本描き下ろしっていう風にした方が気持ちいいんだけど、雑誌に載せる方が雑誌の売り上げが増えるんでしょうね・・・たぶん。

まあとにかく、きちんとラストまで上手く纏め上げて欲しいな~~って思います。

夢幻紳士 迷宮篇 (高橋葉介)

2007-10-17 06:31:21 | 漫画家(た行)
(2007年発行)

『幻想篇』『逢魔篇』から続く三部作の完結篇。

夢か現(うつつ)か現(うつつ)か夢か・・・。
不思議で奇妙な感覚に陥りつつ、いつのまにか葉介ワールドに絡めとられてしまう。

『逢魔篇』の終わりの方から、墨のかすれを効果的に使用した絵になってきている。
黒と白のはっきりしたコマは実際に起こっているシーン。
かすれた線を使ったコマは幻想シーン。

現実と夢のシーンを描き分ける手法として、枠線の太さを変えたり、枠線の角を丸くしたりいろんな方法があるが、かすれを使うか使わないかっていう方法は違和感なくいつの間にか幻想世界に紛れ込むことが出来る。
なかなか素敵な方法だと思いますね。

この三部作、作者曰く、
「スカイダイビングしながら落下地点を必死で捜して着地した気分です。」

なんとなくわかるような気がします。(笑)
でも、三冊を見事に纏め上げた手腕に拍手を送りたいです。


それにしても・・・魔実也氏は本当に”女たらし”ですね。
女の心をぐっとわしづかみにしてしまうようなセリフをさらりと言ってのけるんですからね。
”お姫様 僕も
女性の裏切りにいちいち目くじら立てる程
純情(うぶ)ではない
あなたは楽しくて魅力的な
貴婦人(レディ)でした”



こういう気障なセリフが言える男ってステキですね♪