マックンのメモ日記

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ロンドンに日本食ブーム到来!そのグルメ事情!

2012-08-26 22:06:57 | その他
ロンドンオリンピックも終わりましたが、今、ロンドンでは日本食ブームが起きているそうです。その背景にあるのは肥満問題があって、健康志向が高まっていることにあるようです。そして行きたい国ランキングのナンバーワンに日本が挙げられているそうです。保守的な英国人が以外にも日本が行きたい国ナンバーワンだとは思いませんでした。外国からの観光客を見ても欧州からの観光客の数は少なく、それほど人気がないと思っていたからです。ナンバーワンになったのは健康志向の高まりとともに健康食としての日本食に関心が高まり、それとともに日本にも関心が向いてきたのでしょう。それとジャパン・ポップ・カルチャーの影響も大きいでしょう。

イギリスの代表的料理と言うと、フィシュ&チップスが挙げられるそうです。魚のフライにポテトが付きそれにグリンピースが付いている料理です。しかしイギリスの料理と言うと世界で一番まずいというのが一般的な評価で、実際、調理しているのを見ると、魚のフライは冷凍食品でありグリンピースやポテトも冷凍ものなのです。つまり多くが冷凍物が使われていて、冷凍食品を温め直して使用しているだけ、あるいは油で揚げるだけの人たちが多いようです。それは一般家庭もそうであり、レスストランでもそれが当たり前になっているほど、料理に対しての関心が低いのがその理由になっているのです。

それほどにまで料理に対しての関心が低くなった理由として言われていることは、産業革命が挙げられると言います。料理と産業革命がどんな関係があるのかと思われるでしょうが、それが大いに関係しているのです。それまで農耕生活をしていた人たちが、突如、産業革命が起きたことで、街で働くようになり、仕事に追われるようになっていったからです。だから時間をかけて料理する時間がなくなっていったのです。

チャップリンの代表作のひとつである「モダンタイムス」という映画がありますが、その内容は、「資本主義社会を生きている上で、人間の尊厳が失われ、機械の一部分のようになっている世の中を笑いで表現している」というものです。結局、歯車の一つと化したことで、今までのような自由な時間がなくなってしまい、料理に時間をかけることができなくなったことで、手軽にできる冷凍食品を使う料理がいつの間にか主流になってしまったのです。これが伝統となってしまい、まずい料理に慣れてしまい世界で最も料理のまずい国なんて言う不名誉なレッテルを張られてしまったのです。

ところが最近の健康食ブームで日本食のお店がたくさんできてきたのです。ロンドン市内には回転ずしが25軒もあるし、ラーメン屋さんもできているそうです。中にはロンドで初めてのお好み焼きさんもできたそうです。この店の店主は日本語を3年間大学で学んだそうですが、高校生の時に日本の文化などに関心を持ったことで日本語を勉強するようになったそうです。それに触発され日本の食べ物を作るようになったのでしょう。写真で見たお好み焼きを見ると、日本のお好み焼きとはちょっと違いますが、まだロンドンではほとんど知られていないので、これが日本のお好み焼きになるのでしょうか?それでも客の入りは超満だそうで目の前で焼いてくれるのが良いそうです。やはり冷凍でない生の食べ物に飢えていたのでしょうかね?

そんなロンドンの中でも、今、最も注目されている日本食はと言うと「うどん」だそうです。好きになった人は1週間に3~4回もやってくるそうです。英国人がうどんを食べている姿を想像しただけでも変な感じがします。この店のオーナーに聞くと、この10~20年くらいで、イギリス人の食に対する感覚が変わってきていると言います。だんだんグルメになってきているし、味が分かっているんだと感じるようになったそうです。またジャパンセンターと言う日本食材店がありますが、日本食はLight & Healthyと言う認識が広まり、7割の人が日本人以外の人だそうです。その中で一番の売れ筋はなんだと思いますか?それは「糸こんにゃく」だそうです。

