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任天堂株、「ポケモンバブル」ではない!

2016-07-25 20:52:53 | 経済・金融・投資
米国で「ポケモンGO」が爆発的な人気を集め、任天堂の株価が2週間前の2倍近くに達していることから「バブル」と叫ぶ投資家もいるかもしれない。実際のところまだバブルではないが、高まる期待に任天堂が応えるためには多くの課題が残っています。

 ポケモンGOがどれだけ任天堂の利益に貢献するか計算するのは困難です。そもそも投資家には、売り上げの何パーセントが任天堂に入るのか分かりません。このゲームを開発したのは株式会社ポケモンと米ナイアンティックです。任天堂は株式会社ポケモンの32%株を保有し、持ち株比率は明らかにしていないもののナイアンティックへも出資しています。ポケモンの商標は任天堂が登録しているため、ロイヤルティーの支払いも受けている可能性はあります。

 次に、ポケモンGOがこれまでにいくら稼いだのか、誰も確信を持てないようで、外部の調査会社による1日当たりの売上高の推計は100〜600万ドル(約1億1000万〜6億4000万円)と幅広いのです。日本では22日に配信が始まったばかりで、他のアジア諸国ではまだリリースされていないことから、売上高の大半は米国で上げたものということになります。最も楽観的な想定では、世界で既存ゲームをはるかにしのぐ年50億ドルを稼ぎ出せる見通しです。さらに利益配分を任天堂に甘く見積もった場合、最大7億5000万ドルが同社に入るとみられ、任天堂の時価総額はここ2週間で、その約19倍の140億ドル増加しました。ポケモンGOだけで株価が上昇したのだとすれば、かなり高い割合だといえます。

 どのゲームにも言える通り、ポケモンGOの人気はやがて衰えかねません。座っての暇つぶしになるのではなく、常に動き回る必要のあるゲームならなおさらです。

 しかし、任天堂の株価は昨年のピークをやや上回る水準にすぎないことへも注意すべきです。この時にポケモンGOは投資家に意識されていませんでした。任天堂のモバイルゲーム参入で高まった期待は、初の自社開発モバイルゲーム「Miitomo(ミートモ)」の不振で徐々に後退しました。新作の投入ペースも耐え難いほど遅いのです。

 ポケモンGOの熱狂が始まるまで、任天堂株は割安でした。ネットキャッシュ(現預金と短期保有有価証券の合計から有利子負債を差し引いた金額)と設備投資が103億ドルに上る中で、時価総額が170億ドルにとどまっていました。企業価値は昨年のEBITDA(利払い前・税引き前・償却前損益)の約16倍と、同業の米アクティビジョン・ブリザードやエレクトロニック・アーツに比べて低かったのです。ポケモンフィーバーが訪れるまで、任天堂のモバイルゲーム事業にほとんど価値が見込まれていなかった格好です。

 任天堂は良質なゲームを開発できる力を証明しながら、自らのゲーム機以外へ冒険することには消極的だったのです。投資家はポケモンGOの大きな成功で、任天堂がモバイルゲームへ本腰を入れるよう期待しています。実際その通りになり、任天堂が数々のキャラクターをうまく使ってモバイルゲーム界の巨人になることができるなら、株価もそれほど不当とは言えないのかもしれません。

 以上を考え合わせると、任天堂の株価はバブルではありません。しかし根拠となる想定の多くが不明で、任天堂の方針転換にも大きく左右されるため、同社株について確実なこともあまりないということです。(ソースWSJ)

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