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【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

緑のタペストリー

2012-07-02 18:57:58 | 路傍の花~道草

【蔦の絡まる家】



・・・ 辺りが何て静かな事か!
自動車の警笛も聞こえず、
ライトがぎらつく事もない。
ジェーンが窓を押し開くと、
羊歯の香が流れ込んで来た。
それから聞き慣れない静かな音も
遠くから聞こえて来た ――
呻くような海の呼び声である。               
              【「丘の家のジェーン」 16.】


   梅雨の中休みは晴れとなりました。今日は1年の折り返し点ですね。
  早くも・・もう・・つい、そんな言葉が口をついて出そうですが、
  暑さはこれからが本番。心してかからねばなりません。

   そんな今日。太陽が顔を出していましたから、
  暑さは覚悟したのですが、意外に爽やかです。

   と言いますのも、久し振りに野暮用で街へ。
  そしてこれも久し振り、道草です。








【クローバーの原】




   先ずは蔦の絡まる家。
  美しい緑のタペストリー。

   いくつになっても、
  ロマンティックの根源ですね。

   ついカメラを
  向けてしまいます。

   尤も、夢と現実の落差を
  これ程、感じたものは
  ありませんけれど。

   (以前、玄関先の擁壁を蔦で覆っていましたから、
  その大変さは良く分かっているつもりです)

   そしてやって来たのは、「クローバーの原」
  少々、遅かったようですが、まだ大丈夫。

   それにしても今日の引用文の如く、静かです。
  私以外、誰もいませんが、物騒な所ではありません。

   少々、廻り道でしたけれど、ここに来て良かったと。
  ここなら、お弁当だって持って来れます。

   それより何より・・こぼれ種なのでしょうか、
  「こけもも」(ブルーベリー・ラズベリー)が群生しているではありませんか。
  それにしても、「クローバーの原」 に 「こけもも」。

   まるで 『アンの世界』
  探せば、こんな所にも 【アンの世界】 があるのですね。何だか嬉しくなってしまいます。

舞い降りる緑

2012-05-23 18:48:18 | 路傍の花~道草





【「松葉海蘭(マツバウンラン)」】

「ご覧なさい。あの詩が見えて? 」
(中略)
「あそこよ ・・・ 小川の底の ・・・
あの古い緑色の苔が生えている丸太よ。
あの上を水が、まるで、くしで解かしたような、
滑らかなさざなみ音で流れているわ。
それから、水溜りのずっと下の方に
日光が一筋、斜めに射しているわ。
ああ、こんな 美しい詩 って見た事がないわ」 
                   【「アンの青春」 13章】


   又々、雲一つない青空、五月晴れになりました。
  今は、一たび窓を開ければ、プ~ンと芳(かんば)しい芳香。

   それにつれられ、ついつい庭に出てしまいます。
  外は紫外線の量もハンパではありませんのに。

   それと言いますのも、薔薇と並んで、
  この所、ブログ誌面を賑わせているジャスミンの香り。

   場所によっては、まだ開花していないものもありますが、ほぼ満開。
  それにしてもジャスミンがこんなに香るなんて。
  薔薇の比ではありません。

   「個性的でありながら控え目。
  薔薇の香りが際立って目立つのとは対照的」
~ とは、ジャスミン評。

   一瞬、“エッ!?”~なんて思ったものですが、
  ジャスミンは、薔薇の深い香りと違って
  華やかで広がりのある香り・・という事なのかも知れません。
  



【「春紫苑(ハルジオン)」】




   さて、久し振りの道草です。
  ついこの間まで 「姫踊り子草」
  や 「仏の座」 が君臨していた、
  路傍の花も当然の事ながら変遷。

   春の紫苑こと、
  「春紫苑(ハルジオン)」
  が咲けば、「オキザリス」 も。

   群生していますからオキザリス
  に至っては、まるでピンクの絨毯。

   大好きな 「松葉海蘭
  (マツバウンラン)」 にも
  久し振りに遭遇。

   ただ背が高くて繊細な容姿。
  折からの風に右に左に揺れ、
  写真が撮りにくいこと!

