あとだしなしよ

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破れ太鼓

2005年12月06日 | 木下恵介
1949年 昭和24年 松竹
監督:木下惠介 
出演:阪東妻三郎

坂東妻三郎は建設会社の成り上がりの社長の役で豪放な人物。バンツマさんはユーモラスに前近代な父親を演じます。彼の子供は6人いて、近代教育を受けた彼らは西洋文明につかり、父親に服従しながらも彼をバカにします。『お父さんのウンチを顕微鏡で調べて、虫の卵が見つかった!と言って母親に見せる息子』とか、彼のテーマソング『破れ太鼓』を作り、みんなで合唱する家族達とか。
彼の会社は経営難で長女を資産家に嫁がせようとするが、娘は嫌がり婚約は解消となり融資話は無くなる。又、娘の交際が元になり妻と喧嘩になり、妻は家出。当てにしていた資産も持ち出され、長男のオルゴール製作会社に回されてしまう。
結局、建設会社は倒産。カレーを食べながら昔の苦労時代を思い浮かべるシーンは、若き日の剣劇王バンツマを彷彿させてとても良いです。
  • 上京?時に電車に乗れずに、電車沿いの道ををボロボロの身なりで歩き、膝まつく
  • どういうわけか知らないが、人夫に追いかけられて川に放り込まれる
  • 場末っぽい飯屋で、一人ぼっちで泣きながらゴキ入りカレーを食べる
  • 北海道?で事業を起こし、ようやく成功する

倒産後に「わしのすることが気にくわんか!」と嘆く彼に、もっとも生活能力がないと言われた音楽好きの息子に『みんなお父さんが好きなんですよ』と諭されます。最後は長男のオルゴール会社の相談役になり映画は終わります。
舞台は田園調布。東横線と思われる駅は、まだ田舎の駅といった風情。
同じカミナリオヤジでも『寺内貫太郎一家』にはならないのはバンツマの演じ方でしょうか。

バンツマ好きです。