【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

妖精たちが降りて来た・・

2009-05-21 16:17:57 | リラのお気楽ユメ日記


     今朝は早くも真珠色・・アラッ!? 
    ここまで記して一昨日の記述と
    全く同じ事に気付きました。

     ただ気温は高め。朝から20度越えです。
    天気予報では夕方以降、雨・・なんて、
    言っていましたように、今にも泣き出しそうな空です。

     こんな天候もそうですし、最近の新型肺炎騒動で、
    せめて気持ちだけでも晴れやかにと思い、
    (若草色の・・と行きたい所ですが、) エメラルドグリーンのブラウスに、
    同色の花柄のスカートを着込みました。

     ブラウスは、勿論レース付き。
    と言いましても、幅広(7㎝)のレースが首周りと袖、身頃に付いているだけです。

   「・・・着ているものが 流行 のものだと、良い人になるのが楽だわ。
  生まれつきの善人にはそんな事はどうでもいいんでしょうけれどね。」

                                            【「赤毛のアン」 第29章】

   尤も、私の場合は流行のものではなく、「レース」 ですけれど・・。

「ドクダミ」・「海老草」

   さて、この所の私は自分の庭で、
  野の花ばかりに注目しています。

   先日の 「オキザリス」、 「鬼田平子」 も
  そうですし、こちらの 「海老草」 も・・。

   裏庭に回りますと、“白十字の天使” こと
  「ドクダミ」 も、ほら、この通り。
  綻ぶのも、もうすぐです。
   
   そうそう冒頭の写真。
  紅葉の木と張り合うように、高く高く、
  そびえている薔薇を私は、
  大きく背伸びをするように眺めたものです。
   
   まるで、「あすなろ」 みたい・・~なんて思いながら・・。
  ふと、先日のオキザリスを見ようと、しゃがみますと・・。
   
   地面すれすれに、薔薇の蕾が・・。高さにして僅か15㎝ばかりです。
  もう、嬉しくて。こんな所に・・なんて思いながら、その生命力に驚いています。 

君の名は

2009-05-20 17:01:18 | リラのお気楽ユメ日記


     今日は、カラッとして本当に
    爽やかな朝を迎えました。

     やはり朝の気温は低め。
    小鳥は歌い、蝶は舞い・・。
    それは、さながら高原の趣です。
   
     尤も時間の経過と共に気温は、
    ぐんぐん上がって来ましたが・・。

     ところで、冒頭の写真の黄色い花。
    春浅いうちから我家の庭のあちこちに咲いていて、
    “繊細で可憐な花だな・・”~なんて、いつも思っていたものです。

   そう言えば・・えてして野の花は、ほとんどそうですね。勿論、名前は知りません。
  それでも、ひと頃は遮二無二(しゃにむに)名前を調べたものですが、
  最近は、そのままにしています。それと言いますのも・・。

   「どうしてこんな優しい羽根のようなものに、
  象の耳なんてそんないかめしい名前が
  付いているんでしょうね?」 と、プリシラが聞いた。
   アンは、「最初、名前を付けた人が、
  全然想像力がなかったのか、又は、あり過ぎたのか、
  どちらかよ。・・・」
                 【「アンの青春」 第13章】

     この記述も何度使用したのか分からない程、多用しているのですが、
    折角知っても、がっかりする事が多いのです。それならと・・。

     とは言っても心のどこかでは、いつも疑問符が渦巻いて・・。
    なかなかスッキリとは行きません。

     そんな中、前述の花の名前を偶然知りました。「オニタビラコ」。
    植物学上の表記は、カタカナ表記なのだそうですね。
    
     でも、これでは何のイメージも湧きません。日本語って素敵ですね。
    漢字がありますもの。「鬼田平子」。

     途端に意味のあるものに変身するから不思議です。
    何だか人名のようですね。でも、「オニタ・ビラコ」ではなく、「オニ・タビラコ」 です。

     田平子(仏の座)より大きくなるので、頭に鬼を付け加えたようです。
    でも、どうして 「鬼」 なのでしょうね。やはり、アンの言葉通りなのでしょう。

      その「鬼田平子」 と寄り添っているドクダミは、リラ版 「白十字の天使」。
     ドクダミが、別名 「十薬(ジュウヤク)」 と言われているように様々な薬効がある事や、
     白衣の天使と病院の緑十字、ドクダミの白い花びらをかけて、名付けました。

