【9月第1週:魔法戦士ネギま! 300時間目 明日菜のもとへ!!】
http://www.tsphinx.net/manken/wek1/wek10477.html#655
【漫研】
http://www.tsphinx.net/manken/
【『ぬらりひょんの孫』の件(USTREAMハイライト)】
http://www.ustream.tv/recorded/9649811/highlight/106765
(↑)先日やった漫研ラジオの『少年マンガ放談』で話したのですが『ぬらりひょんの孫』を今、“少年マンガ”として楽しく読んでいます。『ぬらりひょんの孫』は百鬼夜行の総大将と言われたぬらりひょんの孫・奴良リクオくんが………どうしたいんでしょうね?最終的に?(´・ω・`)とりあえず今は日本一の百鬼夜行総大将の跡目を目指しているように見えます。そんな物語。
…どうしたいんでしょうね?とは言ってしまうんですが、多分、リクオくんは人間と妖怪が共存する世界を作りたいんですよね。この物語は人間界/人間を“カタギの衆”的にとらえ、妖怪界/妖怪を“任侠”的にとらえた描き方をしていて「極道もん(妖怪)がカタギの衆(人間)に迷惑かけちゃなんねえ」っていうロジックで共存世界を造っていこうとしている感じですよね。
…これ、任侠を“暴力団”って言っちゃうと、それと一般人の共存ってどうなんだろう?って思ったりもするんですがwまあ、そこはマンガの世界というか、正義の不良もいれば、仁義を通すヤクザもいる、って事いいのでしょう。
…で、半分人間、半分妖怪のリクオくんは、そういうヤクザもん(妖怪)の世界に背を向けて知らないふりして生きていこうと最初は思ったんですが、やはり自分の関わっている世界にはどうしようもなく、妖怪がいて、そこからは逃れられないと悟って、それなら総大将の祖父(ぬらりひょん)から正しくその妖怪の世界を受け継ごうとして今の話になっている。
…「逃れられない」なんてネガティブな表現をしましたが、心象はそんなに悪い状態ではない。それは自分の半身を肯定するという事だから。
そうして妖怪世界にリクオ組の“親分”として名乗りを上げたリクオなんですが。最初のハードルというか、集団を率いるリーダーとしての資質が本当に彼にあるのか?という話になってくる。
少年マンガ(分けてもジャンプマンガ)って大抵「ケンカで一番強い奴がリーダー!」みたいなロジックで話がすすんで行くんですが、その経路は一匹狼的な主人公~つまりリーダー意識がない~が、ケンカで勝つうちに共感できるライバルと出会い、次第にそういうライバルを従える集団として成立して行く…という感じですよね。拳で分かり合った仲だから…とでもいうか、そこにリーダーの証明は要らない。←これ多分、リクオのお祖父ちゃん(ぬらりひょん)の物語じゃないかと思うんですけどね。
対してリクオくんは、そういう結果としてリーダーではなく、最初にリーダーの意識を持つことを必要とされている。それは三代目…という立場がそうさせているとも言えるし、周りの妖怪たちは全員その“つもり”~リクオを後継者として認める~で待っていたのに対して、遅れてきた主人公が持った宿題とも言えます。
…で、どうするのかなあ~?と思っていたら、なかなか『面白い』答えを返してきたなというのが以前の“鬼纏(まとい)”を編み出す記事です。(↓)
【今週の一番『ぬらりひょんの孫』ギミックとテーマが合致するのは少年マンガの理想】
http://blog.goo.ne.jp/ldtsugane/e/abbd80e6db0dfd368b9333912bfe2db1
まあ、これが“最終回答”とは僕は思っていないです。『ぬらりひょんの孫』はリーダーがリーダーである事の意味が問われる構造になっていて、その答えはこれで終わりではないと思うんで。仮にストーリーがそれを無視したとしても、無視した事が“答え”になる…と、構造とはそういう意味なんですが。
…気がついたら長々書いている…(汗)はい!ここから本題!(`・ω・´)そういうワケで、大体、戦闘準備完了したところで、リクオくんの前に出現しようとしているのが『羽衣狐現代編』のラスボス、鵺、こと安倍晴明なんですね!
