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iPS研究の現状!臨床応用は早ければ13年度内にも始まるものも!

2013-01-14 22:19:18 | 健康・医療・スポーツ
昨年12月、iPS細胞を開発した山中教授が「臨床応用と言うゴールが遠くに見えてきた」とノ-ベル賞受賞時に語っていました。 夢の医療とされて来たiPS細胞技術を使った臨床応用がいよいよ試験的に始まります。

患者自身からiPS細胞を作り、望みの細胞に育て、けがや病気で傷んだ場所に移植して傷んだところを直すのが究極の目的です。しかしその前に臨床応用試験を通り抜けなければなりません。そんな臨床応用の第一号が2013年度中に始まりそうです。老化によって視力が低下する眼の網膜の病気「滲(しん)出型加齢黄斑変性」の患者から、iPS細胞を作って、網膜の細胞に育て患者の目に移植、再生させる臨床研究です。これは理化学研究所が進めています。

ヒトのiPS細胞が開発された約5年前は、移植時の細胞のガン化が問題視されました。しかし、iPS細胞の作製方法が改良され、安全性も大幅に改善、ガン化しやすいiPS細胞を見分けることも可能になってきました。網膜の場合は安全上の利点があり、眼球はもともと腫瘍ができにくいほか、万が一ガン化してもレーザーで除去できるのです。「iPS細胞は危険、ガンになると言われるが、眼科の手術リスクに比べて危険性は小さいのです。そろそろ臨床に行くべき時期」と理化学研究所の高橋さんは言います。計画では6人の患者が対象で、現在、病院の倫理委員会での承認待ちだそうで、その後、国の審査を経ることになります。

文部科学省が昨年改訂したiPS細胞研究の工程表案では、iPS細胞から心筋繊維を作って心不全を直す臨床研究は15~17年に、神経幹細胞による脊髄損傷の治療は17年末までに、ドーパミンを作る神経細胞によるパーキンソン病の治療は17~19年に、それぞれスタートするそうです。さらに肝臓や角膜など立体的な臓器を作る計画も進んでいるそうです。こう聞くと、iPS細胞の治療に早くも期待がかかりますが、実際はまだまだ時間がかかるのです。

山中教授が率いる京大iPS細胞研究所は、臨床で使える質の高いiPS細胞を備蓄するストック構築をまもなく始めるそうです。患者自身からiPS細胞を作って移植治療に使うには、高額の費用や1年ほどの作製時間がかかるため、輸血用に各血液型を保管するように、欲しい時により安価で使えるように備えるのが狙いだそうです。ヒトは、細胞の表面に自他を見わけるためのたんぱく質群(型)を持ち、移植時の免疫拒絶反応の原因となるため、ストックには拒絶が起こりにくい型を多数集める必要があるそうです。試算では、日本人の9割の移植をカバーするには、150種類の特別な型を集めなくてはならず、20万人弱を調べる必要があると言います。研究所では、血液からiPS細胞を作る方法を確立し、日赤とともに献血者に協力を呼びかける体制も整え、10年以内に150種を揃えたいと意気込んでいます。

ただ臨床応用の実現には多くの壁があり、中辻京大教授は、心筋梗塞の治療には10億個程度の心筋細胞が必要と予想しています。iPS細胞から質と量を満たす目的の細胞を育てるには、無菌環境の大規模な設備やお金もかかせず、「iPS細胞技術を多くの患者に届けるにはリスクと効果を見極めつつ、多面的な技術開発や低コスト化の努力がいる」としています。

山中教授は創薬の重要性も説いています。「再生医療よりもはるかに大きな応用は創薬で、どう本格化させていくかが今後の課題。患者さんから作った貴重なiPS細胞を治療に役立てるんだと言う強い気持ちで研究者や製薬企業と協力していきたい」と話しています。研究者側が正確で透明性のある情報を提供し、国民が正しく理解することも不可欠だとも言います。iPSに限らず新技術が通常の医療として定着するには、少人数で安定性を見極めたのち、患者の数を増やし効果も確かめる治験などを経るための時間もかかります。

iPS細胞技術に対する患者の期待を日々痛感する高橋さんは、網膜での臨床研究をライト兄弟の初飛行に例え、「患者さんが求めるのはジェット機に載り、安全ベルトだけで目的地まで飛べる治療だが、これには10年以上かかる。治験や事業化を経て、皆さんを直せる標準治療にしないとゴールではない」と言っています。

こうしたことを知るといかに患者さんの期待が高いかという事も分かるし、iPS細胞治療が標準治療になるまでにいろいろしなくてはならないことが多くあり、知れば知るほど大変なことだという事がよくわかります。それでも臨床研究の開始はすでに7つほど進んでおり開始年も19年までには4つ、19年以降には3つ進んでいます。まだ臨床研究の開始であってまだまだ時間はかかりますが、長生きすれば病気もだんだん治ってくるという期待は持っていたいものです。

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