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今週の一番:11月第4週:月光条例 第7条[わらしべ長者]

2008年12月09日 | マンガ
http://www.tsphinx.net/manken/wek1/wek10388.html#563



この回で少し言い足りなかったというか「HxH」のネームはやっぱりすごいなあ…って話があって。この回、特にこの画ですよね。最初に竜に乗った王とネテロの画が目に入ります。あ、場面が変わったなと。それで視線を少し遊ばせると、右下の方に何かある…あ、これも王とネテロだという。これねえ…2枚の見開き画を1枚の見開きに収めているんですね。そして実際に、2枚分の見開きを観た効果がきっちり出ているんですね。……あっと、仕組み的には3枚の画って言った方がいいかもしれませんね。1枚目=王&ネテロ(大)、2枚目=王&ネテロ(小)、3枚目=背景、ですね。アニメのセル画をイメージして欲しいのですが、3枚目の背景は1枚目と2枚目の背景を共有しているわけです。背景のだまし画というか…。その情報を読む“間”がね……もう、何というか時間と空間が凝縮された画になっています。
僕はよくマンガのネームの批評で「情報が詰まっている」って話をするのですが「情報詰める」って正にこういう事を言っていて、それは何もコマを細かく割って言ったり、セリフを長々と書き連ねたりする事で高まって行くものではないんですよね。無論、最初は情報を俎上に上げるだけ上げておく必要があるのでしょうけど、その上で、今度は切れるだけ切って行く。その前に、情報を兼ねるだけ兼ねて行く。そうやって必要な大ゴマ、見やすい読みやすい画のスペースを確保して行く。俳句や短歌の作り方に近い感覚になってくるんですが、そうやって練り込まれたネームというのは、それだけで感動があります。富樫先生のネームは、少なくとも少年ジャンプ的なネームの組み方を極めた感がありますね。…それは、えらく時間を得た上で練り込んで描かれているものではあるんですけど…(汗)しかし、時間をかければ誰でもできるというものではないので、とても貴重に思っています。



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