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ブレグジット相場、機械が人間に勝つ!

2016-07-05 10:42:13 | 経済・金融・投資
先週、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)が決定したことに市場は厳しい反応を示しましたが、ウォール街では勝者と敗者の集計が進められています。早い段階で浮上したあるテーマとは、コンピューターが正しくて人間が間違っていたことです。

 エコノミストやアナリストらによると、その一因は自分が好む結果に賭けた投資家が多すぎたためで、これは市場における「投影バイアス」の典型的な例だといいます。

 モデル駆動型の投資会社フォートの共同創設者、イブ・バルサー氏はEU残留に投票する英国民の方が多いと予想していました。ただ、同氏の取引モデルは世界経済に対する懸念に焦点を当てていたため、同社は円や国債といったブレグジットによる混乱から恩恵を受ける資産を購入し続けていました。

 バルサー氏は「ブレグジットの前に何も変えていない」と述べました。同社が保有する2つのポートフォリオは24日にそろって3%以上の上昇率を示し、年初からの上昇率はそれぞれ10.75%、4%になったといいます。

 国民投票の前まで、ほぼ全ての主要世論調査だけでなく、主な政治家やジョージ・ソロス氏のような著名投資家の多くまでが公然とEU離脱はないとの考えを示していました。その主な理由は離脱に伴い経済が破壊される可能性があったからです。さらに踏み込んだ洞察を得るために、一部の投資家は他の知識人に意見を求めましたが、中には米ハーバード大学のニーアル・ファーガソン教授(歴史学)の個人的見方を聞き出すために大枚をはたいた人もいたそうです。

 事情に詳しい複数の関係者によると、ヘッジファンドのSACキャピタル・アドバイザーズを率いていたスティーブン・A・コーエン氏は同社の顧客に対し、英国民投票に関連するいかなる投資も避けるべきだと述べました。接戦が予想され、結果を見通せないことが理由だったといいます。

 シカゴに拠点を置く調査会社ヘッジファンド・リサーチ(HFR)のデータによると、株式ヘッジファンドのリターンは24日だけで2.1%低下したそうです。総じて、敗者は航空や金融など、EU離脱決定で売りたたかれたシクリカル(景気循環)銘柄に過度のウエートをかけていたようです。

 ただ、市場戦略を形成するコンピューターには、そうしたセンチメントは考えられさえしなかったのです。

 このファンドは分類上「CTA(商品投資顧問業者)」とも呼ばれ、市場トレンドを見抜くカスタマイズされた取引アルゴリズムを使って先物などの金融派生商品(デリバティブ)を売り買いします。英国民投票やブックメーカーのオッズ、そして他人より優位に立とうとする投資家を支配する政治動向といった要因は、大半のモデルに織り込まれていなかったのです。

 国民投票を数週間後に控えたころから、多くのCTAファンドの取引モデルにはディフェンシブな姿勢が採用されるようになりました。各モデルは信用性の高い国債、金、円などの安全通貨を選好し、大部分が原油や新興国市場などリスクの高い投資先を避けました。

 23日に投票結果が出てブレグジットがポンドや不安定な資産価値を急落させた後、こうしたポジションが効果を発揮しました。仏銀ソシエテ・ジェネラルのCTA指数は24日に1.5%上昇。フォートのほか、AQRキャピタル・マネジメント、ウェルトン・インベストメント・パートナーズなどの値上がりが目立ちました。

 一方、同日にはHFRXグローバル・ヘッジファンド指数が1.1%下落。米コンサルタント会社エイジクロフト・パートナーズによると、ヘッジファンド全体でCTAのモデル駆動型戦略を採用しているのは15%ほどです。

 運用担当者らによると、CTAで成功するカギとなるのは、モデルが市場を動かすイベントを取り巻くノイズを取り除くことができることです。こうしたイベントは選挙や重要な経済指標など投資家にとって重要な要因ですが、それでも正確に予測するのが困難な時もあるということです。(ソースWSJ)

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