(2005年1月一日発行)
短編が6話収録されています。
動物もの、ヒューマンドラマ、どれもいい。
凍土が舞台だと読者はその凍った冷たい空気を感じ、
熊が現れるとその荒々しい息づかいをすぐ傍で感じたような気になり、
アラスカの海では鯨と共に泳いでるかのような気分、
瀬戸内の小さな漁村が舞台だとその潮の匂いを肌で感じるような気にさせられる。
それは何故か?
おそらく緻密に描かれた背景や動物たちが読者をその世界に引きずりこんで行くのだと思うのです。
背景だけを見るとかなり描き込んでるのがよくわかります。
でも、人物の邪魔にはなってないんですよね。
読んでいる時にはあまり気がつかないけど、
人物或いは動物達がどういう場所にいるのか、
そこは寒いのか暑いのか、潮の匂いがするのか、
そういう事を緻密なタッチで描かれた背景が作品世界を薄っぺらなものにしていないのです。
この本に収録されているもののなかでは特に「海に還る」が印象に残りました。
年老いたクジラがゆっくりとクジラの墓場に下降していく様は圧巻です。
それにしても、クジラってこんなにも至る所に傷跡・・・
尾がサメやシャチに噛みつかれてギザギザになってるなんて知りませんでした。
絵や写真で見るクジラのイメージでは傷跡ひとつない綺麗な姿ですものね。
あぁ、生きてるんだな~。生きていくってことは大変なんだなって心底思いました。
短編が6話収録されています。
動物もの、ヒューマンドラマ、どれもいい。
凍土が舞台だと読者はその凍った冷たい空気を感じ、
熊が現れるとその荒々しい息づかいをすぐ傍で感じたような気になり、
アラスカの海では鯨と共に泳いでるかのような気分、
瀬戸内の小さな漁村が舞台だとその潮の匂いを肌で感じるような気にさせられる。
それは何故か?
おそらく緻密に描かれた背景や動物たちが読者をその世界に引きずりこんで行くのだと思うのです。
背景だけを見るとかなり描き込んでるのがよくわかります。
でも、人物の邪魔にはなってないんですよね。
読んでいる時にはあまり気がつかないけど、
人物或いは動物達がどういう場所にいるのか、
そこは寒いのか暑いのか、潮の匂いがするのか、
そういう事を緻密なタッチで描かれた背景が作品世界を薄っぺらなものにしていないのです。
この本に収録されているもののなかでは特に「海に還る」が印象に残りました。
年老いたクジラがゆっくりとクジラの墓場に下降していく様は圧巻です。
それにしても、クジラってこんなにも至る所に傷跡・・・
尾がサメやシャチに噛みつかれてギザギザになってるなんて知りませんでした。
絵や写真で見るクジラのイメージでは傷跡ひとつない綺麗な姿ですものね。
あぁ、生きてるんだな~。生きていくってことは大変なんだなって心底思いました。