![]() | バンパイヤ Complete BOX [DVD]コロムビアミュージックエンタテインメントこのアイテムの詳細を見る |
「バンパイヤ」(1968年制作)のDVDーBOXを購入しました。レーザーディスクで持っていたんですけどね、落とすの時間かかりおうだったので意を決して買いました。原作は手塚治虫先生の同名作品。(ダーク・ファンタジーの超傑作ですね!)実写+アニメーションという特撮で制作されています。主演は少年時代の水谷豊さん(昔なら「熱中時代」の、今なら「相棒」のですね)、また手塚治虫先生自身が初期話にゲスト登場していたりけっこう様々な話題を持った作品ですけど、内容自体も決して悪くない…というか、アニメーションがやりたい!とかミーシカルがやりたい!っていう手塚先生のパトスがけっこう、実写を交えることによって浮き彫りになるというかww……ともかく白黒作品である事も相俟って、かなりいい画面が出来上がっていたと思います。
特に大富豪の娘・大西ミカを始末したロックが上機嫌で「ロックのテーマ」を歌うシーンなんか好きですねえ。原作でもロックは「オレは悪魔の申し子さ♪」と歌って踊るシーンがあるんですが、どっちかと言うと~本来マンガでは聞こえるはずない音楽を僕が空耳するならw~コミカルな感じのテーマで、ロックの“悪役”としてのテーマはこっちの方がかなりキマッいます。後半になるほど、原作とは違った展開になって行くのですが、このロックのアンチ・ヒーロー性は実写の強みもあってかなり良く、悪党がもう一人の主人公という子供向き番組としてはなかなか野心的な物語世界を描いてくれています。(しかし、その野心故、人気がでず物語も多少方向転換を余儀なくされた面はありますね)


アニメ「どろろ」なんかもそうですけど、このころ既にTV放送はかなりカラー化が進んでいたのですが、「バンパイヤ」は予算の関係で、「どろろ」は残酷描写の関係で、いずれも白黒作品になっています。…しかし、それがけっこういい雰囲気を出しているんですよねえ?何でしょうねえ…白黒の効果って…この場合って、幻想性というか、ある種の錯誤性を醸し出すのですかねえ…?
あと、ちょっとメモ書きですが、この実写「バンパイヤ」最終回は、トッペイたちは自らが狼に変身してしまうバンパイヤの特性が“治療され”普通の人間になって終わるんですよね。これですべてめでたし、めでたしという感じに…。これは“現在”(2010年現在)の僕からすると……それは、どうなのよ?って終わり方ではあるんですよねえw(汗)
確かにトッペイたちは変身能力によって迫害を受けていたんですが……しかし、それでもバンパイヤの血族の在り方というか、トッペイの在り方そのものを否定してしまうような終わり方でいいのだろうか…?なんて事を思わず考えてしまう。(「ジャングル大帝」の終わり方なんかも、そんな感じの面がありますね。レオは雪山でヒゲオヤジに自らの肉と毛皮を差し出す~つまり死ぬ~のですが……何かこう、人間を救うからレオは偉い動物というか…いや、ちょっと穿った観方ですけどね(汗))
しかし、この“当時”はやはり間違いなくこれがスタンダードな大団円ではあったと思います。それがこの頃から現在に到るまでの間に、様々な価値観や考え方が流入してきて、たとえば今僕が述べたような“観え方”になって来りするんですよね。ハッピーエンドというのが一筋縄ではいかなくなって来ている……ここらへんの流れは、また、他の作品群を交えて考えて行きたい所です。
さらにオマケ。youtubeから「バンパイヤ」のOPを探して来ました。哀しくも誇りの高さを感じさせる。こんな雰囲気の作品だったと観てもらえれば……はっきし言って名曲。
http://www.youtube.com/watch?v=HTzBK8AGKKQ
ニコニコ動画で見つけたアレンジ。これもなかなかいい雰囲気。(えらい、不人気だけど、もっと評価されてよくね?)
ウクレレ・バンパイヤ