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楢山節考

2006年05月02日 | 木下恵介
楢山節考
昭和33年、1958年、松竹
監督:木下恵介
出演:田中絹代、高橋貞二、望月優子

70歳を超えた老人は山に"姥捨て(ウバステ)"される掟がある江戸時代?の村のお話です。主人公のお婆さんは姥捨て信仰の楢山さまを信じて自ら進んで"姥捨て"を望みます。
この老婆を演じた田中絹代さんは…すごすぎます。こんな女優の鬼みたいな人は二度と出ないかと思いました。この映画のために前歯を2本抜いたというエピソードは本当なのだろうか(映画をご覧になると、本当かどうか分かると思います…)
田舎の村を全てセットで作り、その中で生の舞台みたいな感じで映画が作られていました。映像も計算しつくされている感じで、製作スタッフの皆様の情熱が物凄く感じられました。楢山の雪の中のシーンも凄かった。クライマックスのシーンで田中絹代さんは一言もしゃべりません。「行け‥行け‥」と手で息子を返す仕草や、雪の中で運命を悟ったように座る姿はズンと響きました。この真面目で楢山の神様を信じるお婆さんと、それを泣く泣く行う息子とは対照的に、"姥捨て"を拒む隣の家のお爺さんも出てきました。このお爺さんは息子に邪魔者扱いされて、縄で縛られもがきながら無理やり山に捨てに連れて来られてしまいます…
最後は木下監督らしく当時の長野の「おばすて駅」の映像で終わりました。重い重い映画で、あの時代と木下、田中コンビでなければ作れなかったのではないのでしょうか…。
映画の元になった長野に伝わる"姥捨て伝説"では、姥捨てを命じたのは土地の殿様だったと書いてありました。封建制度だからとは言わず、権力とは恐ろしいものです…

1958年度キネマ旬報ベストテン 第一位
1958年[ザ・20世紀]


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4 コメント

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楢山節考 (ぶーすか)
2006-05-03 08:06:52
TB有難うございます。こちらもTB返しさせて下さい。どうぞよろしくー。

<田中絹代さん

ほんとすごかったですねー。

今村昌平監督の作品も観てみたいです。BSでこれも放送してくれないかなぁ。
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Unknown (masa)
2006-05-03 08:21:21
ぶーすかさん、コメントありがとうごさいます。

今村版は近所のレンタル屋にあったので、今度見てみようかと思っています。

"黒い雨"も見てみたい…
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黒い雨 (ぶーすか)
2006-05-03 20:58:14
昔TVで観ましたよ。スーちゃん(キャンディースの)がイイ演技してましたが、彼女の髪の毛が抜けるシーンがめちゃ恐かったです。モノクロでかなり重いテーマですよね。
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Unknown (masa)
2006-05-03 21:41:08
それはうらやましいです。前からみたかったのですが…

ぶーすかさんのHPみせて頂きましたがハンパじゃない量御覧にられていますよね。



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