健康のためもありますが、外国人の大好きなパスタの代わりに使用したり、ダイエット食の主食として人気が高いそうです。さらにロンドンで見つけた地元学生が熱心に本を読んでいたので何を読んでいるのかレポーターが聞いてみると、料理研究家の栗原はるみさんの料理本でした。そうした日本料理本を見て寿司も作ったし、そば、てんぷら、切り干し大根まで作ったそうです。さらに家で巻きずしとマグロのたたきを使って料理を作ると言って家に呼んでくれたそうです。お気に入りの曲を聴きながらサーモンの巻きずしを作るのですが、その中に「クリームチーズ」を入れて作っていました。いったいどんな味なんでしょう?やはりクリーミーな味のようでした。マグロのたたきは「ごま」をつけてフライパンで焼きあげていました。あとは卵焼きのようなものもあり寿司の完成です。味のほどは不明です。

異国の地で日本食がたくさん作られるようになったり、食べられるようになったりすることはうれしい話ですね。こうした食文化も日本のソフトパワーであり、こうしたものを通じて日本と言うものをよく知ってもらえると言うことは、日本にとっても嬉しいことです。そしてロンドンの人が「食に目覚め」おいしい料理が増えれば、イギリスも世界一、料理がまずい国とは言われなくなるでしょう!

アップルとサムスン電子の訴訟合戦はアップルの革新的なイメージに傷をつけた!

2012-08-25 23:25:01 | ネット、ビジネス、IT
アップルとサムスン電子がスマホの特許やデザインを巡る訴訟で両社は韓国や日本、ドイツ、豪州などでも同様の訴訟を抱えています。韓国ではソウル地裁が24日アップルとサムスンがお互いに特許を侵害したとして争っていた訴訟で、アップルが2件サムスンが2件の特許をそれぞれ侵害したとして、両社に損害賠償を命じています。ドイツでは今年1月にアップルが勝訴した一方、英国では今年7月「サムスンにタブレットのデザインをコピーされた」とするアップルの訴えを退けています。そして今回、米国での裁判ではサムスンが特許を侵害していると10億ドル超の賠償命令を出しました。ただタブレットのデザインに関してはアップルの訴えを退けています。このように両者は世界各地で訴訟合戦を繰り広げているのですが、同じような訴訟では結論が違っている場合も出ているだけに、争いは長期化の様相を呈しているようです。

今回の米国でスマホのデザインや特許を巡っての訴訟では、カルフォルニア裁判所ではサムスンがアップルの特許の一部を侵害しているとして、アップルの損害約を10億ドル(780億円)超と認定しサムスンに支払いを命じています。今回の評決を受け今後、判事が製品販売の差し止めについての是非を判断することになります。これを受け米メディアはアップルの大勝利などと報じていているようですが、ただサムスンは仮に販売差し止めになったとしても、古い機種が対象のため販売面での影響は限られるという見方も出ています。これは反面、アップルとグーグルの代理戦争と言う側面も強いようです。

と言うのは、アップルはサムスンなどの採用しているアンドロイドをグーグルがアップルの技術を盗んだものと主張しています。そしてシリコンバレーでの裁判と言うこともあり、アップル幹部が「iPhone」開発の舞台裏について証言。訴訟の行方だけでなく、審理で飛び出す証拠や証言、それに両者の主張も大きな注目を集めていてこの訴訟でアップルの社外秘のデータやエピソードが次々と公表されています。自動車分野への参入検討やタブレットを巡るエピソードに加え、同社の独自性に疑問を投げかける証言も飛び出したそうです。そんなわけでアップルが勝利したとしてもその代償は小さくなさそうだと言われています。

