マックンのメモ日記

気になったニュースや関心事などをピックアップ。
今チワワのプッチという犬を飼っています。
可愛いですよ。

生態系が複雑なほど安定すると、龍谷大学が今までの定説を覆した!

2012-07-20 22:56:09 | 自然・環境問題・古生物
自然のなかには非常に多くの種類の生物種が共存していて、その数は地球全体で数百万ともいわれています。これらの生物種はさまざまな関係を通じて互いの個体数や繁殖力に影響を及ぼし合っています。最も競争に強い種だけを残してほかの生物種がいなくなってしまわないのはなぜでしょうか。餌となる生物が足りなくなったり、ほかの生物に食べ尽されたりして、生物が絶滅するということがあまり生じていないのはなぜでしょうか。互いに関係する多くの生物種が個体数を極端に増やしたり、減らしたりすることなく、長い間共存できる仕組みが自然界では当たり前のこととして成り立っていました。

今回、こうした生態系のバランスを保っている理由を数学を使って龍谷大が解析し、今まで言われてきた「複雑な生態系は不安定」と言う定説を覆したのです。たとえば生物間には、植物とその花粉を運ぶ昆虫のようにお互いが助け合う「相互関係」と、鳥と昆虫のように食べるか、食べられるかの「敵対関係」があります。今回こうした生態系の仕組みを数学使って生態系モデルを作成し、メカニズムを解明したのです。モデルの中の2~200種類の生物間で、相利関係と敵対関係の割合を変えながら、それぞれの生態系での個体数の変化をシュミュレーションしたのです。

その結果、相利関係と敵対関係が程よく混ざった複雑な状態が、生物が増減しても元の状態に戻り、生態系が安定しやすいことが判明したのです。一方、どちらかに偏っていると特定の種が異常に増えたり減ったりし、そのまま回復せずに絶滅の恐れのある不安定な生態系になりやすいということが分かったのです。生態系はピラミッドの形で現されますが、弱い動物ほどたくさんの個体数がいて底辺を形成し、頂点に立つ強い生物は少ないことを表しているのです。こを見れば生態系と言うものがどういうことかは分かるのです。頂点に立つ生物ばかり増えても食べる生物がいなければ頂点に立つ生物も当然少なくなります。これは当然の理であり、自然とみんな理解していることなのです。しかしそれを科学的に解明できたということは種の保存と言うことを考えた場合にも役に立つのです。

つまり絶滅の危機のある生物を保全するには、人工的に飼育したり、遺伝子を保存したりするだけでは不十分だということです。生物の絶滅を防ぐには生物の関係性を調べれば、それが分かるかもしれないのです。生物と物理・化学的環境が相互に関係して作り上げているシステムを生態系と呼びますが、生態系は私たち人類に多大な利益・サービスを提供しており、これを生態系サービスと呼びます。例えば、食料や燃料、木材などの提供、水の浄化や気候の調節、宗教や文化的生活の基盤の提供、酸素の生産や土壌の形成などはみな生態系サービスの一種です。生物多様性はこの生態系サービスの基盤であり、生物多様性が失われることで生態系サービスの劣化が生じることが知られています。

それにもかかわらず人間はその生態系から多大なサービスをを受けているにもかかわらず、その価値を正しく理解しないで、自ら生態系を平気で破壊する生き物なのです。このままもし生態系サービスの劣化が進めばいつか人間は自然からその代償を払わされることになるのです。人間だけが異常に増えることで自然界の生態系のバランスが崩れているのではないでしょうか?またすでにそうした兆候が出ているわけで、それは温暖化と言う形で表れてきているし、気候の変動が大きくなり異常気象が多発するようになってきています。こうした自然生態系において多種が共存する仕組みの解明は、生物多様性保全の有効な手法の開発に貢献することが期待されているのです。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