    我ながら、このネーミングは気に入っています。
   今年は、春が思ったより寒かったせいか・・開花が遅れています。
   我家にとっては、大切な大切な 「白十字の天使」 なのです。  

ウィルスという名の招かざる客

2009-05-19 16:06:38 | リラのお気楽ユメ日記

【長実雛罌粟(ナガミヒナゲシ)】

   こちらは早くも
  真珠色の空になりました。

   そして今朝は気温も低め。
  朝のゴミ出しの時には・・。
  
   「又、ヒンヤリして来ましたね。」
  ~なんて会話も・・。

   午前中は、いつ降り出しても
  おかしくない空でしたが、
    
   午後になって日差しも
  出て来ました。

   さて庭では、2、3日前から 「カレープラント」 が花盛りです。

   花には香りがありませんが、
  葉っぱには名前の通り、
  カレーの香りがして、
  食欲をそそられます。

   そのため料理の香り付けに
  使われるようです。

   それこそ、ドライフラワーや、
  ポプリにしても良さそうですね。

   早速、何本かドライフラワーに
  するべく採って来ました。

   ほんのり手に付いた香りは、
  カレーと言うより、
  香ばしいパン? のよう。

   そして正式の名前は存じませんが、
  リラ版、「夢見花」。   

   この花、俯いているばかりいますので、
  最初は折れてしまったのかと・・。

    でも元々、こんな花なのですね。
   その姿は楚々としていて、
   俯(うつむ)く風情を感じます。

    さて、こんな風に庭の花々の事を
   記している時は幸せで、
   別段何も感じないのですが・・
   巷の新型肺炎、心配ですね。

    一応弱毒性だと言われていますが、
   こればかりは、これからどのように
   変異して行くのか分かりませんものね。

   ところで、5╱10付の産経新聞に、志賀直哉の短編小説、
  『流行感冒』 が紹介されていましたので、私も読んでみました。

   この小説は、大正8年に書かれたそうですが、
  1918年(大正7年)から翌年にかけ大流行した、
  スペイン風邪に、パニックに陥った市民の心理を描いています。

   いつの時代も、インフルエンザは怖いもののようですね。
  その辺りの恐れと動揺が、巧みに描かれていて、面白いです。

   それにしましても、見知らぬウィルスという敵に対して、
  100年前も今も、たいして変わらないような気がします。
  次に記して置きますね。

 「私」 の住む町にもインフルエンザがやって来た。
最初の子供を失った事のある 「私」 は、何としても感冒を自宅に
入れまいと思う。
 そのため、妻子やお手伝いが運動会や芝居を観に行く事を禁じる。
買い物に行っても長話しないよう厳命した。
それでも石というお手伝いの女性がこっそり、
芝居を見ていた事が分かる。
 怒った 「私」 は石に赤ん坊を抱かせないようにし、
暇を出す事まで考える。
周囲が暴君のように見るピリピリぶりだったが、
真っ先に感冒に感染したのは 「私」 だった。
 油断して庭木の手入れをした時、植木屋にうつされたと
「弁解」 するが、おかげで妻や別のお手伝いまで次々と感染してしまう。
その時、文句も言わず、看病や赤ん坊の世話をしたのが、
一人元気な石だった。・・・
                           【「流行感冒」~志賀 直哉】