   お陰で思い切り右に寄った
  写真になりました。

   それにしても、カタカナでは
  何の事か、さっぱり分からない? 
  「ハルジオン」。

   でも漢字なら 「春紫苑」。
  こんなに素敵な名前を付けて貰って良かった・・。

   この花を見る度、思います。
  私事ですが、秋に咲く 「紫苑」 には思い入れがたっぷりありますから。

   兎にも角にも・・やけに緑が眩しい昨今。
  この季節、吹き渡る風を 「青嵐」 というのも納得です。

   そうそう、冒頭から2枚目の写真。
  いつも 【秋の写真】 ですが、初めて青葉に覆われた窓を。
  蔦の絡む窓も、今日のアンの言葉ではありませんが、 が見えますね。

   そして 「オキザリス」 と又々、名前の知らない花。
  (一昨日の花も調べたのですが、名前分かりません)

   今日の花も、写真ではピンクに見えますが実際は紫色。
  頂いた花同様、小さな小さな花です。
  「アグロステンマ」 かとも思ったのですが、花びらが細いので違うような気も・・。



【ピンクの絨毯~「オキザリス」】  


春色小花(野の花)は花盛り

2012-05-21 18:28:18 | 路傍の花~道草



【風を待つ花 「赤花夕化粧(アカバナユウゲショウ)」】







壺の隅に 小さな薄紫の花 の群がり咲いた、
細い茎を集めた小さい束が
水に浸してあったのが眼に付いた。
それは美しい人の仕業だと、麟一は思った。
その花の匂いを嗅ぐでもなく、
ただ手に取って見たかった。
小さなあけの星のように、薄紫の花は優しく
群がって咲いている、花の名は知らなかった。
ただ何となく懐かしく慕わしく思われた。
花そのものまでが
寂しい気品を伝えるように思われた。                
                【吉屋信子作 「地の果まで」 】


   


   




   予報では本日の天気は、午前9時頃まで曇り。
  しかしながらそんな予報は外れ、太陽燦々。

   お陰様で世紀の天体ショー、
  「金環日食」 は、バッチリ見る事が出来ました。
  居ながらにして2階、ベランダから。

   ご近所からは子供達のさざめく声や、歓声も。
  皆様の所は、如何だったでしょう。
  今日は日本中の人が、こうして空を見上げた事でしょうね。














   さて今日は天(空)を見上げた
  ものですが、今度は地(足下)
  に目を向けてみましょう。

   それにしても今日は上を
  見たり下を見たり忙しいこと!

   わざわざ散歩に出掛けなくても
  家の庭には可憐な野の花を
  簡単に見つける事が出来ます。

   その野の花、庭の片隅に
  ひっそりと咲く花あれば、
  自分の領域をどんどん広げて行き、生い茂るもの等など・・。

   そのひっそりと咲く可憐な花・・と言えば、
  「赤花夕化粧」 でしょうか。(冒頭から2、3枚目の写真)
  細い茎に小さな葉っぱ、風に揺れる姿は今にも崩折れそうで儚げです。

   一方、「長実雛罌粟(ナガミヒナゲシ)」。凄い勢いで繁殖。
  元々植えていたローズマリーなどは隠れて見えなくなる程。

   オレンジの小さな花姿は、これも可憐なのですが・・。
  抜こうか抜くまいか・・今、思案中です。

                                 



                           【「庭石菖(ニワゼキショウ)」】  
   そして、こちらは 「庭石菖
  (ニワゼキショウ)」 ですね。

   昨日の公園清掃の時に
  見つけました。

   「素焼の鉢なんかに
  植えたら素敵よね~!」

   ~なんて、ご近所の方と。
  (早速、植えたものです)   

   そんな様子を見ていられたのでしょうね。
  「名前は知らないけれど、どんどん増える可愛らしい花があるのよ。
  差し上げるわ」 と頂いたのが冒頭から4、5枚目の写真の花。

   花の名前は、まだ調べていません。
  「オキザリス」 くらいの大きさの、やはり小さな小さな花。

   知らない方が神秘的・・? 
  ~なんて、不精はいけませんね。早速、調べてみるつもりです。 











   上から2枚目の写真、「昼咲月見草(ヒルザキツキミソウ)」
  としていましたが、「赤花夕化粧(アカバナユウゲショウ)」
  と判明しました。夕化粧となっていますが、朝から咲きます。

