マックンのメモ日記

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世界自然遺産である「シベリアの真珠」と呼ばれるバイカル湖で環境汚染が深刻化!そこには悲しい物語が!

2013-09-01 23:26:18 | 自然・環境問題・古生物
バイカル湖は世界で最も深い湖で、最大水深は1700メートルを超えるそうです。淡水湖としての貯水量も世界最大で、面積は琵琶湖の47倍に当たり透明度の高さでも知られています。1996年に世界遺産に登録されました。どのくらい大きいかと言うと、5大湖の全水量に匹敵するほどで、地球上の全淡水の2割の量を占めていると言います。この巨大な湖は、一年のうち半分は氷に閉ざされ、湖面全体が凍ってしまうという極寒の世界になりますが、凍った巨大な湖面はシベリアの真珠とも言われ大変美しいそうです。

そのバイカル湖が環境問題に揺れているそうです。ソ連時代に設置された製紙工場から排水による汚染が深刻化しているのです。ロシア政府は今春、閉鎖する意向を示したものの地域経済への配慮から未だに操業が続いているのが現状です。この工場の煙突からは今ももうもうと煙が上がり、周辺は広範囲に渡って鼻を突く異臭に包まれていて、ダイオキシンや塩素を含んだ廃液を垂れ流すなどした結果、湖や周辺河川に汚染が広がったのです。

ロシア政府は一時工場を閉鎖したのですが、地域経済への影響を懸念したプーチン首相の指示で10年に操業が再開されたのです。同首相は「汚染は全くない」と宣言したのですが、環境保護団体によると住民の健康被害は拡大しており、同市の乳幼児の死亡率は全国平均の2倍にもなっているそうです。また「周辺の水産物を食べる住民のダイオキシン被害は深刻化していると指摘しています。国内外の批判もありロシア政府は今年2月工場の段階的閉鎖を決定。メドベージェフ首相が2年以内に操業を完全に停止すると表明しました。

問題はバイカル湖周辺を歓呼経済とっくにする方針に言及したのですが、歴史が浅い市内には観光客をひきつける名所もなければ、国際空港のあるイルクーツクから車で3時間以上かかるなど交通の便も悪く、観光地化するには問題が山済みです。果たして観光経済特区として自立できるか問われています。

ただこのシベリアの真珠と呼ばれるバイカル湖には悲しい物語もあるのです。1917年2月、革命が起きロマノフ王朝は崩壊したのですが、新政権を握ったソビエト政府の革命軍と、ロシア国内で帝政ロシアの復活を目指す白軍との激しい戦いが始まったのです。しかしドイツをも味方につけた赤軍が有利となり、1919年11月、白軍の拠点であった東ウラルのオムスクが陥落したことから悲劇が始まったのです。

再起をはかるために、白軍は赤軍の追手のかからぬシベリアの奥地へと移動していったのです。白軍50万人と、帝政時代の貴族、僧侶などの女性や子どもを含む亡命者75万人が加わり、軍民合わせて総勢125万人が、東へ東へと大移動。8000キロもある広大なシベリア横断が始まったのです。しかも季節は冬。気温は毎日氷点下20度を下回り、激しい吹雪などで凍死者が続出。20万の人間が一晩で凍死した日もあったと言います。それでも、「死の行進」は休むことなく続けられ、3ヵ月後には125万人がたった25万人となってしまったのです。

残った25万の人々は、それでもなんとか2000キロ離れたイルクーツクまでたどり着いたのですが、人々の前には凍った巨大なバイカル湖がたちふさがったのです。湖の向こう側にいけば、赤軍の手から完全に逃れられると、最後の力を振り絞って人々は厚い氷に覆われた、巨大なバイカル湖を横断しはじめました。しかし稀に見る激しい寒波が彼らを襲ったのです。猛吹雪により気温は氷点下70度まで下がり、一瞬にして意識を失うほどの強烈な寒さで、人々は歩きながら次々と凍っていき、そして死んでいったのです。もはや湖面上に生きているものは存在しなくなったのです。

そしてついにバイカル湖の湖面にて、白軍は全滅したのです。春が来て雪解けの季節となり、バイカル湖の湖面の氷が溶け出すと、25万の凍死者の屍は、ゆっくりとバイカル湖の水底深くに沈んでいったのです。バイカル湖の暗い湖底には今でもここで死に絶えていった数十万の魂が眠っているのだと言います。

前記の街の名前はバイカリスクと言うのですが、このバイカル湖でまた新たな悲劇が繰り返されようとしているのです。

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