あとだしなしよ

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六ヶ所村ラプソディー

2007年08月30日 | 日本映画
六ヶ所村ラプソディー
2006年、平成17年
監督:鎌中ひとみ
出演:鎌中ひとみ、六ヶ所村の皆さん

青森県はマサカリ半島の電車が通っていない六ヶ所村にある、原子力発電所で燃やした核の残りカスからプルトニウムを取り出す再処理工場に関するドキュメントフィルム。村と言っても広大な土地で、戦後に大陸からの引揚者たちが農地に開拓した土地だそうだ。漁場としても日本一だそうで、イカ釣りがさかんに行われていたそう。漁や農業で自給自足の生活が成り立っていた土地らしい。映画でもコンブ漁をする女性達が紹介されていた。しかし核施設として目を付けられて以来、様相が変わって行ったようだ。。。。(悪い方向にだと思う…)
核の再処理とは、原発で燃やした残りカスから、プルトニウム(とウラン?)を分離し取り出す施設。ちなみに、これは原爆の原料にもなるもの。当初はこれを高速増殖炉で燃やす予定であったが、高速増殖炉(もんじゅ)は事故のため無期限停止中。(ナトリウム漏れだったかな…)だからか知らんが、これをこんどは軽水炉とかゆー今動いている原発で燃やそうとういうのが、プルサーマル計画らしい。なんだか行き当たりばったりでイイカゲンに思える…最近テレビCMなどで、いかにも問題なんかなにもありません的な原発のリサイクルとかぬかしているのがこれのことである。
映画のなかでは、賛成派としてクリーニング屋さんと核廃棄物を搬入する作業員のかたが出演されていた。作業員のかたはイカ釣りをしていたが、近代化の為に職を失い、ほかに仕事が無いために核施設で働いているそう。クリーニング屋さんも再処理工場からの仕事だと低レベルの核汚染された服のクリーニングもするそうだ。。。
反対派としては、過去には町を二分した激しい運動があったそうだが、結局は反対派は退き、工場も完成してしまい、今は反対派として活動しているかたは少数だそうだ。そんな中で無農薬で農作業をしている農家のかたと、植物園をされているかたが紹介された。特に無農薬の農家のかたは悲惨で無念で、手塩にかけた作物が汚染の心配や偏見の為に売れなくなってしまうケースも紹介されていた。今後は漁業のかたもそうなるかもしれない。。自分も知らなければなんとも思わないかもしれないが、青森産のトマトを買って食べたときに、なんとも嫌な感じがしてしまったのは、残念ながら本当のことです…
賛成派としては市民のかたしか出ててこなかった。これは事業ヌシの日本源燃が監督さんの取材を拒否しているからだそうだ。いわく、「反対派の取材は受けん!」だそうだ。なんて傲慢なんだろう…俺たちは絶対に正しい!反対派は無視するということだろう。こういう謙虚さを失った集団はとてもキケンだと思う。
現在はアクティブ試験といわれる来年の本格商業運転への試運転中であるが、日立の子会社(人のせいにしているの!?)の耐震設計の入力ミスが発覚し停止中のよう。

わたしなりに問題点を書き出してみると、、、、

- 生成したプルトニウムを燃やすところが無い!
- しかもすでに海外で再処理したのが日本に余っている!
- 普通の原発の放射能の1年分を1日で出す!ホンマカイナ!??
- 風(ヤマセ)や海流で汚染が広がる
- 核の廃棄物の最終処理方法はまだ無い!!
- 地震や津波は怖くないの???!!
- 同様の施設を持つ、英仏の施設の周りではガンの発生率が高い!
- チリやホコリ程度の微量でも猛毒のプルトニュウムは絶対に出さないと言っているが、それってムリなんじゃないの!?
- 農海産物への放射能汚染と風評被害が心配

個人的にはこの施設の計画があることはチェルノブイリの事故時に原発が問題になったときに知っていて、その時点でもかなり危険な施設であり、たしか六ヶ所の沖合に活断層があるという指摘もされていたのを見た事があったので、まさかこんなものが実用になるなんて思えなかった。多様化を主張する電力会社が未来のエネルギーとして原発のみに金をかけるのかまったく判らない。もっと他のクリーンなエネルギーもあるんじゃないの?過去に比べてバイオ燃料とか水素電池とか、太陽光発電とか。。家庭に導入を推進するなら地上デジタルテレビなんかより太陽光発電のほうが、どんなに良いだろうと思う。さらに同様の施設のイギリスのセラフィールド周辺では放射能で汚染されてしまっているし、セラフィールドは再処理事業からは撤退するらしいし、プルトニウムを燃やす原発(高速増殖炉)は危険が多すぎてイギリスでもフランスでも開発が断念されているし…

