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アマゾンの巨大ダムが7割の動物を絶滅させる恐れ!

2015-09-27 11:26:34 | 自然・環境問題・古生物
世界の国々が水力発電施設の建設計画を推し進める中、巨大なダムによって哺乳類や鳥類、カメなどが絶滅の危機に直面していると警告する最新の研究報告が出されました。少なくともアマゾンでは、その不安が現実になっているといいます。

 今月1日に英国イーストアングリア大学の研究グループが「PLOS ONE」に発表した論文によると、ブラジルに建設されたバルビナダムは、かつて手つかずの森林が広がっていた地域を、3546の島々が浮かぶ人工湖へと変貌させた。その結果、そこに生息していた数多くの脊椎動物が姿を消してしまったのです。

「私たちのまさに目の前で、動物が次々に絶滅しているのです」。論文を共同執筆したカルロス・ペレス氏はブラジル出身で、同大学環境科学部の教授だ。「現地では、非常に高い確率で局所絶滅が起きていることが明らかになりました」と語っています。しかもそれは、禁猟区や生物保護区域でも起きているといいます。

 2年に及ぶ調査をまとめた論文が発表された前日、ブラジルは米国との共同声明を出し、イングランドの面積にほぼ匹敵する1200万ヘクタールの森林を2030年までに回復させると誓約しました。また、太陽光、風力、地熱発電の利用を大幅に拡大することも約束しました。すでに、ブラジル北西部の熱帯雨林を流れるウアトゥマ川のバルビナダムにも、水上に浮かべるフロート式の太陽光パネルを設置する計画があります。

 ブラジルは現在、電力の大半を水力発電に頼り、増え続けるエネルギー需要を満たすために数百という新規ダムの建設を計画しています。他の多くの発展途上国同様です。水力発電はしばしば、「グリーンな」エネルギーとして称えられ、再生可能エネルギーのなかでは発電量が世界中で最も多いのです。

 ペレス氏は、「多くの場所において、水力発電は効果的な発電方法です」としながらも、その効果のほどは地形に大きく左右されることも指摘します。ブラジルの低地では、落差のある水流を作るために水位を上昇させる必要があり、すなわち巨大なダムが必要となるのです。一方急峻な山地であれば、小さなダム湖で事足りえます。

 つまり、水没面積に対する発電量は、平地にある水力発電所の方が、山の中の発電所よりもはるかに少なく、おまけに、ダム湖が大きくなれば二酸化炭素を吸収する樹木や植物も多く失われてしまうため、支払われる環境的代価も大きいのです。


 これまでも、漁業の収入減や先住民立ち退き問題などを含め、ダム建設で引き起こされる様々な影響が調査されてきましたが、今回のペレス氏らの研究は、より広い範囲を対象に、多様な脊椎動物への影響を調べたものです。

 調査対象となった生物は36種。「1ポンド(450グラム)以上の生物は全て調べた」といいます。250メガワットの発電能力を持つバルビナダムは、1989年に操業を開始しました。その結果、3129平方キロの原生林が湖底に沈み、3000以上の小島が誕生したのです。

 その中で、今も多様な生物が生息している島はわずかです。研究チームは36の比較的面積の広い島へ調査に入り、そこに生息する動物の絶滅率が42%にもなっていることをつきとめました。ダム湖全体では、その数字は70%に達すると推定しています。

 米カリフォルニア大学バークレー校の再生可能・適正エネルギー研究所所長ダニエル・カメン氏は、調査結果について「驚くべき内容ではない」としながらも、大規模ダムが生物多様性に与える実際の影響を「綿密に検証したすばらしい」研究であると評価しています。

 カメン氏は、巨大水力発電計画が次々に出てくる背景について、「国際的な投資を呼び寄せることに関心が集まってしまっているためです」と説明しました。発展途上国は、規模の大きなプロジェクトの方が、小規模なものよりも投資を集めやすいと考えているのです。

 ペレス氏も同意見です。大規模ダムは「地域社会ではなく、大手エンジニアリング会社のためにあるようなものです」。こうしたメガダムはしばしば、遠くへ電力を送る送電線が必要となりますが、これも非効率的であると指摘しています。

 中には、地域社会が巨大ダムの計画に反対して勝利したケースもあります。昨年、チリ政府は国民の強い反対に遭った結果、パタゴニアの最も豊かな自然を誇る2本の川に計画されていた5基のダム建設を中止したのです。(ソ-ス ナショナルジオグラフィック)

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