あとだしなしよ

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八月の狂詩曲

2008年12月27日 | 日本映画
監督:黒澤明
出演者:村瀬幸子、井川比佐志
1991年

なんともゆったりとした映画で反戦反核、原爆後遺症の重たいテーマの裏に、淡々とエピソードが積み重なれて行く。こんな雰囲気の映画は今でこそ珍しいものではないが、この手の雰囲気の作品を開拓したのも黒沢監督なのであろうか。ラストの嵐の中の全力疾走のシーンは、バンツマが決闘高田馬場で見せた演技の様であった。ここを走りなさい。何回でも。つんのめりながら、転びながら、走る。おばあちゃんは風にふきとばされそうになりながら、必死になって傘を両手で持って、よたよたと歩く。孫たちが全力で追いかける。お母さんもお父さんも追いかける。顔をクシャクシャにして、ぬれているのは涙なのか雨なのかわからない。傘がぼわっと開く音。チャンバラシーンに刀の音とかの効果音を始めていれた監督らしいと思った。かなり長いシーンだが、たぶん同じ映像はないはずで、何回も何回も撮影されたと思われる。ここにきての新境地なのはさすが。乱とか夢とかより、こっちのほうが全然好きだ。


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