salt&pepper days 

ともすれば、子どもとの時間に埋もれそうな日々。でもやりたいことは他にもいっぱい。刺激を求めて悪あがき中。

本の感想・憧れと現実

2008-01-24 00:35:13 | 本・雑誌
登場人物の多い本は、苦手。
まあメインキャスト3人以内、脇がせいぜい3,4人。
それくらいが良いんだけど。

だから今回の小説で最初にズラリと
「登場人物の紹介」があったのを目にして
図書館の棚に本を戻しそうになった。

けど、読んでみた。
大家族とか下町風人情ドラマに
もしかしたら憧れがあるのかもしれない。

『東京バンドワゴン』(小路幸也・著 集英社)

3代続いている古本屋を舞台に
4世代同居の家族、その周辺の人々が繰り広げる話。
語り部があの世の人、というのが意表をつくけど
少しも不自然じゃなく、そのあったかい視線が
この小説を引っ張っている。

ミュージシャンあり、シングルマザーあり、
異母兄弟あり、押しかけ婚約者あり、の
多彩な顔ぶれでありながら、ちっとも特異な感じがしない。
ものすごく自然に、それぞれがいるべきところに
当たり前に集まって暮らしている。

この大家族や近所にいたら、秘密も何もない。
あけすけで、誰かが必ず顔を突っ込み、口を出してくる。
なんでそうなるかな、勘弁してよ、と
思うところもあるある。

これが現実なら、すごい疲れますね。
それが普通だった時代や暮らしが
あった(今もある)んだろうな、と思う。

心のどこかで、誰かにおせっかい焼かれることを
期待している部分も、人間はあるとも思う。

ドラマ化、舞台化してもおもしろいなあ
なんて思いながら読んだ。
この手のホームドラマは、流行らないのかな。