想像の余地に遊ぶ時

2009-05-18 17:56:36 | リラのお気楽ユメ日記

【オキザリス】

      昨日の雨は上がり、朝から晴れ渡りました。
     気温の方も朝から20度を越えていましたので、
     昨日までの肌寒さはありません。

      天気予報では随分、上がるなんて言っていましたが、
     それほどでもありません。

      ただ、この所の上がったり下がったりの急激な気温の変動、
     体調管理には十分、気を付けないといけませんね。
     折からの新型肺炎も気がかりです。

      さて今日は、頂いた券で映画を・・なんて、
                     思っていましたが、やめました。

     高校で新型肺炎が集団発生とのニュース。
    元来が臆病な私の事、地元の映画館ならまだしも、
    マスクをして電車で出掛ける気分には、なりません。

   それより・・家にいて、
  「想像の余地」 を働かせて
  楽しんでいた方が・・
  ~なんて、思った次第です。

   今日ほど、「室内と戸外の
  優劣」
が、こんなにあっさり
  決まった事は、ありません。

   この騒動は、これから、まだまだ
  長丁場になるのでしょうけれど・・。
    
   “「・・・何か売るものは
  ないだろうか ――
  何かなかったかしら? 
  そうだ、そうだ、
  葡萄の壺 があった!」

   葡萄の壺というのは、200年も経った品であり、
  壺として作られてこのかたロイド家の所有となっていたものだった。
  胴が膨れ、淡紅色と金の葡萄の飾りが付いており、・・・・・
  この壺は使うには勿体なさ過ぎるというので、
  居間の壁に取り付けた戸棚の一番上の棚に載せてあった。・・・”
 
                                             【「アンの友達」 2.】

     葡萄の壺!! 確か我家にも・・。
    と言っても、高価な壺でも何でもなく、とっくの昔に庭に出していますから、
    風雨にさらされ、花置き台と化している代物です。

     でも、想像は膨らみます。本当は年代物の高価な壺で・・。
    いいえ、壺も然る事ながら、中には財宝が隠されていて・・。
    まさか、こんな所に置いてあるなんて、誰も思いませんものね。

    ~なんて。
    いつの間にか・・ロイド淑女になり切っていました。

     話は変わりますが・・今でこそ、花置き台ですが、
    この壺、大層重宝しているのです。
    
     ある時は、ティーテーブルに、又ある時は椅子にと・・。
    ある意味、私にとって大切な宝物です。               

薔薇の香りでリラックス~♪

2009-05-17 17:35:55 | 『カフェ「薔薇の詩(ポエム)」』編

   夜のうちに降った雨は、
  朝には上がっていました。

   でも、すっきりとは行かないようで、
  午前中は降りそうで降らない空。

   しかし、お昼ちょっと前には、
  音もなく静かな雨が・・。
  
   又、上がり・・といった事を
  繰り返しています。

   いつもの事ながら雨上がりの朝は
  空気がピカピカ、葉っぱもピカピカ光り、綺麗です。

   そして、冬の間は姿を見せなかった蜘蛛ですが、
  またぞろ妖精の国の、テーブルクロスを、編み始めました。
  そのレースのクロスも雨粒で、まるで宝石を散りばめたように綺麗です。

     “今はやんでいるが1日中、雨が降っていた ――
    ライラックの匂いのする雨 だった。
     私はどんな天気も皆好きである。雨の日も好きだ ――
   風のおばさんが蝦夷松の梢だけをそっとそよがす、
  穏やかな煙るような雨の日が好きだ。
  又、荒れて嵐がかった、雨が滝のように降る日も好きである。
  雨で閉じ込められるのもいい ――
    ・・・・・風のおばさんが森や庭で気の狂った
  魔法使いのおばあさんのような金切り声を張り上げるのを
  聞いているのは楽しい。”
               【「エミリーはのぼる」 第2章】

   それにしましても、“ライラックの匂いのする雨” なんて・・何と、ロマンティックなのでしょう。
  こうして文字にしているだけで、うっとりして来ます。


     さて、今日も前置きが長くなりました。
    今日のようなお天気ですと、“雨の日キャンドル” の登場ですね。
    言うまでもなく、蝋燭はたっぷりありますから。

     となりますと・・『カフェ「薔薇の詩(ポエム)』 の開店です。
    本当に、気儘なカフェですこと。

     神秘的な蝋燭の光は、昨日求めました、“ハーブ蝋燭” を。
    チューダー王朝時代、イギリスの女性達は庭で育てたハーブを使って、
    料理、化粧水、香水、匂い袋などを作ったと言います。
    そんな中に含まれる、香り蝋燭です。     