   とは言っても 「昼咲月見草」 とは同じ仲間との事。
  ここにお詫びと訂正をさせて頂きます。       

檸檬色の回想

2012-04-25 19:52:23 | 路傍の花~道草

【「輝く湖水」の菜の花】





・・・空気はビロードのように柔らかく、
すみれのようにかぐわしく、
琥珀こはくのように 黄金色 をしていた。
「まあ、何て美しい、せいせいした所でしょう。
まるで日光に酔いしれるような気がするわ」                   
【「アンの青春」 第27章】


   今日も昨日とほぼ同様の天気となりました。
  昨日に続き、今日も黄砂。白い太陽です。
  当然、晴れていますのに、どんよりとした空。

   ただ昨日と違うのは、早くもお天気下り坂との事。
  でも、この黄砂をサ~ッと洗い流してくれるのなら・・。

   雨もいいのかも。ふと、そんな事を考えてみたり。
  果たしてどうなのでしょう・・? そして又々、寒くなるのだとか。

   ところで。何をぼんやりしていたのでしょう、私って。
  つい先日、話題にしたばかりですのに、「野村紅葉(ノムラモミジ)」 が
  赤くなっている事に全く気付きませんでした。

   まさに今日、そよそよと風に揺れている姿を見て、
  まるで狐につままれているように感じたものです。








   さて、美容院からの帰り道、
  今日も、いつもの道草です。

   今日はリラ版、
  「輝く湖水」 までやって来ました。

   尤も、どこにでもある
  単なる溜池ですが、
  相も変わらず私の中では
  『アンの世界』 の湖と一緒です。

   その湖? の周りは今丁度、
  菜の花が満開ではないかと
  思ったものですから。

   案の定、土手は檸檬色に染まり、
  辺りは菜の花のかぐわしい香りで
  咽(むせ)るほど。

   おまけに花桃の濃いピンクも
  彩りを添えてくれて。

   こんな水辺は 「想像の余地」
  には事欠きませんものね。

   そうそう菜の花と言えば、檸檬色。
  こんな黄色系は、それほど好きな色という訳ではありませんが、
  「檸檬色」 という言葉は大好きです。響き、語感も素敵。

   それに檸檬は 「初恋のイメージ」 と言いますか・・
  清潔で甘酸っぱい思い出も重なりますもの。





   

野の花の愛らしさ再発見

2012-04-11 15:55:15 | 路傍の花~道草

【綿毛のメルヘン】



【「和蘭陀耳菜草(オランダミミナグサ)」】




「あそこに を植えたのもヘスターよ」
とダイアナは説明した。

「・・・あの桜の実が食べられる頃まで、
あたしは生きていないだろうけれど、
自分の植えたものが、自分の死んだ後にも、
生きていて、世界を美しくする手伝い
しているのだろうと、思っていたいのですって」
                  【「アンの青春」 第13章】


   


   予報通り今日は雨になっています。それにしても起床時の暖かったこと!
  その割には日射しがありませんので、日中の気温は昨日ほど上がりません。

   従って最高気温と最低気温の差があまりありません。
  これって石垣島の気温のよう・・と、ふと思ったものです。

   そう、明日にも発射すると言われている、北朝鮮のミサイル。
  それを迎撃するためのPAC3の配備の町。 






【「姫踊り子草(ヒメオドリコソウ)」】


   さて、こんな雨の日は蝋燭を灯して・・   
  というのが私の常のパターン。
  少々マンネリ気味ですが・・。

   でも今日は、幸いにも
  昨日の写真が残っています。

   昨日は上ばかり仰いだものですが、
  その桜の樹の下には今を盛りと
  野の花が咲き誇っています。

   もうすっかりお馴染みの花ですが、
  華やかな桜の樹の下で精一杯咲く、
  これらの花が何ともいじらしくて。

   そんな花たちに敬意を表してパチリ。
  花たちも心なしか嬉しそうです。

   そして蒲公英(たんぽぽ)の綿毛。
  何とも言えない郷愁を感じます。

   子供の頃、学校帰りなどに、
  息を吹きかけて遊びましたっけ。

   ところで、今わが町は、
  すぐ近くで道路拡張工事が行なわれています。
  そんな折、川の土手にずらり並んでいた桜の樹が切られました。

   まだ何本か残っていますが、どちらにしても時間の問題でしょう。
  それこそ何十年もかかって大きくなった木が一瞬に切り倒されて行く・・。

   今日の引用文ではありませんが、この場所に最初に桜を植えた人は、
  世界を美しくする手伝いをしたかったから・・と思うのです。

   開発を一概に否定している訳ではありませんが、
  自然が破壊された後では遅過ぎる事もいくつかあるのではないでしょうか。
  今、まさに唯一残された山里の風景が失われつつある・・その現場にいます。   