その一つ、「iPhone」開発前に自動車分野への参入を検討していたと言うのですからびっくりしませんか?上級副社長は「iPodの成功で新しい分野への挑戦気分が高まり、車を作ろう、カメラを作ろうと検討していた」と証言しています。米衣料大手の会長で取締役のドレクラー氏は「ジョッブズ氏の夢はiCarを作ることだった」と語り話題を集めたそうです。将来の製品戦略に関するものでも、画面サイズが7~8型前後の小さなタブレットについてジョッブズ氏の承認を得たとする電子メールをアップル幹部が他の幹部に送っていたと言います。これはサムスンが入手して明らかにしたもので、これにより「iPad」より一回り小さなタブレットの投入を準備しているという噂が信憑性を帯びてきています。

さらに「iPhone」のデザインや指を使ったタッチ操作技術が、ソニーや三菱電機のコンセプトや製品にヒントを得たものではないかと言う証言や情報も目を引いたようです。アップルよりも先に提案・製品を市場に投入していた日本企業の例を挙げることでサムスンはアップルの技術の独自性に疑問を投げかけたのです。わずか数年前まで他国に技術面で他国企業に大きく先行しながら、世界規模での事業拡大に失敗し、アップルやサムスンに敗れた日本の電機・IT業界の実情も浮き彫りになったのです。

このように従来公開していなかった両社の販売データや秘密も次々と開示を迫られ、関係者からは「ジョッブズ氏が生きていたらこんな状況は望まなかったはずだ」と言う声が上がっているそうです。今回の訴訟で販売差し止めは両社の販売戦略に大きな影響はないと言う見方ですが、むしろ日本メーカーの影響などを印象付けるサムスンの訴訟戦略が革新的な製品で市場をリードしてきたアップルのイメージに与えた傷は大きいと言います。反対に言えば、それだけに技術を持っていた日本企業にもかかわらず、それを生かせなかったことは非常に残念な結果だったことを浮き上がらせています。

西洋美術史と現代日本のリアリズムの先駆者。日本で唯一のリアリズム専門の美術館!

2012-08-24 18:00:46 | 芸術(音楽など)・文化・歴史
リアリズム絵画とは、目に映るものを画面に描きとり、あたかも現実がその画面の中にも存在するかのように創造される絵画です。それはラスコーの洞窟壁画にまでさかのぼる絵画史の原点であり、レオナルド・ダ・ヴィンチやフェルメールにつながる絵画手法でもあります。当初はこういう絵画から始まっていったのですが、時代の変化とともに絵画も変化していきました。

絵画の本質をリアリズムと捉え、その頂点にイタリア・ルネサンスのレオナルド・ダ・ヴィンチを据え、その後もレンブラント・ファン・レインやドミニク・アングルなどの巨匠は存在したものの、レオナルド以後の写実絵画の歴史を見ると衰退の歴史となっています。その原因として徒弟制度がなくなったことと、時代の進度の加速を挙げられると言います。その後、見たとおりに書くだけでは物足らなくなった人たちの中から形体の明確な描写よりも、それをつつむ光の変化や空気感など一瞬の印象を捉え、再現しようとした印象派と呼ばれる人たちが出てきました。モネ、ドガ、ルノワールなどで、さらにポスト印象主義として、見たままの自然を描く従来の印象派とは異なり、これらを主観的表現として再構成したセザンヌ、ゴーギャン、ゴッホなどが挙げられますが、便宜的なグルーピングであり、様式的な共通性は希薄であって、それぞれの画家の画風は大きく異なるそうです。

20世紀に入ると、表現方法は多様化していきました。色彩は自然を再現するものではなく、感動などの心の動きを表現するための道具として用いられるべきだとするフォーヴィスム(野獣派)によって、20世紀の美術は幕を開いたと言います。フォーヴィスムは野獣(フォーヴ)に喩えられるような、原色を多用した強烈な色彩と激しいタッチを特徴とするそうです。代表的な画家にアンリ・マティス、 アンドレ・ドランらがいるそうです。さらに対象の形態を解体し、立方体で再構成するキュビスムはパブロ・ピカソ、ジョルジュ・ブラックらによって押し進められました。これ以外にも様々な試みがなされ、このような模索を経て形成され辿り着いたのが抽象画とシュルレアリスム(超現実主義)です。抽象絵画は絶対絵画とも呼ばれ、目に見える現実を描写するのではなく、色彩と形態などの純粋な造形的な要素だけによる表現を目指したものだそうです。この辺の絵画はと言うより20世紀の絵画になるとだんだん私には何だかわからなくなります。