   蝋燭と共に昨日は、ハーブティーも
  たっぷり買い込んで来ましたので、
  今日は珈琲はやめてハーブティーを。

   それらの中からローズヒップと、
  ハイビスカスです。

   ハイビスカスという事で一旦は、
  その柄のカップを選んでみましたが、
  ちょっと失敗でした。

   やはり薔薇茶ですと、お茶の色が、
  全体に楽しめる硝子の物がいいですね。
  最後の1杯で、硝子製のカップと交代です。カップは、「KENZO」。

   初めからこちらにすれば良かったの
  ですが、つい探し出すのがめんどうに
  思えて。でも結局・・。
  いつも、こんな調子です。

   そうそう、お茶の色・・。
  薔薇茶だけの時は、ともすれば、
  ワイン色に近いものでした。
  
   ハイビスカスが加わりますと、
  オレンジっぽくなります。
  至福の時間が過ぎて行きます。         

花のお茶で見る夢

2009-05-16 20:00:01 | ハーブと香り雑学

     今朝は、ちょっぴり久し振りに、真珠色の空となりました。
    ただ、この所の気温の低さは、相変わらずです。

     今日は陽射しがない分、
    余計に寒く感じられるのかも知れません。

     何でも4月上旬の気候に逆戻りとか。
    ここまでブラウス1枚という日が何日あったでしょう。

     降りそうで降らなかった今日の空。
    天気予報よりは随分遅く、午後2時前頃、パラッと来ましたが、
    それだけで、その後は、小康状態を保っています。






     さて、今日街に出ましたら・・。
    いつも行くお店で、蝋燭のセールをやっていました。
    普段のおよそ3割から半額のお値段。

     これまででしたら、今の季節は、蝋燭などほとんど見向きもしないでしょう。
    でも、今年は未だに恋しくて。この際とばかりに買い込みました。

     ちょっと見えにくいと思うのですが、左から林檎の香り2個。
    アロマポット用の物(3個入り)に、ハーブを埋め込んだ物(バニラの香り)、
    早速、火を灯していますのは、珈琲&バニラの香りです。     

     もう一つの買い物は、ハーブティーです。
    いつも思うのですが、まるでポプリのようなお茶。

     日本の緑のお茶も大好きですが、
    時々こんな花のお茶を、無性に頂きたくなる時があります。

     先にも述べましたように、お茶自体がポプリのようですし、
    お湯を注ぐと、プ~ンと広がる、甘~い香り・・。
    心も身体も、ほっとリラックス出来る瞬間です。

     薔薇を中心に、薔薇とハイビスカスとのブレンド。
    同じく薔薇とレモングラス、マロウ。
    
     若返りボディのためには、カモミール、エキナセア、エルダー、
    ミント、リンデン等など・・。

     そうそう、薔薇茶にロマンティックな薔薇の蕾は欠かせませんね。
    こちらは、薔薇の中でも一番香りの良い、ダマスクローズの蕾。
    
   薔薇にそっくりですから、ハマナスで代用している物も少なくありません。
  こちらは正真正銘の薔薇。何だかとても優雅な気分になりました。
  クレオパトラ気分・・とでも言うのでしょうか・・?

   と言っても、今日はまだ頂いてはおりません。
  これまで述べた事は、あくまで過去に頂いた、薔薇茶の感想です。
  でも、袋の外からも、十分香っています。さて、さて・・どんな味でしょう・・?

振り返ればハーブ美人!?

2009-05-15 16:33:38 | ハーブと香り雑学

     こちらは、今日も良い天気が続いています。
    カラッとしています。湿度は丁度、50パーセント。

     昨日から今日にかけて寒かったこと!
    しまっていた湯たんぽを又、取り出しました。

     昨日も、丸いお月様が顔を出していましたが、
    いつの間にか、東に移動。

     もうお月様を眺めながら、休むという訳には行きませんが、
    それでも背中の方に、その存在を感じて、幸せ気分。
    何だか優しく見守ってくれているような気がして・・。

      “・・・アンは一晩中、窓を開け放したままで
    桜の匂いを頬に受けながら眠るのが好きだった。
     こんな詩的な事はないとアンは考えたが、
    マリラは何と危険な真似をするのだろうと考えた。・・・”

