【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

優しい紅葉

2011-10-03 16:30:26 | 四季のスケッチ











紅と金色で照り映えた 10月 の朝だった。
谷には薄靄うすもやが立ち込めて、
それはあたかも太陽に ――
紫水晶や真珠や銀や薔薇やくすんだ青色やを、
すくい上げさせようとして秋の精が
張り渡した網かとも思われた。
しっとりと露に濡れた野原は銀糸で織った
布地のように輝き、森の窪地には枯葉が
うず高く積って、駆けて通る足の下で、
がさがさと音を立てた。
「樺の道」 は黄金色の天幕を作り、
下に生えている羊歯は枯れて褐色になっていた。
                  【「赤毛のアン」 第24章】





   昨日と違って今日は青空が
  覗いています。青い空と白い雲。
  それにしても雲の美しいこと!

   そして1歩庭に出れば、
  金木犀の良い香り。
  2日前、蕾だったそれは今満開です。

   それこそ小さな花が寄り添って。
  今、街全体がこの芳香に包まれて
  いると言っても過言ではありません。

   小さな花と言えば、
  秋色の水引草が咲き始めました。
  そして庭の片隅には・・。

   又々、名前を知らない
  赤い小さな花が。
  勿論、植えた覚えなどありません。

   木を切ろうと紫陽花の奥に
  入る事などしなければ絶対に
  気付かなかった花。

   これまでも人知れず、ひっそりと
  咲いていたのかも知れませんね。





【「水引草(ミズヒキソウ)」】



   

   さて、『アンの世界』 と違ってこちらの紅葉は、まだまだ先の事。
  そんな中、薔薇の葉っぱにこんなに優しい紅葉を見ました。
  つましい紅葉。(冒頭~3枚目)

   一つは、お馴染みの紅い新芽ですが、
  薔薇の美をこんな所にも見た思いです。

   今年は例年に比べ、秋が楽しめそうですね。
  フランスの詩人、ボードレールに次のような詩を見つけました。(抜粋)

   「秋の歌」 とありますのに暗い詩(うた)。
  それもその筈、イギリスもそうですが、
  フランスも秋を嫌う人が多いのだそうですね。

   日本の爽やかな秋と違って、どんよりと曇った空と
  冷たい、雨がちの暗い日々が続くからなのだとか。おまけに日没の早さ。

   だからこそ、夏への想いが、とりわけ強いのでしょう。
  それは 『アンの世界』 でも言えますが、
  そこにはまだ、今日の記述のような素敵な10月がありますものね。







【秋の歌】
やがて 私達は 冷たい闇に沈むだろう
さようなら 短か過ぎた私達の夏の強い光よ!
私は既に耳にする 中庭の石畳の上に
陰気な響きを立てて まきが投げ落とされるのを
(中略)
この単調な響きに揺られていると
どこかで 慌ただしく ひつぎに釘を打つ気配がする
誰のためだろう? ―― 昨日は夏 今はもう秋!
この怪しげな物音は出発の合図のように鳴り渡る
(中略)
               ~ボードレール : 村上菊一郎訳


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