避妊手術で入院したメメは2泊3日の外泊から戻ってきた。病院に行く時は膝の上から離れなかったのに帰りの車では俺の膝の上に乗ろうともしない。帰ってからもそれとなく余所余所しい。こんな酷い目に遭わすなんて、などと恨まれてんだろうな。怪我を治してやったわけでないから当然か。
子供の頃、生まれた仔猫は川か何処かにポイと捨てるのが当たり前だったけど自分にはそれは出来ないから避妊ってことになる。当初から避妊をするつもりだったけどいざとなるとこんなのは人間の勝手なんだよなぁと迷った。
犬猫手術でもインフォームドコンセントなんてのがあって、麻酔が上手く行かなかったり出血が止まらない時が一番危ないなんて話を聞いた。まぁその時は運が悪いってことで仕方ないんだろうなぁと思いつつ手術をお願いした。
そういえばこの犬猫病院の先生は手術が終ったら電話くれた。山梨でも避妊だの虚勢だのを何度かしたけどそんな連絡なんて無かったしインフォームドコンセントなんてのもナシ。病院による違いなのかそれとも時代の変化なのか。
ふと入院中に見舞いに行く人って居るのかなぁなんて思った。今までそんな事は考えたこともなかったがそれも歳のせいなのか、それともここの所何度も入院沙汰になったせいなのか。まぁこんな猫でもたった2日ほど居ないだけでも物寂しいもんだ。健康保険が効かないので治療費は2万9千円也。
縫った跡を舐めたり糸を噛み切らないように襟巻きのような物を首に巻いてる。すると歩くとあちこちでぶつかる。壁際を歩けばちょっとした突起に、低い所を潜ろうとすると上に当たる。見ているとまるでコントだけど本人にとっては大変だ。
今まで仔猫だから毛が抜けないのだと思ってた。そしたらそうではなかった。身体を舐める時に抜け毛も飲み込んでるようだ。それが出来ないので抱くと服は毛だらけ。
1週間分の抗生物質が出てるんだけどそれは粉。体重に合わせるから錠剤というわけには行かないんだろう。餌はあられのようなキャットフードだったけどそれでは飲ませられないので缶詰餌に変更。指で混ぜてから食べさせるという要支援の猫の誕生だ。
切り傷が点や線なら火傷は面。患部が広いのでバンドエイドのようなのは使いにくい。また接着する部分があるので剥がした時に薄皮か一緒に持ってかれそうだから使えない。
薬局に行ってみたら便利そうな医療品が色々あって、買ったのは上の3品。キズあてパッドは傷口に貼り付かない。それとくっつく包帯がなかなか良い。少しの長さでパッドを固定出来るのに肌には付かないという何とも不思議な包帯だ。
それと包帯の上から出来る指サック。火傷してから9日目にようやく手を風呂の中に入れる事が出来たけど、皮膚が破れている部分があるのでこれを使うことにした。サイズとの関係もあるだろうけど完璧防水というわけにはいかなかったけどちょっとした水仕事をするには良い。