                                          【「アンの青春」 第24章】

   上の描写は、『アンの世界』 では、5月の丁度今頃の季節です。
  月を眺めながら眠る・・という行為が、少しばかりアンに近付いたような気がして、嬉しいのです。


   朝は、寒さに震えて? いましたが、午後になると爽やかな陽気になりました。
  あの太陽が向こうの屋根に隠れましたので・・それを合図に、私だけの東屋に移動です。

   昨日探し出した、アガサ・クリスティー著 『ポケットにライ麦を』。
  パラパラと・・見るともなしに見てみましたら・・もうすっかり忘れています。

   タキシン、植物毒(アルカロイド)、マザーグースの歌・・。
  お馴染みの文字が並びます。
  何だか急に読みたくなって、もう一度読み直そうという訳です。

   さて、今日も少しだけ毒草の話題を。
  少々、引っ張り過ぎですね。

   でも、思わぬ発見もありました。
  今迄名前を知らなくて見過ごしていた
  ものも。

   しかもこんなに可愛い花が、こんな実が
  ・・というものの名が一つ、二つであれ、
  分かった事。

   勝手な名前を付けて楽しんでいますが、
  知るに越した事はありませんもの。

   私は・・と言いますと・・。
  クレンジング用にしている化粧水が、
  そろそろなくなりそうですので、その準備を。

   と言っても、市販の泡盛に何本か、ローズマリーを入れただけの代物です。
  ローズマリーの成分が抽出されるのでしょう。このまま常温で保存。
  勿論、飲んでも構いません。

   アルコール度数、30度のお酒に若返り成分、ローズマリーがお肌によろしいようで・・?
  それにしましても、何と安上がりのお肌ですこと!  

合言葉は “クリスティー” !?

2009-05-14 18:26:18 | ハーブと香り雑学

   爽やかに晴れ渡った空となりました。まるで秋のようにカラッとして・・。
  朝などは、ちょっと肌寒いくらい。

   小鳥が啼き、鶯(ウグイス)は、より高らかに歌い・・。
  まるで高原にでもいるようです。

   “・・・空気は黄金の酒のように透明で、木の葉は若緑で、
  地面は震える日光で出来た寄木細工のようであった。・・・”

                                        【「アンの青春」 第13章】

     さて、昨日はズラリと毒草を並べて、『アンの世界』 ならぬ、
    『アガサ・クリスティーの世界』 に入り込んだ気分。

     アガサ・クリスティーと聞けば、「イチイの樹⇒セージとオニオン⇒
    ジキタリス(キツネの手袋)」 と、なぜか連動して浮かんで来ます。

     ちょっと物騒な話ですが、殺人にハーブ(毒草)を使った事で有名です。
    実は私も最近は、クリスティーは、とんとご無沙汰ですので、
    それこそ、あっちの本棚、こっちの本棚と探しました。
     
     前述の 水松イチイの樹”
    この “水松(イチイ)の樹” には、“タキシン” という毒物が含まれているようです。
    しかも実と葉の両方に。そして非常に劇毒なのだとか。
                ~彼女の著作、『ポケットにライ麦を』 より。

   そして、“セージとオニオン”には、一瞬驚きますね。  
  “セージに毒草があったの・・? ” ~なんて。結局は、ジキタリスの葉なのですが・・。
  その “ジキタリス”、別名は “狐の手袋(フォックス・グローブ)” とも。


 
 パントリー夫人は、深呼吸をし、両手を握りしめた。
その顔は苦悩そのものだった。それから早口でぺらぺらと始めた。~・・・~

 「【死のハーブ】 で思い出したんですけど、私としては、
“セージ と オニオン” と呼びたいですね」 
「セージ と オニオン?」 と、ロイド医師が聞いた。
 
 パントリー夫人は頷いて、「それで事が起こったんです」 と説明した。
「アーサーと、クロッダーラム・コートのアンブローズ・バーシー卿の所に
滞在していた時の事なんです。
 
 ある日セージと一緒に、“ジキタリスの葉” が、一杯間違って---
どうして、そんな間違いが起こったのか、と前から思っていたんですけれど・・
摘まれて、その日の夕食の鴨の丸焼きの詰め物に使われて、
皆ひどく具合が悪くなって、アンブローズ卿が後見をなさっていた
娘さんが、可哀想に、そのせいで命を落としてしまったのです」
パントリー夫人はそこで話をやめた。
 
