昨日を そして今日をありがとう

Demain il fera jour.
遠回りして歩きましょう 
素敵な景色に遇えるかも・・・

あれも京都 これも京都~大山崎山荘美術館へ~

2013-01-14 | 小さな旅の思い出
【京都 緑の館にて】

     

お正月に神戸に出掛け、その興奮も冷めやらぬうちに京都に行ってきました♪


毎年恒例の京都への初もうでと蒸気機関車館の他に

いつもと違った雰囲気の京都を味わってきました。

  

京都駅から普通列車に乗り換え、到着したのはここ「山崎」です。



目指したのは、天王山の中腹に位置し、木津・宇治・桂川の三川を望む

アサヒビール 大山崎山荘美術館でした。

駅に降り立ち左に出るとすぐにシャトルバス乗り場がありました。

ここから10分ほどの場所にあるのですが、急な坂道が続くので

バスに乗ったほうがいいよと言われ、バスに乗り込み数分

お屋敷の入り口のなるトンネル前に到着しました。

切り通しになった部分に作られた風情あるトンネルを抜け

暫く景色を楽しみながら歩くと、その山荘が見えてきます。



大正から昭和初期にかけて実業家「加賀正太郎」によって建築された

「大山崎山荘」(登録有形文化財)を本館として

建築家・安藤忠雄設計による地中館(1995年竣工)、山手館(2012年竣工)

とともに公開しています。

栄華を誇り、かの夏目漱石も滞在したことがあるそうです。

山荘は1967年に加賀の手を離れ、所有者は転々と移りました。



1990年頃、持ち主である不動産会社が山荘を取り壊し、マンションを建設する計画が持ち上がり

地元住民から強い反対運動が起こりました。

京都府から保存について協力の依頼を受けたアサヒビ-ル社は

加賀がニッカウヰスキ-の設立にも参加しておりアサヒビ-ル社と浅からぬ縁も

あることから、天王山麓の景観を保全するために山荘を

買い上げることになったのだそうです。

荒廃寸前だった山荘は、京都府、大山崎町の協力も得て

1996年に美術館として見事に蘇ったのです。


内部は残絵年ながら撮影禁止となっています。

ホームページから内部の様子をご覧になってみてください。


  アサヒビール 大山崎美術館~トップページ~ 

本館

本館内部では、民藝運動に参加した河井次郎、濱田庄司

バーナード・リーチの作品を中心に古陶磁、家具、染色作品を展示してありました。


【地中館への入り口】

地中館では印象派のクロード・モネの代表作として知られる《睡蓮》の連作を展示しています。

また、約5500坪の敷地面積を有する庭園には多くの植物が植えられ

四季それぞれの美しさを楽しめるようになっていました。

名古屋の白川公園内、科学館の前にあるバリー・フラナガンの兎も展示してありました。



大山崎山荘着工からちょうど100年を経た2012年

安藤忠雄設計による山手館「夢の箱」が竣工しました。


【テラスからは京都の町が一望できます】

地下にある美術館は、地中から飛び出たようなガラスとコンクリートでできた箱の下から入ります。

この部分が暗い地面の下へ、やわらかな太陽の光を届ける様な設計になっています。

この日はモネの睡蓮が3点展示してありました。

静かに睡蓮の浮かぶ池を眺めるにはぴったりな場所となっていました。



いつもの京都とは一味違ったモダンで優雅な世界を味わってくることができました。

次回はもうちょっと余裕をもって出かけ

ティールームで京都の景色を眺めながらケーキ(リーガロイヤホテル製を食べてきたいものですね。

あ!もちろんビールも用意されていました。^^

京都には歴史的に価値の高い建築物が多くありますが

それに比べればまだ新しいこの山荘です。

もし、バブルの頃マンションに変わってしまっていたとしたら

考えただけでも寂しい思いです。

京都府を始め地元の方々の運動のお蔭でこうしたものが長く残され

愛されていくことに価値があるのだと思います。