風と遊ぶ野の花たち

2012-03-22 15:56:56 | 路傍の花~道草

【なずな(ぺんぺん草)】









【なずな】
神様がたった1度だけ
この腕を動かして下さるとしたら
母の肩をたたかせてもらおう
風に揺れる
ぺんぺん草の実を見ていたら
そんな日が
本当に来るような気がした             
          星野 富弘~四季抄 「風の旅」 より


   

   今日も良い天気になりました。
  昨日同様、いいえ、それ以上に暖かくなりました。

   ただ起き抜けの気温は低く、随分寒く感じたものです。
  三寒四温は言うに及ばず、朝晩の気温の高低差も、
  かなりなものがありますね。





【「姫踊り子草(ヒメオドリコソウ)」】




【「仏の座(ホトケノザ)」】


【「烏野豌豆(カラスノエンドウ)」】



   さて、いつの間にか川の土手や
  田圃(たんぼ)の畦道(あぜみち)に
  春の野の花を目にするようになりました。

   あの風に揺れている白い花は、
  「なずな」、つぶらな瞳を精一杯、
  張り上げ見つめている水色の小さな
  花は 「オオイヌノフグリ」 ~なんて。

   毎年、同じ光景ながら、
  微妙に違っていて。

   でも春のわくわく感は、
  その都度新鮮・・~なんて。

   何だか自分でも何を言っているのか
  分からなくなって来ました。

   今年は早くから 「烏野豌豆」 を
  目にしていましたっけ。
  鞘(さや)は笛になりますね。

   そうそう 「オオイヌノフグリ」、
  “あなたはなぜに・・?”
  と、これもあどけなく可愛い顔を眺める度に思ったものです。

   別名の 「星の瞳」 は、あまりにも有名ですが、
  もう一つ、「瑠璃唐草(ルリカラクサ)」 と言うのも。

   これ素敵! 言葉の響きも文字も。どうして広まらなかったのでしょう。
  尤も、「オオイヌノフグリ」 の与(あずか)り知らぬ所ではありますが・・。




 

  

   

   何と蓮華草も見つけました。今年は寒さのせいなのでしょうか・・。
  例年に比べ、野の花が一斉に花開いたという気がします。
  まるで北国の春のように。  

春を待つ紅梅色

2012-03-03 19:43:21 | 路傍の花~道草






・・・メランコリックな日の出が
瞥見べっけんされたのである。
雲の御簾みすごしのその太陽は、
上下を隠されて、
あたかも光る唇のような形をしていた。
洋紅の口紅をいた薄い皮肉な唇の冷笑が、
暫く雲間に泛んだ。
唇は益々薄く、益々ほのかになり、
あるかなきかの冷笑を残して消えた。
        【三島由紀夫著 「天人五衰」~「豊饒の海」 第4巻】


   「桃の節句」 の今朝は、
  薄紫色のこんな空で明けました。

   その空の様子は、上記の如く。
  これ程の素晴らしい描写を
  私は知りません。

   そして早朝こそ、
  こんな空でしたが、日中は快晴。
  大層暖かくなりました。

   そんな今日。
  自転車でちょっと下まで。

   行きはコートもいらないような暖かさ。
  帰りは、さすがに風が冷たく感じられましたけれど。

   おまけに少しですが風も出て来て。
  上り坂と風は、疲れた身体に少々堪(こた)えます。





   さて今日も廻り道をして先日の公園に。
  そこには、ちょっとした梅園があります。
  (福井県は三方町寄贈とありました)

