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大学教授キョトンC日々アラカルト便り!!
元鷹巣町長とデンマーク。。。
鷹巣町と言えば、秋田で最も有名だった高齢者福祉の町。
鷹巣を最も有名な高齢者福祉の町に作り上げたのは、ほかでもない
当時の町長<岩川徹氏>。
1991年に当選して以来、3期町長をつとめる。
初当選の翌年だったか、デンマークの高齢者ケアを含めた社会サービスを目の当たりにし、感銘を受ける。
(ついでにスウェーデンも視察してほしかったなあ。これは、独り言!)
全室個室型の老人保健施設、24時間切れ目のないホームヘルプサービスなどを次々に展開し、
手厚い福祉のまちとして、鷹巣町は、超有名に。
住民主体の民主的な福祉まちづくりは、映画監督、羽田澄子氏も注目するところとなり、映画にもなっている。
町の財政のバランスを欠いていると言う対立候補がその後の選挙で勝った。
町村合併で、今、鷹巣はない。北秋田市に。
この4月にその北秋田市長選があった。
今回の選挙でも、現北秋田市長に敗北した<岩川徹氏
(60)>。
敗北したでけでなく、2月に選挙運動員に票のとりまとめの報酬として現金10数万円を渡し、フライングして選挙運動した疑いで、岩川容疑者は、この13日に秋田県警に逮捕される。
デンマークもいい迷惑でR。
住民主体の民主的な福祉まちづくりの理念と合わせて、公職選挙法違反も学んできたということか?
デンマーク在住の在野の福祉研究者K氏を招いたり、国内の北欧研究者若干名を委員に委嘱するなど積極的な高齢者ケア実践に向けて頑張っていた岩川氏だけに、今回の違法行為は残念至極である。
すごく残念!
コメント ( 5 ) | Trackback ( 0 )
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学者であれば、「ほんとう」を知るために「知の探究者」として真相にアプローチしてください。
まず、岩川徹氏が逮捕されたのは事実であり、<事件>ではないと思いますがいかがでしょうか。
背後で働く諸力(権力構造)があるのならば、事情をご存知の探究者さんが、洞察なさった上で公表されてはいかがでしょうか。
「日本の近代以来の『疎外』が、ここに溢れて露になりました。」の部分がよく分かりません。再度敷衍して分かりやすく書いてください。
探求すべき知の領域は無限にあります。
私は私なりに学者のはしくれとして、日々探究活動しておりますが、探究者さんのように、この記事に関しては探究度が不足しているかも知れません。
探究者さんの探究の成果を是非、ブログ上で教えてほしいものです。
「再度敷衍して分かりやすく書いてください。」とのご要望ですが、スペースが足りないために敷衍して書くことができません。致し方なく、簡潔に書きます。
まず、この事件は『東北』という過疎の地に起きたという点に留意したいと思います。日本の〈村社会〉は、高度経済成長の展開過程において暗いイメージを払拭したかに見えますが、実は現在もなお「閉鎖社会」であるといえます。映画「住民が選択した町の福祉」は観るものを感動させました。農村であっても、選択によっては、前途に洋々たる希望を抱くことができると夢を与えてくれました。しかし、それは、かりそめの物語であったといわなくてはなりません。岩川徹氏は奮闘しましたが、その12年間は苦汁に満ちていました。旧いムラ社会がこぞって揚げ足とる、手段を選ばない醜悪きわまりない圧迫を加えていったからです。岩川氏の周りには強力な「自覚する少数者」という協力者がいましたが、やがて大半が退いていきました。高齢化によってという人もいましたが、多くは、圧力によって切り崩されていきました。それは目をおおいたい、耳をおおいたい事態でした(何という背信!エゴイズム!)。4選のときには、もはや四面楚歌であったと思います。
「背後で働く諸力」といいましたが、それは前近代的ムラ社会の構造的暴力というものを指摘したかったのです。
日本の農村は、「近代化農政」(農基法)によって、結局は〈工業国化日本〉に組み込まれて底辺社会に追いつめられ続けているという悲惨な状況にあると思います(貧困)。つまり、伝統的なムラ共同体の思想や仕組みを近代的に止揚した「共業・共同のムラ社会」とは1960年代喧伝されましたが、あれは『ばら色の誤解』というものであったと思うのです。この〈貧困〉は差別の構造、『構造的暴力』というものでしょう。
この「出口なし」という絶望感は、その閉鎖性から、結果、ムラ社会の伝統的な仕組みやしきたりを持続させることになってしまいました。北秋田市では「表の団結・裏の団結」「面従腹背」は死語ではありません。
岩川氏は、政治家としては手練手管を駆使する人ではなく、また以外なことに寡黙な人です。やせがまんの男でした。いつでも正攻法でいくために(脇が甘かったともいえる)巧妙に計算と洞察でやってくる敵陣からはしてやられることが多く…敗北をかみしめることになりました。
ただ、「金」には実に潔癖な人でした。「ケアタウンたかのす」の会計報告を見るならわかることですが、不明金はゼロ(1円の単位まで明瞭です)。岩川氏は、また、法律にも明るいですから「買収」などするはずがないのです。私は「近代化以前」からの「たかのす史」を知るものですが、「北秋田市」の選挙は、いまだに、どぶ板選挙、土建やの利権争いがものをいってます。これは、日本の地方選挙に顕著なことであると思います。義憤を覚えます。この度の投稿は、決して、「kyotonc 」さまの見解をあなどる気持ちなどありませんでした。
近代化以前からの鷹巣の歴史をご存知の探究者様が、北秋田市が、依然として、前近代的ムラ社会の構造的暴力から抜けきれずにいる現状に、怒髪天を衝くほどお怒りであることがよく承知できました。
確かに岩川氏は被疑者ですので、断定してはいけなかったです。
選挙で言えば、志布志の冤罪事件が記憶に新しいところです。
一刻も早く、裁判で、無罪を勝ち取っていただくことを願っております。
故郷に「ケアタウンたかのす」が誕生した時には目を見張りましたが、杞憂するものがありました。知ってみれば「美談」などではなかったのです。また、その実情は、日本のいたるところに依然として在るものでもありました。カネッティーの「群集とは何か?」グラムシのいう「群集の怪物性」に思いをいたし暗澹としておりました。
そもそも「探求者」などという不遜きわまりない「名前」を名乗り、悔やんでおります。たまたま、フーコーを読んでいて、咄嗟に出てきてしまいました。後になって整合性が合わなくなりますから、変更もできませんでした。