…なんでしょうね?晴明は登場前の彼の過去話一発で、すぐにリクオくんを凌ぐリーダーである事が描かれてしまった…って感じるんですね。倒すべき悪のラスボス…ではなく超えるべき“悪のリーダー”なんですよね。
それは彼がリクオくんと同じ半人半妖の怪物であり、かつ先にリクオくんが目指しているであろう「人間と妖怪が共存する世界」を「陰陽の秩序」として千年前に実現していた…という描写の存在が大きいです。また、秩序といっても羽衣狐の一派は人間を襲う事が容認されているはずで。それはリクオくんのイメージしている共存世界がおそらく非常に“青臭い”イメージであろう事に対して、晴明は清濁併せ呑んだ…いわゆる“大人の理論”による秩序世界で調和していた事が想像されるワケです。
青臭いのは間違い……と言うつもりは全くありませんが、しかし、大人の理論を垣間見せるような人物が主人公よりも“格上”という感覚は持てるかと思うんですよ。
別に、晴明についてはGiGiさんが漫研ラジオの中でとても重要な示唆をしてくれています。
曰く、「晴明はマザコン」
………確かにwこれまで築いた陰陽(人と妖怪)の秩序のプランを母の死で全部ひっくり返すのは、彼も人の子(いや、狐の子だけどw)…って事だとは思うんですけど。……ちょっと、マザコン入っているかな?とか。そもそも“反魂の術”の発想が母胎回帰願望くさいよね……とかw
曰く、「羽衣一派は母系集団、対してぬら一派は父系集団」
これは慧眼だと思う。今回の敵、確かに晴明がラスボスで彼が最強の敵でその強さは次元が違う(妖怪相手に戦わせたら日本最強だよね?)レベルなのでしょう。しかし、そこを推してなお、羽衣狐は強い存在力を示しているし、この一団は羽衣狐の一派だと思えるんですよね。晴明は“その時”の頭領に過ぎないと。
つまり、羽衣狐は羽衣狐で、(母系集団としての)リーダーの在り方を見せている…と、そう言う事も出来ますね。ちょっと先走った事を言うと晴明が死んだ後、京妖怪たちが四散しても、またこの“太后”の元に妖怪たちは集まってくるのではないかとも思えます。……もっと、先走った事言うと、このマザコン野郎、母親に種仕込む可能性もあるよね!!(`・ω・´)(←すっかりマザコン扱い)
…そんなワケで復活前から、いろいろ愉しませてくれている安倍清明です。ちょっと期待しながら観ています。
http://www.tsphinx.net/manken/wek1/wek10477.html#655
【漫研】
http://www.tsphinx.net/manken/
【『ぬらりひょんの孫』の件(USTREAMハイライト)】
http://www.ustream.tv/recorded/9649811/highlight/106765
(↑)先日やった漫研ラジオの『少年マンガ放談』で話したのですが『ぬらりひょんの孫』を今、“少年マンガ”として楽しく読んでいます。『ぬらりひょんの孫』は百鬼夜行の総大将と言われたぬらりひょんの孫・奴良リクオくんが………どうしたいんでしょうね?最終的に?(´・ω・`)とりあえず今は日本一の百鬼夜行総大将の跡目を目指しているように見えます。そんな物語。
…どうしたいんでしょうね?とは言ってしまうんですが、多分、リクオくんは人間と妖怪が共存する世界を作りたいんですよね。この物語は人間界/人間を“カタギの衆”的にとらえ、妖怪界/妖怪を“任侠”的にとらえた描き方をしていて「極道もん(妖怪)がカタギの衆(人間)に迷惑かけちゃなんねえ」っていうロジックで共存世界を造っていこうとしている感じですよね。
…これ、任侠を“暴力団”って言っちゃうと、それと一般人の共存ってどうなんだろう?って思ったりもするんですがwまあ、そこはマンガの世界というか、正義の不良もいれば、仁義を通すヤクザもいる、って事いいのでしょう。
…で、半分人間、半分妖怪のリクオくんは、そういうヤクザもん(妖怪)の世界に背を向けて知らないふりして生きていこうと最初は思ったんですが、やはり自分の関わっている世界にはどうしようもなく、妖怪がいて、そこからは逃れられないと悟って、それなら総大将の祖父(ぬらりひょん)から正しくその妖怪の世界を受け継ごうとして今の話になっている。
…「逃れられない」なんてネガティブな表現をしましたが、心象はそんなに悪い状態ではない。それは自分の半身を肯定するという事だから。
そうして妖怪世界にリクオ組の“親分”として名乗りを上げたリクオなんですが。最初のハードルというか、集団を率いるリーダーとしての資質が本当に彼にあるのか?という話になってくる。
少年マンガ(分けてもジャンプマンガ)って大抵「ケンカで一番強い奴がリーダー!」みたいなロジックで話がすすんで行くんですが、その経路は一匹狼的な主人公~つまりリーダー意識がない~が、ケンカで勝つうちに共感できるライバルと出会い、次第にそういうライバルを従える集団として成立して行く…という感じですよね。拳で分かり合った仲だから…とでもいうか、そこにリーダーの証明は要らない。←これ多分、リクオのお祖父ちゃん(ぬらりひょん)の物語じゃないかと思うんですけどね。
