読みかけで、なかなか進めなかった本を
やっと読み終えた。
『犬のしっぽを撫でながら』(小川洋子・著 集英社)
前回に続いて、小川洋子さんの本です。
今回は、エッセイ。
映画にもなった『博士の愛した数式』を書くにあたり
小川さん自身が、どんなふうに「数字」に魅せられていったか、
(小川さんて、てっきり理系の方だと思っていたら
バリバリ文系だったんですねー)
小説を書くことに対する思いや、アンネ・フランクをめぐる旅、
子どもの頃の家族や友達の記憶、
愛する阪神タイガースへの思いなどを、たっぷり読める。
対象への「熱い思い」が、決して暑苦しくない。
感情的にならず穏やかだけど、強い愛情を感じる。
この人は、常に「物語」を感じて生きているのだなあと思う。
自分の中にある物語、そして、日々の其処此処にある物語を。
それを感じることは、すごく心豊かなこと。
特別な出来事がだけが「物語」になるのではなく
人やもの、すべてに物語は存在すると、改めて思う。
喜びや痛みややるせなさ、そういったものたちを
心に連れてくるものすべてが、
ひとつひとつは小さくても、物語になり得る。
それらに向き合うことで、小川さんの小説が生まれるんだな、とも思う。
向き合うことは苦しいときもあるけれど
心を研ぎ澄まし、日々を丁寧に見つめることで
いろんな物語をたくさん感じて
自分自身もまた、物語を紡いでいけるんだなあ、と思うと
ありふれた毎日も、ままならないあれやこれやも、
とても大切に思えてくる、そんな本です。
やっと読み終えた。
『犬のしっぽを撫でながら』(小川洋子・著 集英社)
前回に続いて、小川洋子さんの本です。
今回は、エッセイ。
映画にもなった『博士の愛した数式』を書くにあたり
小川さん自身が、どんなふうに「数字」に魅せられていったか、
(小川さんて、てっきり理系の方だと思っていたら
バリバリ文系だったんですねー)
小説を書くことに対する思いや、アンネ・フランクをめぐる旅、
子どもの頃の家族や友達の記憶、
愛する阪神タイガースへの思いなどを、たっぷり読める。
対象への「熱い思い」が、決して暑苦しくない。
感情的にならず穏やかだけど、強い愛情を感じる。
この人は、常に「物語」を感じて生きているのだなあと思う。
自分の中にある物語、そして、日々の其処此処にある物語を。
それを感じることは、すごく心豊かなこと。
特別な出来事がだけが「物語」になるのではなく
人やもの、すべてに物語は存在すると、改めて思う。
喜びや痛みややるせなさ、そういったものたちを
心に連れてくるものすべてが、
ひとつひとつは小さくても、物語になり得る。
それらに向き合うことで、小川さんの小説が生まれるんだな、とも思う。
向き合うことは苦しいときもあるけれど
心を研ぎ澄まし、日々を丁寧に見つめることで
いろんな物語をたくさん感じて
自分自身もまた、物語を紡いでいけるんだなあ、と思うと
ありふれた毎日も、ままならないあれやこれやも、
とても大切に思えてくる、そんな本です。