こんな記事が…
「プルサーマル不可能」県議会で自民から指摘相次ぐ/Web東奥・ニュース20070830101035
2007年8月30日(木) 東奥日報 ニュース

■ 「プルサーマル不可能」県議会で自民から指摘相次ぐ

 六ケ所六ヶ所再処理工場の耐震計算ミスなどをめぐり二十九日に開かれた県議会全員協議会などで、自民党会派から、同工場で回収したプルトニウムなどを消費するプルサーマル計画(軽水炉でのプルトニウム利用)の実現は不可能-などの指摘が相次いだ。新潟県中越沖地震でトラブルが多発した東京電力・柏崎刈羽原発は長期停止が避けられないため。同計画の実現性については、反対派から批判されることが多かったが、推進派からも見切りをつけられた格好だ。
 全員協議会で滝沢求議員(自民党)は、柏崎刈羽原発のトラブルに触れ「プルサーマル計画の実施は、ますます厳しい状況になってきたのではないか」と質問。東京電力の皷(つづみ)紀男副社長は「地震の影響について詳細点検をしており、信頼回復に努める。現在は具体的に話せる状況ではないが、プルサーマルを含めたサイクル事業を確実に推進することが重要との認識に変わりない」と答えたが、滝沢議員は「信頼回復は口で言うほど簡単ではない」とピシャリ。
 一方、全員協議会終了後に開かれた自民党会派の議員総会では中谷純逸議員が「柏崎刈羽原発の問題で、東京電力のプルサーマル計画はほとんど白紙状態になったのではないか」と発言。二〇一〇年度までに全国の原発十六-十八基でプルサーマルを実施するとの電事連の計画についても「現実的には不可能で、計画見直しを求めていく必要がある。現実と乖離(かいり)したままの計画ではまずい」と強調した。
 東京電力の当初計画では、一〇年度までに三-四基でプルサーマルを実施し、原発(計画含む)を持つ十一社の中で、プルトニウム消費の中心的な役割を果たすことになっていた。

さしもの自民党の議員さんもあのデコボコ柏崎原発には恐怖を覚えたのだろうか…自分たちが推進してきたくせに…
でもこんな記事も…
県議会全員協で耐震計算ミス審議/Web東奥・ニュース20070829223444
2007年8月29日(水) 東奥日報 ニュース
■ 県議会全員協で耐震計算ミス審議
 日本原燃・六ケ所六ヶ所再処理工場の耐震計算ミス問題を審議する県議会の全員協議会が二十九日開かれ、各議員から国・県のチェック機能や耐震計算ミスをした当該会社の責任問題などに対して厳しい意見が相次いだ。最大会派の自民党会派は全員協終了後に議員総会を開き、補強工事と点検終了を踏まえ「国と原燃の対応を評価する」として、アクティブ試験(試運転)第四ステップ入りを了承。四月から中断していた試運転は再開へ向け大きく前進した。
 三村申吾知事は県議会の動向と、三十日の市町村長会議と原子力政策懇話会での意見聴取を踏まえ、三十一日にも試運転再開を了承する見通しだ。

情勢は厳しそうです。
原発だけが悪い施設だとは思わないが、ひとたび大事故が起きると、大げさではなく日本は破滅的な被害になるのは間違いないことだと思う。

地域・原発の見直しを:会田洋・柏崎市長

わたしもエアコン切ったり、スイッチ付きコンセントにしたり、テレビの主電源を切ったりしています。夏はアセダクになって、ビールや麦茶を飲むのも良い。。辛いものが美味しくて、カレー食ったりしてまた汗かいたりして…水風呂が気持ちよかったり。。夏って本来そういうものだと思いませんか?
この映画、ずいぶん前から知っていたのですが、やっと見た。見て良かった。
沢山書いてしまったけど、ありがとうございます。