 「まあ、まあ、なんて悲惨なの」 とミス・マープルが言った。
               ~アガサ・クリスティー 『火曜クラブ「毒草」』 より


   ところで、昨日の幸田露伴が、
  間違えて口にしそうになった野の花、
  「タムシ草」(草の王)は、どうやら
  こちらの花のようです。

   カタバミに似た、こんなに可愛い
  花が、毒草なのですね。
  
   ただ、カタバミよりは大きいです。
  露伴が口にしそうなのも、
  分かる気がします。

   しかしながら毒であっても、
   疥癬(ひぜん)の虫を殺すのですから
   水虫の薬などになりますね。
   ここでも、毒と薬を思います。    

ハーブの不思議な魅惑 Ⅱ

2009-05-13 22:48:28 | ハーブと香り雑学

【ローズゼラニウムの花】

   昨夜のうちに降った雨は、
  朝にはやんでいました。

   アンではないけれど、こんな朝は、
  空気がピカピカ光って綺麗です。

   木や草花の葉っぱも、雨の雫の
  宝石をまとって輝いていて・・。

   昨日などは、もう真夏日でしたから
  草花達は、こんな自然の恵み、
  本当に嬉しいでしょうね。

   そしてこちらは、今年初めての蜻蛉(トンボ)です。
  ガーデンテーブルのレースの上に止まっていました。

   去年などは結構、追いかけっこしましたのに、今年は随分慣れています。
  でも蜻蛉って、こんなに早くやって来ましたっけ・・。
  さて、前置きはこの位にして。昨日の続きです。

     野の花は日本人にとって、
    万葉の昔から慣れ親しんで来たようです。

     まだ春の浅いうちから草摘みをした様子が、
    様々な歌にも詠まれていますし、それらは“春の七草”として、
                  私達にもごく身近ですね。   

   昔から春の行事として大切にされて来た草摘みは、万葉集第1巻にも謳われています。
  春独特の香りの苦味に薬効があるとされて来たのですね。

     そして明治の文豪、幸田露伴。
    彼も、草摘みを楽しんだようです。
    その様子は、昭和3年に発表した随筆、『野道』 に詳しく書かれています。

     露伴も草摘みに出掛けたのですが、どれが食べられる野草なのか見当も付かない。
    仕方なく近くにあった葉っぱを口に持って行くと、同行者が慌てて打ち落としたのだとか。
    それは、恐ろしい毒草だったそうです。その一端を万葉集と共にどうぞ!     

  もよ╱み持ち╱掘串ふくしもよ╱み掘串持ち╱この丘に╱
 菜摘ます子╱家らせ╱名のらさぬ╱そらみつ・・・」
              ~万葉集巻第一ひとまきにあたるまき 雑歌くさぐさのうた

 ・・・先生の言によると、それは タムシ草 と云って、
その葉や茎から出る汁を塗れば疥癬ひぜんの虫さえ
死んでしまうという毒草だそうで、
食べるどころのものでは無い危いものだということであって、
自分も全く驚いてしまった。
 こんな長閑気のんきな仙人じみた閑遊かんゆうの間にも、危険は、
伏在ふくざいしているものかと、
今更ながら呆れざるを得なかった。
                   ~随筆 『野道』 より


   それにしましても、昨日の 「蔓日々草」 もそうでしたが、
  普段私達が馴染み深いもので、思いもかけない毒草って、あるものですね。

   「鈴蘭」 は知っていましたが、「クリスマスローズ」、
  「カロライナ・ジャスミン」、「福寿草」
は、知りませんでした。

   他には、「アルニカ」、「草の王(黄)(クサノオウ)」、「コルチカム」、「ジキタリス」、
  「西洋走野老(セイヨウハシリドコロ)」、「朝鮮朝顔(チョウセンアサガオ)」、
  「ヒヨス」、「ブラッドルート」、「毒人参(ドクニンジン)」、「洋種鳥兜(ヨウシュトリカブト)」、
  「寄生木(ヤドリギ)」、「洋種山牛蒡(ヨウシュヤマゴボウ)」 等など・・。

