あとだしなしよ

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いつか読書をする日

2007年12月09日 | 日本映画
いつか読書をする日
2004年、スローラーナー
監督;緒方明
出演;田中裕子、岸部一徳

田中裕子さんといえば現在の日本を代表する大女優だと思うのだが、不思議と映画の出演は少ないよう。彼女の若い頃の代表作はジュリーと共演した寅さんであろうか。日本映画界はあの田中裕子のベストな姿を後世に残せたのであろうか。。なんか盆地で市電が走っていて、ここはどこだろうと思っていたらな長崎であった。地方都市ではまだまだ路面電車が走っているところも多いが、時代遅れだなんて思わない。バスと市電ってどっちが省エネなんだろうって映画とは関係ない…独身のふつうより地味な女性の話で、ジミな話というかほとんどの人の人生は地味なわけでして、あんな生き方もしゅっとしていてすごく素敵だ。男も二枚目ではないが、なんだか男らしい人物である。児童虐待の現場はとてもリアルで悲しい現実に思えた。彼女は牛乳配達とレジ打ちの仕事をしているのだが、実はとても読書家で、家の本棚には本がたくさんある。牛乳配達はハタチから続けているそうで、なにが楽しいのかわからないところもありますが、それが生き甲斐なんだそうだ。そしてそれは、すばらいいことだ。いまどきに牛乳配達を頼んでいるのは老人家庭が多いよう。クライマックスに雨が降る。それは悲しい恋愛の結末を予感させ、まちうける運命を暗示するものだった。
岸部一徳と堂々わたりあう田中裕子を見ていると、世間から見れば低所得のワーキングプアだとかなんだとかぬかすんだろうが、そんなことは言わせない気高さが彼女の表情にはあるのだ。それは自分のちからで生きていることへの、確信のあらわれなのだろうか。


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