   意外や意外。
  開花しているのは先日の1本だけ。

   もう少し開花していると
  思ったのですが・・。
  他は、ほとんど先日と同じ状態です。

   ただ、先日は気付かなかった
  「紅梅」 を発見。
  期せずして紅白揃い踏みとなりました。

   この梅の色は、そのものズバリ、
  紅梅色こうばいいろ と言うのだそうですね。

   元々は桃色に近い淡いピンクの事
  でしたが、江戸時代以降は、もっと
  濃く、実際の紅梅の如く、鮮やかな色を
  指すようになったと言われています。

   そうそう、今日のタイトルでもある、
  「春を待つ紅梅色」 と言えば、もう一つ、ランドセルがありますね。
  最近では、紅梅色のランドセルも人気だとか。

   後、1ヶ月もすれば新1年生のランドセルが巷に躍る事でしょう。
  春は、すぐそこに来ていますね。  

早春の雅(みやび)な香り

2012-02-22 15:16:57 | 路傍の花~道草
















まだ蕾の 沈丁花 がテラスを取り囲み、
テラスの一角の餌場は、
本館と同じ赤瓦の屋根を付けていた。
そこに群がっていた小雀こがらたちは、
針で突ついたような啼音なきねを立てて、
近付く本多と慶子の姿を見るなりった。
        【三島由紀夫著 「暁の寺」~豊饒の海第3巻】




   日の出前の空は、
  薄紫色のこんな優しい空に。

   この空と同様、随分、
  寒気の緩んだ朝となりました。
  何でも3月中旬の気候とか。

   そんな春の兆しを感じた
  今朝、「匂い菫」 がいよいよ
  首をもたげて 来ました。
  【注 : 茎立(くくたち)】

   一方、本当に長い事独り旅を
  続けていた菫は、安心したように、ひっそりとその役目を終え・・。

   長い事、お疲れ様!
  ここにも菫たちのドラマがあるようですね。












   さて、今日の写真。
  昨日の公園のものです。

   私の住んでいる山側は、
  まだまだ開花していませんが、
  こちら平野部の公園では
  1輪、2輪と・・綻びつつ
  あるようです。

   今日などは暖かいですから、
  一気に花開くかも知れませんね。

   そうそう、そこでは沈丁花も
  沢山の花芽を付け・・。

   丁度、上記の引用文
  そのままの光景が
  繰り広げられていたものです。

   それにしても小さな雀の事を
  「小雀(こがら)」~なんて。

   この年になって又、
  1つ言葉を覚えました。

   そんなこんなで・・。
  一昨日に引き続き、今日も梅の事を。

   昔の人が、いかに梅を愛していたかという事は、
  先日の 【梅に鶯】 でも十分、感じ取れます。

   もう1つ、学問の神様、菅原道真の 「飛梅伝説」 も、
  あまりにも有名ですね。

   前回の村上天皇と同様、道真も又、
  梅をこよなく愛したと言います。

   それは、大宰府に左遷される時、大切にしていた庭の梅の木に、
  次のような別れの歌を贈った事でも分かりますね。

       東風こち吹かば匂ひおこせよ梅の花
                  あるじなしとて春を忘るな」


   その梅が道真を慕って、遥か大宰府まで飛んで
  行ったというのが、この伝説のいわれです。
  何と言う壮大なロマンでしょう。

   四季があるからこそ培われた
  日本人の繊細な感性、素晴らしいですね。

   季節は移ろい、厳寒の冬も必ず去って行きます。
  先人は、他の花に先駆けて咲くこの梅の花に、
  勇気と希望を貰った事でしょう。

   今年は桜の花も、
  例年とは違った目で眺める事が出来そうです。

それぞれの樹

2012-02-16 17:35:18 | 路傍の花~道草




  
【久し振りに 「曲がり角の浪漫」 を感じて】









・・・見た処、死と悲しみのような
葉のない木が立っていた。
けれどもそれはただ見た処だけだった。
命の血は木々の心の中にある。
やがて、青い葉とピンクの花の花嫁姿で、
自分たちを装うだろう。
そして1番沢山に吹き溜りが重なっている所に
横たわっている 小金 は、
やがて朝のラッパを吹くだろう。
             【「エミリーの求めるもの」 第16章】
【注・「小金」 植物の名前】


   






   再び寒い朝の到来です。昨日より2度ばかり低い朝。
  おまけに3日連続、真珠色の空での1日の幕開けとなりました。

   ただ、そんな中にもおずおずとながら、
  今日は太陽の姿も見え隠れしています。

   そんな空ですから辺りの景色も、
  いかにも冬枯れ・・といった様相です。
  








【やがてピンクの花嫁姿に・・夢膨らむ蕾】


   





   さて、冒頭の写真。こちらの桜(並木)は、
  これまでにも何度か登場していますね。

   駅からの帰り道、ここまで来るとほっとする場所。
  我家まで、“後、もう少し・・” の場所ですから。

   春は勿論、桜。
  すぐ傍の、リラ版 「輝く湖水」 の周辺には菜の花の群生も見る事が。

   秋は紅葉と黄金の漣(さざなみ)、
  所謂(いわゆる)田圃と柿、日本の原風景が味わえます。

   そして暑い夏。自然の天幕と化した葉と、揺れる木洩れ日。
  そこを吹き抜ける一遍の涼風に、ほっと一息吐(つ)いた事も。
  では、冬は・・? そそくさと帰るだけ・・?