今回は日本のリアリズムの野田弘志氏です。彼は、およそ10年単位でその個人様式を大きく転換させるという特徴があるそうですが、その核心は一貫しており、徹底した細密描写を中心とする粘り強いリアリズム表現が際立つのが特徴だそうです。現代の日本の超リアリズムの先駆者と言う人もいます。1992年以降は低彩度の明るい色(ライトグレーや白)を中心とした絵を描いているそうですが、彼の描いた絵画を見ると、まるでそこにあるかのように細密に描かれた超写実絵画で、女性の柔らかな髪の一本一本描かれ、皮をむいて少し時間の経ったレモンのかすかな湿り気などを感じ取れるほどです。写真を超えていると見間違うほどの超写実絵画に今、注目が集まっています。デジタル技術が高度に開発された現代、手で絵を描くことに一体どんな意味があるのか? リアリズム絵画は写真とどう違うのか? と思う人もいるでしょう。しかし彼の絵からは、レモンの一皮むけた絵などは写真では表現できないような生の瑞々しさが感じられます。それゆえに超写実絵画と言われる所以です。

では写実絵画を描いたダ・ヴィンチやフェルメールの絵を見て凄いと思わない人はいないと思いますか?どこか日本では写実絵画と言うと軽く見られているように感じますが、わけのわからないような抽象画を見ているよりもよほど心に響くものがあります。野田氏も言っていますが、写真を「メモとして」使用することを認めつつも、絵画と写真の差異を強調し、特に初心者が写真を見て描くことにより、様々な勘違いがうまれること、より重要な内容が身に付かないことに警鐘を鳴らしています。絵の先生も、いつも写真を見て描いていると写真を見なければ絵が描けなくなると言います。

さらに野田氏は、「写実絵画で要になるのは「存在」ということです。あくまでも「存在」が描けなければ芸術になりえない。しかし、日本人の美意識では「もののあはれ」や情緒のほうに行ってしまいがちです。細密にいくがために存在が薄れ本質が薄くなり、ロマンチックや情緒に流れてしまうと思うのです。本当の意味の写実はこれからだと思っています。写実というのは難しいけれども、最も深淵なことができる世界のはずです。僕が考える芸術は、人間の最高の精神、魂の形象化というか、姿になったもの。絵画でありながら絵画を超えたものを含んでいなければならないと思うのです。ただ、そこをやってしまうと、人はあまり寄ってこなくなるので難しい」と言っています

ホキ美術館は、日本初の写実絵画専門美術館です。ここでは彼の絵がたくさん収蔵されているそうです。巨匠から若手まで約40作家300点の写実絵画を所蔵しているそうです。日本で、写実の作品を見る機会はまだ多いとはいえません。ホキ美術館は日本で唯一と言ってもよい写実絵画専門美術館です。美術館の建物はこのコレクションのために設計されたのです。地上1階、地下2階の三層の長い回廊を重ねたギャラリーで、一部空中に浮いている部分もあるそうです。美術館は昭和の森公園に隣接しており、株式会社ホギメディカルの創業者である保木将夫(ホキマサオ)によって収集された写実絵画作品、約300点を収蔵・展示しています。