対してリクオくんは、そういう結果としてリーダーではなく、最初にリーダーの意識を持つことを必要とされている。それは三代目…という立場がそうさせているとも言えるし、周りの妖怪たちは全員その“つもり”~リクオを後継者として認める~で待っていたのに対して、遅れてきた主人公が持った宿題とも言えます。
…で、どうするのかなあ~?と思っていたら、なかなか『面白い』答えを返してきたなというのが以前の“鬼纏(まとい)”を編み出す記事です。(↓)
【今週の一番『ぬらりひょんの孫』ギミックとテーマが合致するのは少年マンガの理想】
http://blog.goo.ne.jp/ldtsugane/e/abbd80e6db0dfd368b9333912bfe2db1
……いや(汗)この技のどこが、上述したような“大将の器のでかさ”を満たしているのか?描いているのか?伝わらないかもしれないですが…(汗)いや、何と言うかね……リクオが“何でも入る器”である事をギミックと画で物理的に表現してしまったんですよねwまあ、人間の器じゃなくってギミックの器なんですけどw
文字通り“子供だまし”という事かもしれないですけど、これはこれで好きなんです。だってねえ…仮に、叙情的、情景的に人間の器の機微を描くとして……よっぽど才能投入して上手く描かないと、分かりづらくないですかぁ?(´・ω・`)
…機微なる描写にぐずぐず走って、よく分からない、そしてノンギミックかよ!ってなるより、ギミック担いで大将である事が描かれてしまう方が、ずっと分かりやすくって、楽しいと思います。
まあ、これが“最終回答”とは僕は思っていないです。『ぬらりひょんの孫』はリーダーがリーダーである事の意味が問われる構造になっていて、その答えはこれで終わりではないと思うんで。仮にストーリーがそれを無視したとしても、無視した事が“答え”になる…と、構造とはそういう意味なんですが。
…気がついたら長々書いている…(汗)はい!ここから本題!(`・ω・´)そういうワケで、大体、戦闘準備完了したところで、リクオくんの前に出現しようとしているのが『羽衣狐現代編』のラスボス、鵺、こと安倍晴明なんですね!
…なんでしょうね?晴明は登場前の彼の過去話一発で、すぐにリクオくんを凌ぐリーダーである事が描かれてしまった…って感じるんですね。倒すべき悪のラスボス…ではなく超えるべき“悪のリーダー”なんですよね。
それは彼がリクオくんと同じ半人半妖の怪物であり、かつ先にリクオくんが目指しているであろう「人間と妖怪が共存する世界」を「陰陽の秩序」として千年前に実現していた…という描写の存在が大きいです。また、秩序といっても羽衣狐の一派は人間を襲う事が容認されているはずで。それはリクオくんのイメージしている共存世界がおそらく非常に“青臭い”イメージであろう事に対して、晴明は清濁併せ呑んだ…いわゆる“大人の理論”による秩序世界で調和していた事が想像されるワケです。
青臭いのは間違い……と言うつもりは全くありませんが、しかし、大人の理論を垣間見せるような人物が主人公よりも“格上”という感覚は持てるかと思うんですよ。
別に、晴明についてはGiGiさんが漫研ラジオの中でとても重要な示唆をしてくれています。
曰く、「晴明はマザコン」
………確かにwこれまで築いた陰陽(人と妖怪)の秩序のプランを母の死で全部ひっくり返すのは、彼も人の子(いや、狐の子だけどw)…って事だとは思うんですけど。……ちょっと、マザコン入っているかな?とか。そもそも“反魂の術”の発想が母胎回帰願望くさいよね……とかw
曰く、「羽衣一派は母系集団、対してぬら一派は父系集団」
これは慧眼だと思う。今回の敵、確かに晴明がラスボスで彼が最強の敵でその強さは次元が違う(妖怪相手に戦わせたら日本最強だよね?)レベルなのでしょう。しかし、そこを推してなお、羽衣狐は強い存在力を示しているし、この一団は羽衣狐の一派だと思えるんですよね。晴明は“その時”の頭領に過ぎないと。
つまり、羽衣狐は羽衣狐で、(母系集団としての)リーダーの在り方を見せている…と、そう言う事も出来ますね。ちょっと先走った事を言うと晴明が死んだ後、京妖怪たちが四散しても、またこの“太后”の元に妖怪たちは集まってくるのではないかとも思えます。……もっと、先走った事言うと、このマザコン野郎、母親に種仕込む可能性もあるよね!!(`・ω・´)(←すっかりマザコン扱い)
…そんなワケで復活前から、いろいろ愉しませてくれている安倍清明です。ちょっと期待しながら観ています。
ぬらりひょんの孫 12 (ジャンプコミックス) | |
椎橋 寛 | |
集英社 |
晴明がラスボスだとすると主人公のリクオが倒さなければなりませんが、リクオには倒すべき親の敵である羽衣狐がいます。
あれ程の強敵二人をリクオが両方ともやっつけるとは思えないです。
少なくともあの場で両方ともリクオが倒すのはバランスが悪いように感じます。
やはり片方は陰陽師がやってくれないと…。
それは晴明が一度実現した陰陽共存の再現とも言えそうです。
晴明は一度それを実現しながら、母を殺された恨みで闇一色の考えに身を落とすんですよね。そこがミソかと思います。