   いいえ、そんな事はありません。並木の裸木の美しさ。
  葉がないからこその枝振りの見事さを際立たせていて、
  見ていて飽きません。

   色彩がない、モノトーンの美もありますね。
  飾り立てない本質の美。
  本当の木を味わうなら、冬と言いますものね。

   ところで、文芸評論家、小林秀雄の喜代美夫人にも、
  “ここまで来ると後半分・・” という場所、
  いいえ、木があったそうですね。

   それは小学校の登下校の途中にある、
  大きな1本の栗の木。

   信州と言いますから、
  そこは人里離れた場所だったに違いありません。

   子供の足で “後半分・・”、
  この木にどれだけ勇気を貰った事でしょう。
  (エッセー 「栗の樹」 より)

   そう言えば、東日本大震災でも大津波にも負けなかった
  松の木がありましたね。

   1本の木にまつわる思い出と癒やし・・
  誰にもある事かも知れませんね。きっと。

風花&綿帽子の浪漫

2012-01-24 18:13:58 | 路傍の花~道草




「・・・今は森の中が素敵なのよ。
羊歯しだ繻子しゅす地のような葉も、いろんな木の実も、
森のものはみんな眠ってしまったの。
まるで誰かが森のもの全体を
木の葉の毛布でくるんでしまったようよ。
きっとね、虹のスカーフを付けた炎色の妖精が
最後の月の夜に抜き足差し足でやって来て、
そうしたんだと思うわ。・・・」
                  【「赤毛のアン」 第30章】



   久々に朝の早い時間に
  顔を出した太陽。

   冬の太陽は、
  おずおずと、でも大胆に。

   日本列島を強い寒波が
  襲っているようですね。

   先週の1週間予報では
  この週明け、こちらも最高気温が
  4度になるとかならないとか。
  
   心配していましたが、
  思った程ではありません。
  
   今日も起き抜けの居間の気温は13度ありましたから。
  ただ日が落ちるに従って、さすがに冷えて来ました。
     


                                    【冬空を彩る赤い実】
   さて今日は野暮用で街へ。
  帰り道、寄道しようと思って
  いましたから(例の私だけの場所へ)
  一応カメラを持って出たものです。

   しかしながら用事を済ませて
  帰る頃には俄かに雲行きが怪しくなり。

   案の定、チラチラと
  風花が舞い始めました。

   こうなれば、アン気分よろしく、
  森の中・・~なんて、
  寄道する気も失(う)せてしまって。

   そうそう 「ぶなの木屋敷」 ならぬ、
  例の 【ポプラの木屋敷】 が、
  解体されている現場にも。

   紅い蔦が絡まり、この辺りでは珍しく
  木々でこんもりした、このお邸。
  少々古いけれど典型的な日本家屋。

   大層趣きがあって
  気に入っていただけに残念です。

   いつも横目で眺め、「想像の余地」 を膨らませていましたっけ。
  跡地には今風の家が建つのでしょうね。きっと。

   そんなこんなで。残念ながら、アンお勧めの 「冬の森」 はお預けです。
  本当に “行きは良い良い、帰りは怖い・・” ~♪ 状態。

   とは言え、手はかじかむ程寒かったものの、風花はチラッ止まり。
  家に着く頃には青空も。何だか肩透しを喰らった気分です。

   せめてもの写真は 「蒲公英(タンポポ)」 とその綿帽子。
  今では1年中咲いていますから、ちっとも珍しくありませんね。
  
   でも私にとって蒲公英と言えば、どうしても春のイメージ、希望の花。
  そう言えば、既に 「カラスノエンドウ」 も咲いていました。
  そしてもう一つ、冬空を彩る赤い実は、空まで届きそうな? 大木です。