あとだしなしよ

Japanese text only..
落書きブログです。
報道記事の全引用は元記事消去への対応です。m(__)m

夕やけ雲

2007年08月25日 | 木下恵介
夕やけ雲
1956年、昭和31年
監督:木下恵介
出演:田中晋二、東野英治郎、望月優子、久我美子、菊沖典子

脚本は木下監督の妹の楠田芳子で、カメラの楠田浩之とご夫婦。
裕福ではない(ビンボーな…)魚屋の一家の物語。望月優子と東野英二郎が夫婦。主役の田中晋二はサッカーの平山選手にそっくり…終戦後のキビシイ日本の家庭を描写した「日本の悲劇」に「野菊のごとき君なりき」のナイーブな感じがプラスしたような映画だと思った…望月優子の疲れた感じのお母さん役がよかった。「わたしたち…働いてばっかりだったわね…」アップで写される汗ばんで張り付いた髪の毛や顔のしわが全てを物語る。病弱な東野英二郎のお父さんはイライラとしてこう吐く。。「あげくの果てに戦争なんか、始めやがって」とか、「せっかく手に入れた大通りの店を国が取り上げやがって…!」とグチる。(愚痴じゃないか…説明されてはいないが、おそらくヤミ市がルーツのお店と思われる。家屋疎開で町外れに強制的に移動させられたらしい。)小さい魚屋だがそれでもやって行くには大変な努力が必要なのだろう…魚を包むのに新聞紙を使っていたりして、私も知っているが昔はそうだったのを思い出す。今はなんでもかんでもビニール系でビニール文明全盛でヤになる。ムスコは「さかなクサイから魚屋なんてイヤダ」と言うが、優しい彼は家業を継ぐ…久我美子さんはお金が好きなイヤミな美人役でハマっていた感じであった。ときおりインサートされる役者のアップが人物の内面を映し出す…ナイーブな少年は市場に修行をし、刺身が捌ける町の魚屋になり、仕事の合間に広い町並みを眺めるのであった。。。とても切ない映画でした。。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