収蔵作家の大部分は日本人であり、日本最大となる森本草介のコレクション32点のほか、野田弘志 、中山忠彦、磯江毅、原雅幸、石黒賢一郎、小尾修、島村信之、諏訪敦、生島浩、五味文彦、青木敏郎、藤原秀一、大畑稔浩、永山優子、廣戸絵美、山本大貴など約40名です。コレクションのうち、約160点が、地上1階、地下2階の三層の回廊型ギャラリーに展覧されていて、特徴的な外見を持つ建築物は様々な賞を受賞しています。写実絵画コレクションのために設計された、ピクチャーレールのない展示室、天井に埋め込まれたLEDとハロゲンの照明、床には長時間の鑑賞に疲れないゴム素材を採用するなど、絵画鑑賞に最高の設備を備えた最新鋭の美術館で、美味しい食事とワインが楽しめるイタリアンレストランと、カフェも併設しています。

そんなわけで最近はこの美術館を訪れる人が急増しているそうで、バスで来る人もいるそうです。チャンスがあればぜひ一度行っていただきたい美術館です。

フェイスブック株主のティール氏、保有株の大半を売却!一般投資家だけが割を食ったような気分だ!

2012-08-23 17:14:10 | 経済・金融・投資
フェイスブックのディレクター、ピーター・ティール氏は、新規株式公開(IPO)後の一定期間にインサイダー株主の持株売却を禁じるロックアップ条項の一部解除を受けて、保有する同株の大半を売却したことがわかりました。

同氏は電子決済大手ペイパルの共同創業者で、ベンチャー投資家としていち早くフェイスブックの将来性を見いだし、2004年に出資した人物です。米証券取引委員会(SEC)への届け出によれば、ティール氏は16日と17日に、保有する同株2790万株のうち約2010万株を売却しました。さらに同氏はフェイスブックのIPOの際に保有株1600万株を売り出していました。

ロックアップ条項の解除を受けて、ティール氏など初期からの株主が持ち株を売却するとの懸念がフェイスブック株の重しになっており、同株は5月17日のIPO以降47%値下がりしていて、20日の米株式市場では、前週末比5%高の20.01ドルで取引を終えています。フェイスブック株は上場後の1年で5回に分けて内部保有者による売却禁止が解除されます。初回の先週は2億7110万株が解禁対象となり、今後11月までに追加で14億4000万株が売却可能となることからこの日も注目されるところです。

同氏の売却観測は今月上旬から出ていたそうですが、それは保有株を比較的売却しやすい種類株に変更していたからだそうです。ただ株高期待があれば売り急ぐ必要もないし、段階的に売る手もあるはずです。内部関係者として同社をよく知る同氏が一気に減らしたとなれば、株価への影響は少なくないはずです。結局終値は4%安で終わっています。最近では「ロックアップ明けに注意せよ」とIPO(新規株式公開)銘柄の合言葉になってきたそうです。と言うのもジンガやグルーポンなどロックアップが明けるたびに需給が悪化するパターンを何度も見ているからだそうです。

すでに株価は上場時の半値になっていますが、本当の山場は11月にかけてだともっぱらの話だそうです。と言うのはザッカーバーグ最高経営責任者の保有分を含めた14億株強が売却可能になるからです。個別株オプションでは、秋の下落に備えた価格付けも見られるそうです。バークレイズのアナリスト、ディクレメンテ氏も、携帯端末での収益化への疑問と言う本業面とロックアップ明けの需給を今後の逆風に挙げているそうです。11月までに成長期待が確かなものに高まってくるかが、株価のカギだとしています。

ちなみにフェイスブックの成長初期の果実をもぎ取ったティール氏の利益額は10億ドルとも言われ、最近、新ファンドを立ち上げたと言います。そしてハイテク株の目利き人であるティール氏の視線はすでに別の方向に移っていると言います。一般投資家だけがフェイスブックフィーバーに踊らされ、何か割を食ったような後味の悪い話です。

アップルの時価総額史上最高! とアップルに潜む死角!