   「西洋走野老(セイヨウハシリドコロ)」 に至っては、食べると幻覚症状が出て、
  走り回る事からこの名前が付けられたそうですね。どうぞ、お気を付け下さい。

   ただ、これらの毒草も一般人には毒草であっても、強心剤や麻酔剤などの薬剤に、
  なっているようです。毒にも薬にもなる・・という事ですね。

   【注: ↑ 随筆 『野道』 の 「タムシ草」 は、「草の王(黄)」 の別名です。】

ハーブの不思議な魅惑

2009-05-12 18:58:18 | ハーブと香り雑学


   連日、五月晴れが続きます。
  今日も昨日同様、汗ばむほどの陽気。

   巷では、新型肺炎を初めとして、
  物騒なニュースが、
  世間を騒がせています。

   それでも、日常生活は今まで通り、
  淡々と過ぎて行っています。

   いつもと同じように、
  薔薇が咲いたと言っては喜び、
  名前を知らない野の花の名前が
  分かれば、嬉しくなり・・。

   普段通りの生活の出来る事が、
  どんなに幸せな事なのか・・。
  そんな事を思う日々でも、あります。

   庭では薔薇が次から次へと開花し、
  嬉しい悲鳴を上げています。

   ところで、私は野の花が大好きです。
  所謂、薬効のある草がハーブですから、
  野の花は、ほとんどハーブだという事
  ですね。ここで思い出す事と言えば・・。
  
   やはりと言いますか、
  『アンの世界』 に、他なりません。

   いつか、【うみさとくじらさん】 も、
  触れていらっしゃいましたが、ミニー・
  メイが、喉頭炎(クルウプ)にかかって
  死にそうになった事が、ありました。

   その時、アンが 「吐根」イピカック を煎じて
  飲ませ、命を助けた事があります。

   “ミニー・メイは、なかなか
  それを飲もうとしなかったが、
  ・・・ 吐根 は長い不安な夜の間、何べんかミニー・メイの喉を下った。
   夜通し、二人の少女は苦しがるミニー・メイをたゆみなく看護し、
  女中のメアリー・ジョーは、精一杯の事をしたいと願う余り、
  火をごうごうと燃やし、喉頭炎専門の小児科病院全部でさえも
  使い切れない熱湯を沸かし続けた。・・・”

                                         【「赤毛のアン」 第18章】

     そう言えば、私自身も子供の頃、食中毒になった時、
    祖母が濃く煮出した番茶を何度も何度も
    飲ませてくれました。

     それで、翌日には嘘のように治った事を思い出します。
    ↑ のシーンを彷彿させます。

     現代では薬の進歩は、目覚ましいものがありますね。
    そのお陰で、命の助かった人はそれこそ、数えきれない事と思います。

     同時に、病気そのものよりも薬の副作用で亡くなる人が後を絶たないとか。
    とは言え、薬を否定している訳では決してありません。

     私を含め、葛湯や、生姜湯でも飲んで早く休めば治る風邪も、
             安易に薬に頼ってしまう現実。
             考えねばならないと思った次第です。

   最近、野の花の薬効に注目している私ですが、
  あの可憐な薄紫色の蔓日々草が、紛れもなく、毒草だという事を知りました。
  勿論、優れた薬効はあるのです。扱いが専門家のみだとの事。

   ここまで記して愕然となりました。
  実は、我庭ではドクダミと蔓日々草が混在して生えています。
  我家ではドクダミ茶を頂きますので、もし葉っぱが紛れ込んでしまったなら・・。

   それより、もっと重大な事。
  私は、蔓日々草の花びらも、ポプリにしています。
  その花びらが乾くと、何とマロウにそっくりなのです。

   つい昨日の事・・。
  マロウティーを頂いたものですから、紫色のその花びらを、“風で飛んだのだわ・・”
   ~なんて思い、瓶の中に入れてしまいました。慌てて取り出したものです。

  ここまで随分、長くなってしまいました。
  まだまだ書き足りない事もあります。明日に続きます。