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任侠ヘルパーとミッキー・カーチス

先週木曜日、ミッキー・カーチスが任侠ヘルパーに出演していた。

車椅子利用の要介護高齢者として。

ミッキー・カーチスが老人介護施設タイヨウに入居した後、

認知症を患った初恋の相手が、同じ老人介護施設タイヨウに入居する。

この設定は、極めて非現実的である。

しかし、先週の任ヘルが全て非現実的であるかというと決してそうではない。

ミッキー・カーチスのタイヨウにおける問題行動は、実は極めて現実的である。

その問題行動とは、ミッキー扮する<お爺さん>が、異性である女性介護スタッフのお尻を触るという行動である。

セクハラというよりも、ハッキリとした痴漢行為である。

介護スタッフの離職率は高い。

その理由として、低賃金、重労働が挙げられることが多いが、この痴漢行為の被害も、離職の大きな理由ではないかと思う。

先輩スタッフに相談すれば、<上手にかわすのよ>というアドバイスだけが返ってくる。

お爺さんのエロイ行動を上手にかわせるほど、若いスタッフは人間関係のハンドリングに長けていない。

介護スタッフが男性入居者と物理的に最も接近する時、被害を受けるリスクは最も高まる。

朝の離床時、おむつ交換時、トイレ時、入浴時、夜の就寝時など、被害に遭いやすい。

全ての男性高齢者が痴漢行動をするわけではない。

もともと入所施設における男性比率は低いので、痴漢行為をするお爺さんの実数は少ないかも知れない。

各入居施設で、どれくらいのエロイ問題行動が発生しているのか、またそうしたエロイ問題行動にどれくらいの介護スタッフがどの程度悩んでいるか。

この問題は、特別養護老人ホームが誕生した1963年以来発生している深刻な問題である。おそらく、それ以前の<養老院>の時代から発生しているだろう。

しかも、どの国でも発生している<国際的な問題>でもある。

高齢者介護の現場では、日常化している大問題であるにもかかわらず、このタブーに挑戦する研究はまだ行われていない。

入居高齢者の人権も守られなければならないが、介護スタッフの人権も同じように守られなければならない。

草なぎ剛氏のたばこシーン、缶コーヒーシーン、黒木メイサ氏の超クールなシーンを見ながら、そう思った。

 

 

 

 

 

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