2012-08-22 14:07:09 | ネット、ビジネス、IT
最近アップルの記事が賑わっています。20日の米株式市場でアップルの株価総額が6235億ドル(約49兆4800億円)を超え、米マイクロソフトが1999年に記録した6205億ドルを超え、史上最高記録を更新したからです。実は私はジョッブズ氏が亡くなったことでアップルの全盛期はこれまでかと思ったこともあり、それまでの高値を抜くことは難しいのではと考えていたのですが、今回の過去最高値で予想は外れてしまいました。

新型「iPhone」が9月にも発売されるとの観測から、買い進まれたのですが、今後は、この新型「iPhone」の評価次第であり、その後に続くかもしれないアップルTVなどの新製品が出せるかどうかであり、いろいろ考えると、やはりダブルトップかトリプルトップで天井と言うパターになるのかなとそんな気がします。MSでも同じくらいの水準で天井をつけているのですから、よほどヒットが続かない限り上値は難しいのではないでしょうか?

それに同社は主力のスマホである「iPhone」が売り上げの5割近くを占めており、これだけ比重が高いと、もし「iPhone」がこけた時にはダメージも相当大きいのではないかと考えます。それに10年6月に「iPhone4」を売り出した後の派生機種である「iPhone4S」を除いて全面刷新せず、外観的に同じ製品を2年以上も世界各地で売り続けて来ているわけで、次回の製品の期待が高いだけにその反動も大きくなると思われます。

アップルの時価総額は、かつて世界席巻した日本の電気メーカーが足元にも及ばないほど差が広がってしまいました。アップルの時価総額は49兆5000億円に対し、日本トップの日立製作所が2兆2122億円、3位のパナソニックでも1兆4350億円、ソニーに至っては9463億円です。全企業が束になってかかっても足元にも及びません。シャープに至っては1988億円で大丈夫かと言われている有様です。アップルは生活を変える商品を次から次へと投入してきましたが、日本メーカーはそうした付加価値を付けた商品を出せませんでした。これではアップルに追いつけるはずもありません。存在感そのものが危ぶまれるほどです。

このようにアップルの強さが際立っており、株は今年から20日までで約64%も上昇しています。ちなみにMSでも18%高であるし、ダウ平均の9%高と比べても別次元の株高が続いています。好業績はもちろんですが、他に約17年ぶりの復配と言うことも市場の評価を高めました。しかしながら、時価総額が世界最大のアップルが今年だけでも6割も上昇することに「過熱感」を嗅ぎ取る向きもあると言います。それでも株価収益率などを見ると割高感はないのですが、このままアップルの独歩高が続くのか懐疑的な見方があるのです。

サムスン電子との特許紛争で明らかになったこともあります。裁判所に出された資料によると、iPhoneの粗利益率は49~58%で、iPadは23~32%にもなり、iPhoneはiPadの約2倍にもなっているのです。この高い利益率が販売の急増とともに利益を押し上げた要因なのです。販売が急増したのはデザインの良さや使い勝手の良さであり、高くても売れるブランド力にあるのですが、革新的な商品が生み出されなくなれば販売台数が伸び悩み始め、売れなくなればアプリ開発者を惹きつける力が弱くなり、高くても売れるブランドは値下げしなければ売れないブランドになるリスクがあります。それに粗利益率は余りにも高過ぎであり、こんなうまい商売がいつまでも続くとは思えません。日本の製造業の平均は23.2%ですからアップルの数字がいかに異常なほど高い数字かお分かりだと思います。

そんなアップルですが、スマホの需要が急増する中国で地元のメーカーが次々と格安のスマホを発売しています。品質も徐々に良くなってきており、中国でアップルが大きなシェアを取るのは難しい状況になってきているようです。世界的に見てもメーカー別市場シェアでアップルはサムスンと首位を争い、基本ソフト別ではサムスンも採用しているグーグルのアンドロイドに大きく水をあけられています。しかも先進国や新興国で可処分所得の高いユーザーの需要が一巡すれば、新興国や途上国を中心にアップルの製品は高すぎると言う現実に直面することになるでしょう。

利益成長を犠牲にすることなく販売愛数を伸ばすことが今後も可能なのでしょうか?そのカギは近く発表される新型のiPhoneがどのくらい売れるかで将来の予測ができるかもしれません。