ヒトのiPS細胞から軟骨の組織を作り、関節の軟骨が損傷したミニブタに移植して治療することに、京都大iPS細胞研究所のグループが初めて成功しました。グループは事故や加齢で軟骨が傷ついて歩行などが困難になるヒトの変形性膝(しつ)関節症患者への移植手術を2019年に実施することを目指します。
軟骨は骨の端を覆って関節を曲げたときにかかる衝撃を吸収しますが、一度損傷すると治る能力がないといわれており、変形性膝関節症は、高齢化による膝の痛みの主な原因のひとつで、国内に約一千万人の患者がいます。
現在の治療は人工関節の使用のほか、患者自身の軟骨細胞を少量取り出し、培養して増やして体内に戻す自家軟骨細胞移植が行われています。ただ、この方法で培養しても良質な細胞は増やせず、長期的には十分な治療効果が確認できていないといいます。
妻木教授らのグループは、iPS細胞の作製後に軟骨細胞の形成には三種類のタンパク質を加える必要があることを特定。さらに、細胞を溶液中に浮いた状態で培養する「浮遊培養法」を取り入れたところ、約50日でヒトの体内と同じ構造を持った良質の軟骨組織が形成されたそううです。
この軟骨細胞をマウスやラットに移植したところ、体内で正常に軟骨の一部となって定着し、がん化などの異常も起こらないことを確認しました。軟骨に損傷があるミニブタ(体重30キロ)に移植すると、軟骨が再生して、体重を支える役割を果たしたと言います。
妻木教授は「今回の治療手順はヒトにも応用できる。安全性の確認をさらに進めたい」と説明。ヒトで実際に治療する臨床応用を、18年に厚生労働省に申請し、19年の移植手術を計画しています。
国内に約1000万人の患者さんがいると言われているだけに、変形性膝関節症などへの効果が期待されています。
軟骨は骨の端を覆って関節を曲げたときにかかる衝撃を吸収しますが、一度損傷すると治る能力がないといわれており、変形性膝関節症は、高齢化による膝の痛みの主な原因のひとつで、国内に約一千万人の患者がいます。
現在の治療は人工関節の使用のほか、患者自身の軟骨細胞を少量取り出し、培養して増やして体内に戻す自家軟骨細胞移植が行われています。ただ、この方法で培養しても良質な細胞は増やせず、長期的には十分な治療効果が確認できていないといいます。
妻木教授らのグループは、iPS細胞の作製後に軟骨細胞の形成には三種類のタンパク質を加える必要があることを特定。さらに、細胞を溶液中に浮いた状態で培養する「浮遊培養法」を取り入れたところ、約50日でヒトの体内と同じ構造を持った良質の軟骨組織が形成されたそううです。
この軟骨細胞をマウスやラットに移植したところ、体内で正常に軟骨の一部となって定着し、がん化などの異常も起こらないことを確認しました。軟骨に損傷があるミニブタ(体重30キロ)に移植すると、軟骨が再生して、体重を支える役割を果たしたと言います。
妻木教授は「今回の治療手順はヒトにも応用できる。安全性の確認をさらに進めたい」と説明。ヒトで実際に治療する臨床応用を、18年に厚生労働省に申請し、19年の移植手術を計画しています。
国内に約1000万人の患者さんがいると言われているだけに、変形性膝関節症などへの効果が期待されています。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます