鈍いなまくら刀で社会を斬る!

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エクストリームユーザを使ったイノベーション事例

2018年10月18日 02時10分04秒 | デザイン
釣り情報や河川増水の情報を流すボストンクラブのウェアラブルデバイス用のメガネフレーム
ですが、これは良いですね。フィッシュバスという会社と組んで福井でテストをはじめるそうです。

デザイン思考的な感じでいうと、フィールドワークでちゃんと現場が理解できている感じです。

メガネ型のウェアラブル端末は、Googleもかつて出して(当然)失敗しました。
それはフィールドワークを全くしていなかったからです。

Googleのそれは、同じようなメガネ型で普段日常で装着していると、周囲の全員が気味悪さ、
creepyな印象を持つデバイスでした。

アイデア一発とテクノロジー主導視点から言うと、普段しているメガネに情報が出たり
そこから情報収集出来たら面白いよね、というのは全く「Life」というか「日常世界」を
見ていないTechオタクなら誰でも考えることです。

「ドラゴンボールのスカウターみたいにさ」

って、多分100人中120人くらいが言ったと思います。

しかし、実際それを日常生活で使い、社会にフィットさせていくことは不可能です。
理由は簡単で、それは無目的に情報収集を行い、情報掲出を行うデバイスだからです。

目的のない商品、何かを達成しない商品(もしくは、何でも出来る商品)、
何かのソリューションにならない商品は絶対に社会に受け入れられません、
つまり、売れません。

しかし、このような究極の利用、Extreme Userが使うユースケースが見つかれば
十分に使えますし、売れます。

メガネ型でいうと、釣り、(アマチュアの)ゴルフ、手術、登山、飛行機の操縦、
ツール・ド・フランスなどなど、色々な現場を思いつきます。

このような現場を見に行き、参与観察をすることで真に解決すべき問題が見つかります。
この解決すべき問題、解くべき問題、そして解決できるように上手く問題設定が出来れば
イノベーションにつながる商品やサービスが出来るわけです。

このような方法がデザイン思考と言われているものです。

釣り用ウェアラブルデバイスは、イノベーションと言える商品になると思いますが、
もしならなくても、同じコンテクストで別の現場にはめていけば良いのです。

イノベーションにつながることを祈ります。

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